なかなか更新ができません。

申し訳なく思います。


9月より体調が優れず、やるべきことは最小限にしています。

2~3年に1度、こういうことがあるのです。

過去には

謎の皮下出血

帯状疱疹

胃腸炎(おそらく潰瘍)

腎盂腎炎など・・・


救急車使うこと2回

外食先で倒れること5回以上

この体質、何とかならないものか・・・


養生して、調査が落ち着いたら復活します。

推論の種類と利用p40-44

Janis(1965)内容分析のタイプ

1.実用論的内容分析:考えられる原因や影響に従って記号を分類する

 例)聞き手がドイツに対し好意的な態度をもつような効果があると考えられる発話の回数を数える



2.意味論的内容分析:意味に従って記号を分類する

 例)ドイツが言及された回数を数える


A.指示対象分析:特定の対象(人・事物・団体・概念)が言及された頻度

 例)ドイツの外交政策への言及

B.属性分析:属性が言及された頻度

 例)不誠実に関する言及

C.主張分析:一種の主題分析

 例)ドイツの外交政策は不誠実である、という旨の言及



3.記号―媒体分析:記号の精神物理学的特性に従って内容を分析する

 例)ドイツという語の生起頻度を数える





システムp44-48

システムとは現実の一部を記述するための概念的装置であって、以下の要素から構成される

・構成要素:その状態は変化する

・関係:構成要素間の状態の共起に対する制約としてあらわれる

・変換:これに従って、ある関係は時間空間的に別の関係を導く


Tenny(1912)

「記録それ自体を集積していくことにより、正確さにおいて合衆国気象台の統計にも比較しうる『社会的天候』を観察することになる」


Rapoport(1969)

「大量のシンボリックなデータを変化し発展する動態として記述することにどのような意味があるか、こうした集成のなかで、適切な構成要素・関係・相互作用の法則はどのようなものが考えられるか」という疑問を提起


差異:あらゆるシステム論的アプローチの主たる関心は、いかにして差異を新たな状況に組み込むか

→発信者の置かれた状況は異なる状況に生成されるメッセージに現れる差異

 メッセージが向けられた聞き手における差異

 インプットとアウトプットの差異

などに注目してきた


Gerbner(1969):メッセージ・システム分析

1.何が存在するのか

2.何が重要か

3.何が正しいか

4.何が何と関連しているか




コミュニケーションp61-66

コミュニケーションとは対話に参加する人の間で交換されるメッセージである




分析デザインp67-p91


分析デザインのタイプ

・データの文脈における何らかの減少を推測するための研究デザイン


・内容分析がほかのある方法の代用となりうるか否かを検査するための研究デザイン


・仮説検証のためのデザイン:内容分析の結果を、それとか独立に得られ勝つ内容分析から推論できない現象に関するデータと比較する



内容分析の要素

・データ作成

 単位の設定:サンプリング単位、記録単位、文脈単位

 サンプリング:観測された言語表現の連鎖のうち、たがいに独立である部分

 記録:内容をある一定のカテゴリーに分類することによって特徴づけられる特定の内容部分(Holsti,1969)

 Cf)文脈単位

   数量化単位:出現頻度や字の大きさなどを数量化する(Holsti,1969)


・データ変換:ある場合には統計的、数学的で単に不必要な細部の除去の問題


・推論


・分析:同定されるパターンは統計的に優位なもの、または結果を説明・記述するような重要なもの


・直接的な妥当性検証


・ほかの方法との結果の一致の照合


・その他のデータに関する仮説の検証



効率性と信頼性

物理的単位は、機械的方法を必要とする

認知的操作が最小におさえられ、効率的で信頼性の高い結果が得られる


テーマ単位は、研究目的が重要な基準になるが、認知的操作の連鎖が長く、熟練者も誤りを犯す可能性がある


統語的単位の識別は、効率的で信頼性が高い場合が多いが、その後の分析は必ずしも生産的であるとは言えない。文脈単位は統語的な用語によって定義されることが多い


―つづく―

出典:(タイトル=表題)、杉若弘子(2003)、風間書房



セルフコントロールとは:

自分の行動を自分で操作、統制していくこと(原野、1980;宮下、1987)p1




行動論的セルフコントロール:p2-4

 行動理論を基盤とするセルフ・コントロールの理論ならびに技法のことp2


・行動主義の学習理論(Watson 1913, Skinner 1938 1953, Hull)


・社会的学習理論をはじめとする認知的要因を組み入れた学習理論(Bandura 1977a)



行動論的セルフコントロールの意義:


