映画「ユメ十夜」を観てきました。
夏目漱石の原作「夢十夜」を10人の映画監督が
それぞれの感覚で表現するオムニバス。
個人的に好きだったのは、
実相時昭雄監督の第一夜と
松尾スズキ監督の第六夜です。
第一夜
チゴイネルワイゼンとかスタジオの引きのカットとか
結構ベタだけど、やっぱりこういう世界観好きです。
虚構と現実みたいな。影の落ち方がステキ。
第二夜
市川崑監督自身は好きなのですが、ただの禅問答で終わって
しまっていたので、もうひとつ物足りなさを感じました。
これは脚本の問題かもしれませんが。
第五夜
ちょっとヒドイと思う。
ホラー映画の監督のようですが(ホラーは全く観ません)
全然怖くないし、コメディ?と思うくらいヒドイ出来だと思います。
第六夜
完璧に漱石を松尾スズキの中で咀嚼して、
原作を敬愛しつつも、適度なバランスで壊していて、スバラシイと思います。
そして単純に笑えます。
これぞコラボレーション。
第八夜
山下監督らしさは、女学生が漱石の家の前で噂話を
しているシーンと、ちくわくらい?
それに原作を全く無視してますね。
「夢」という繋がりだけで、不愉快な不条理さ。
着想を得て、というのならいいですが、う~ん、どうなんでしょう。
全体的には、色々な作風が観られるので、まぁまぁ満足。
でも、原作のイマジネーションには
まだまだ及んでいないのでは。(←偉そー)
百年は早すぎた、ということでしょうか?