1.行動論的セルフコントロールはセルフコントロールを獲得するための方法を提案できる

 (セルフコントロールは学習可能なもの)


2.行動理論の特徴でもある実証的なデータに基づく(evidenced-based)方法であること

 (教育内寮での指導、援助、説明責任といった要請にこたえうる情報を提供できる)





セルフコントロールの2タイプp5-6


①調整型セルフコントロール(redressive self-control)

=一時的に生じている情緒的問題を改善しいわば機能不全を回復しようとするもの


②改良型セルフコントロール(reformative self-control)

=将来生じるかも知れない問題の影響性を最小限に抑えようとするもの




・Nerenz & Leventhal (1983)のセルフコントロールの分類


 emotion control:嫌悪的な治療を受けている最中に不安や痛みを制御しようとするもの→①


danger control:将来の健康を害さないように不健康な生活習慣を変化させる→②




・Kanfer & Schefft (1988)のセルフコントロールの分類


corrective self-regulation:現時点で妨害要因の影響を受けている機能を回復するためのもの→①


anticipatory self-regulation:将来の結果を予測して自発的に実行されるもの→②






セルフ・コントロール研究の問題点のひとつp9


 =個人と状況に応じてセルフ・コントロールの方法が明らかにされていない


 個人→内的要因(個人差) 状況→外的要因






調整型セルフ・コントロールに影響する要因p51-p63


・行動レパートリーが少ないものはレパートリーの多いものに比べて状況の影響を強く受ける


・調整型セルフ・コントロールは、課題志向的なので、目標達成の困難度の影響が大きい(八木・若杉 2000)


・行動レパートリーが少ないものに課題志向的な調整がらセルフコントロールを学習させるには、目標達成が容易な状況から困難な状況へと、順次取り組むようすすめる必要がある


・非課題志向的な調整型セルフコントロールは、状況の影響のみうける


・目標達成の困難度が高まると、非課題志向的な調整型セルフコントロールは増加する


==========================

*課題志向的な調整型セルフコントロール

「うまくらればできるはず、と自分に言い聞かせる」

「うまくスピーチを終えたときのことを想像する」

「調子よく話している自分の姿を想像する」

「成功していた人のスピーチの場面を思い出す」

「よし、がんばろう、と気合を入れる」


*非課題志向的な調整型セルフコントロール

「友達と雑談して気を紛らわせる」

「ほんの数分我慢すれば済むこと、と考えて気をそらす」

「テストとは全く関係ないことを考えて、気をそらす」

「失敗しても大してことでないと自分に言い聞かせる」

「どうにかなるさと開き直る」

                     因子分析の結果より p45

==========================


・課題志向的な調整型セルフコントロールには個人差と状況(内的要因と外的要因)の交互作用が、


・非課題志向的な調整型セルフコントロールには状況(外的要因)の影響が見出された




・外的要因の影響


→課題志向的な調整型セルフコントロールは失敗経験を重ねると減少する傾向にある


→非課題志向的な調整型セルフコントロールは失敗経験を重ねると増加し、さらに失敗を重ねても維持される




・内的要因の影響


行動レパートリーが多いものは、少ないものに比べ、状況の困難度により柔軟に対処していた




・結論

課題志向性の異なる調整型セルフコントロールを状況に応じて使い分けることで、情動的・認知的なストレス反応がより効果的に制御されることが示唆された





改良型セルフコントロールに影響する要因p65-88


・抑制的アプローチは行動期間と目標達成確率のどちらか一方の条件が悪化するだけで行使されにくい


・積極的アプローチはどちらか一方の条件が整えば実行度が低下しにくい


・行動レパートリーが多い群は目標達成確率が高ければ行動コストが大きくなっても実行度の低下が少ない


・行動レパートリーの少ない群は目標達成確率にかかわらず行動コストが大きくなると実行度の低下が大きい


・行動レパートリーが多い場合には、多少行動コストがかかっても100%の目標達成を目指したセルフ・コントロールに取り組めるが、


・行動レパートリーが少ない場合には実行可能な行動コストから順次取り組む必要がある


====================================

改良型セルフコントロールの維持過程に影響する外的要因

1. 行動期間:目標達成のための行動を継続する期間

2. 行動コスト:目標達成のための必要な労力

3. 目標達成確率:セルフ・コントロールによってどの程度の割合で目標を達成できるか



抑制的アプローチの例)

食事制限


積極的アプローチの例)

運動療法

====================================


結論:


・改良型セルフ・コントロールは積極的アプローチを優先させた方が維持されやすい


・改良型セルフコントロールを成功させるには、行動レパートリーの個人差に配慮したプログラムを組む必要がある





総括p89-99


・課題志向的な調整型セルフコントロールと非課題志向的な調整型セルフコントロールは異なる機能を有する。


・個人と状況に応じてコントロールを適用することで、情動的・認知的なストレス反応がより効果的に制御されるだろう。



・いったん活性化した改良型セルフコントロール改良型セルフコントロールを目標達成までの期間維持する方法


 1.積極的アプローチ>抑制的アプローチ の優先


 2.行動レパートリーに応じたプログラムを組む

  行動レパートリーが少ない場合には、行動コストを低いレベルから徐々に増加させていく


 3.下位目標の設定で、長期にわたる動機付けやパフォーマンスを高め、改良型セルフコントロールからの離脱を防止する

  (bandura 1982, Carver & Sheier 1982, Stock & Cervone 1990 他)



・セルフコントロールによる行動制御を教育・臨床場面へ適用する際の指針を提唱



・課題

セルフコントロール個人差評価尺度の洗練


得られた結果の一般化はどこまで可能か


実際場面に近いアナログ実験(analogue study)の検討


各々のセルフコントロールの組み合わせに関与する要因の解明と、適切な組み合わせ方の検討

出典:メッセージ分析の技法-「内容分析」への招待-クラウス・クリッペンドルフ,1989,pp1-39


内容分析の基盤:ラスウェル(1965a)シンボルの数量化が科学的洞察の唯一の基礎と論じた



心理学での3つの領域

・言語的記録を分析→動機や心理特性、あるいは性格を明らかにしようとするもの

・質問表に対する自由回答、言語的応答、TATに対する反応など、質的データの利用

・コミュニケーション過程の分析 例)interaction process analysis相互行為過程分析



内容分析の定義:

*内容分析とは、データをもとにそこから(それが組み込まれた)文脈に関して反復可能で(replicable)かつ妥当な(valid)推論を行うためのひとつの調査技術である。(Krippendorff)

 ↑

メッセージのシンボリックな意味を探る手段=内容分析の特徴

メッセージの持つ意味は唯一ではなく、一人の受け手に対してでさえ多元的な内容を伝えうる

意味は必ずしも共有されない

一般的にメッセージやシンボルを介したコミュニケーションが関与するのは直接に観察されえないような現象に関してである

→データの文脈(context of the data)、つまり経験的環境の一部に関する特定の推論は、シンボルの意介するコミュニケーションが代理的な性質をもつことによって可能になる


*内容分析は、テクストにおけるある特定の特徴を、体系的にかつ客観的に同定することにより、推論を行う調査技術である(Stone et al., 1966)


*明示されたコミュニケーション内容を客観的・体系的かつ定量的に調査する技術。(ベレルソン)

 ↑数量化は重要だが、言語データのコンピューター処理の際、適切なアルゴリズムを導くには定性的な考えが必要。



内容分析の枠組み(規範的、分析的、方法論的であるという3つの目的に資するよう意図されている)

・分析者の手に委ねられたデータ

(当該データの定義・データの母集団は明白に)


・データの文脈

(データは単位、カテゴリ、変数によって記述される。もしくは多次元尺度にまたがってコード化される)

(文脈は環境条件や過去・現在・未来にかかわる状況を勘案したものになるよう構成する)


・分析者の知識による現実の文節化


・内容分析の目標

(target、分析者が何に関して知りたいか)


・基本的な知的課題としての推論

(データが独立変数で目標が従属変数になるよう構成する)


・結果の正否の最終的基準としての妥当性




内容分析の妥当性

・調査対象者に気づかれにくい調査技術

・構造化されない素材をも受容する

・文脈に即応しており、シンボリックな形態も処理することができる

・大量のデータにも対処可能


-つづく-


出典:発達障害児の衝動性とセルフコントロール(1997)嶋崎まゆみ、行動分析学研究、11(1,2)、29-40


1.発達障害児における衝動性とセルフコントロール

・発達上の障害を持つ子供たちに関する研究にオペラント条件づけ理論は欠かせず、認知行動療法は広まりつつある。


・しかし、認知は行動を介してしか測定できず、むしろ対象を取り巻く環境側の要因を分析し、介入のための操作と実際に生じた行動の変化との関係を明らかにしながら臨床活動を進めることが重要



・応用行動分析の手法

例)シェイピング(反応形成)は正の反応を導く刺激(プロンプト)などの技法を組み合わせることで言語獲得や身辺自立を可能にしてきた。(上里、1998)(Albert & Troutman,1986)


例2)環境の構造を詳細に分析するための多項随伴性の概念(Sidman, 1986)(嶋崎、1996)


例3)衝動性とセルフコントロールの概念化を図った選択行動の研究(Logue, 1988)



・本文での衝動性とセルフコントロールの定義(Logue, 1988)

衝動性:選択反応がなされた直後に与えられる相対的に小さな強化子(直後小強化子)が選択される場合


セルフコントロール:選択反応後の遅延時間を経て与えられる相対的に大きな強化子(直後大強化子)が選択される場合


例)対象者が実験者の戻るのを待ち切れなければ小さな報酬を、待てれば大きな報酬(Reward)を与えることを示す。その間の行動や行動に影響を与える要因が分析されたりする。




2.発達障害児を対象にした研究

・衝動性を測定する手続きとしての有効性を探るためのもの

・セルフコントロールを可能にするための訓練手続きとしての有効性を探るもの




3.衝動性の測定と評価(自閉症児の研究、井上・小林、1992)

・健常児2名は待ち時間と大きな報酬に敏感であった

・自閉症児のうち2名は待ち時間にかかわらず大きな報酬のほうを選択

・残りの2名ははっきりしたえり好みを示さなかった

自閉症児が環境内のどのような随伴性に注目するかをさぐる必要がある




4.セルフコントロールの訓練

・待ち時間を徐々に延ばすことは衝動的な子どものセルフコントロール選択を高めるのに有効という示唆(フェインディング法、成人知的障害者を対象にした研究はRagotzy, Blakely, & Poling, 1988)

・他にも自己拘束(commitment)、effort trainingといった方法も考えられている




5.発達障害児の選択行動研究における方法論的課題

・オペラント条件付けがもともと非言語的教示であったように、非言語的に教示されることが望ましい

・強化子:お菓子のような一次性のものか、お金のような二次性のものか




6.結論

・発達障害児のセルフコントロールについての実験研究はすくない。

・ゆえに、方法論についてもはっきりしない。

・更なる研究の蓄積が必要




解釈学的現象学(hermeneutic phenomenology)とは:現象学という哲学に基づいたひとつの研究方法である。

 現象学のスタンス:こころとからだは分かれていないというもの

 解釈学的:記述に伴う解釈のこと



フッサール(師)とディルタイ(弟子):生活世界(life-world)の構造の理解に興味を示した


ハイデッガー(師):解釈学の定義3つを立てた

 1.「存在の基本的構造が理解される」

 2.「存在論的な究明が始める可能性としての条件を釈明すること」

 3.「現存在(ここにある)の存在を解釈すること」

 ↓

ハイデッガー解釈学、解釈的現象学(interpretive phenomenology)と呼ばれる学派を導いた

(ベナーなど)


ガダマー(弟子):ハイデッガーの2番目の定義が人間科学の関心にふさわしいと主張

=どのようにして人々が自分たちの生きている世界を理解しているのかを研究すること

 そして、解釈学はテクスト(Texts)の探求である

 そこで、個人と伝統は両方ともが考慮されなければならない





解釈学的現象学の前提条件


ズッペとジャコックス:理論は解釈に基づいていなければならない

 また、解釈はさまざまに変化するのでただひとつの真実というのはない

 さらに、主観性が重んじられるので、

・説明では背景にある状況(コンテクスト)が重要で

・バイアスをはっきりさせる必要があり

・考え方は時間をかけて発展し、変化する





解釈学的現象学の歴史


準備期

ドイツ期←フッサールなど

フランス期←サルトルなど


フッサールの考え方(短すぎるまとめですが)

1.現象学的還元

 =形相的還元(eidetic reduction)もしくは括弧入れ(bracketing、偏見や個人的な思い入れを括弧でくくること)という数学的メタファーが使われる

2.間主観性(intersucjectivity):共通の世界を共有して共同体を作り上げている複数の主観性

3.生活世界(life-world;lebenswelt):生きられた経験の世界

 =自然な物事、平凡なものに私たちは気づかない。批判的あるいは理論的な内省が「経験」には先立つ。

ゆえに、現象学的探求が必要






眞田敏、加戸陽子 (2008) 発達障害研究、30(4)、227-238


日本ではLD,AD/HDを発達障害に含んでいる。

ここでは自閉症についての記述を中心にまとめた。



疫学的研究

1.自閉症

Fombonne(2005)のレビュー:1987年以降のASDの有病率は人口の0.6%と疫学的に推測

Nicholas(2008):南カリフォルニアの8歳児の調査で、1000人当たり6.2人

Hondaら(2006)(Br J Psychiatry. 1996 Nov;169(5):671-2.)日本での自閉症有病率は1万人当たり21.1人

Blaxil:「診断基準の変更や症例確認過程での改善だけでは最近の自閉症有病率の増加は説明できない」 


2.AD/HD

7~15%の報告、都会に多い→社会文化的背景も関与する可能性


3.LD

日本;6%はアメリカと同率、アメリカではぜんそくや糖尿病を持つ子供のLDの有病率が比較的高いという報告もある




分子遺伝学的研究:自閉症

双生児における発症の一致率の高さ←→一卵性児の一致率は100%でない 

 →環境要因の影響も考えられ、複数の病院遺伝子が複雑に関与する多因子遺伝が推測されている


・3番染色体(オキシトシン受容体遺伝子)=社会的行動(情緒的な話し言葉の理解を含む)に関与する神経ペプチド、自閉症での血漿オキシトシン濃度が低く、発達的変化も認められない

・7番染色体(大脳皮質、海馬、小脳などの層構造に関与)=言語発達や反復・常同行動に関連する研究が多い

・17番染色体(セロトニントランスポーター遺伝子が局在)=非言語コミュニケーション使用の困難や強迫的行動の関連の報告(それらを否定する報告もある)、いずれにせよSSRIの有効性との関連から注目されている遺伝子


References

The genetic architecture of autism and related disorders
Clinical Neuroscience Research, Volume 6, Issues 3-4, October 2006, Pages 161-168
D.E. Grice, J.D. Buxbaum



Genes Controlling Affiliative Behavior as Candidate Genes for Autism
Biological Psychiatry, Volume 63, Issue 10, 15 May 2008, Pages 911-916
Carolyn M. Yrigollen, Summer S. Han, Anna Kochetkova, Tammy Babitz, Joseph T. Chang, Fred R. Volkmar, James F. Leckman, Elena L. Grigorenko




画像研究:自閉症

高機能自閉症についてのfMRIやPETを用いたいくつかの研究が存在する

・文章にかかわる課題(聴く・繰り返す・作る)→優位脳が逆転、聴覚刺激への反応が弱い

・三角形を擬人化してのストーリー作り→上側頭溝、側頭基底部、前頭前部皮質内側面で活動が乏しい

・顔写真の表情を判断する→左中側頭回での活動レベルの低さ

・目の写真から感情を判断する→扁桃体の活動が低い(感情理解に困難)

他、思考の柔軟性や計画性、不必要な反応の抑制、目標に向けた計画の遂行など実行機能の問題なども見つけられた


自分のPDD研究の概要について、ある学術学会で口頭発表してきました。


日本では、発達障害はホットな話題ですが、たいがいのほかの国ではあまり注目されていないようです。


けれど、そのうち自閉症(とくに子供の自閉症)の研究は、以前に比べてぐんと増えています。


一方、たとえば途上国では、どれくらいの人が自閉症なのか、もしくは発達障害なのか、それすらよく分かっていません。





いまのところ、見聞きした話ですが、


1.世界的には人口は増加傾向にある。


2.医療の進歩がすすみ、それは多くの国に広がっていく。


3.そのため、先進国、途上国問わず、慢性疾患は今後問題になっていく。


4.しかし途上国の精神保健事情はいまだ改善の余地が多い。


5.イギリスやオーストラリアなどでは発達障害は注目されつつある。




そしてここからは個人的な考えですが、


6.日本や一部の先進国以外でも、発達障害が発見される率は高くなるだろう。


7.障害に対する認知や理解は、広がる可能性がある。


8.けれど、社会的なサービスの充実は、適切な理解によって促される。


9.自閉症だけでなく、発達障害全般について、当事者も支援者も一般の人もよりよく理解する必要がある。


10.先進国、途上国(この呼び方も好きではありませんが)かかわりなく、発達障害支援が充実してほしい。





発達障害に限らず、社会的に弱い立場に置かれている人がいます。


子供、高齢者、女性、慢性疾患を持つひと、肢体不自由の方、知的障害の方、精神疾患を持つひと、少数民族、難民、虐待を受けている人、など…。


少数派の人は、不平等な境遇に置かれることが多いと思います。


それを、すこしでも平等に近づけるお手伝いをしたい、と考えています。


力のない私ですが、何か出来るよう、努力していきたいと思います。






夏のイベントを一つ終えて。