お久しぶりです。

今日は、昨今の市場の混乱・下落について考察したいと思う。

<考察>

今回の下落について、新聞やら評論家、そして、ツーチャンネルの素人は、その理由を「欧州ソブリン」、「ドイツの空売り規制」、そして一部では「資本主義の終わりの始まりw」等に求めているようだが、僕の考えは違う。ある意味単純でテクニカルな要因が重なっただけと考える(勿論、上記も何らかの影響を与えたと思うが)。

今回の下落を引き起こした要因は「NYが1000ドル近く短時間暴走し下落と戻った 」日に端を発している。

初期段階において、当時の株式に加えて、通貨・金利の理由不明な市場の大きすぎる変動によって、キャリーであったり裁定・ペアトレードのリスクが計算値より大きくなったため、HF等は当初は「自発的に」ポジションを減らしたと思われる。

上記の動きが、加速し始めたところで、状況を懸念したプライム・ブローカー(HFに貸し株、貸し金等のサービスをする)がマージンコールをして、強制的にポジションを引き落とさせる動きに出たのが一昨日くらい。これによって、安値を買い向かっていたファンドが投げさせられてしまった(ex Long AUD BRL KRW等 Short EUR JPY USD、株式、商品)このためマーケットは、非常な混乱に陥った。混乱の足跡を水曜日あたりからの為替市場に特に見ることができる。

<今後の展開>

マージンコールに端を発した強制的なポジションのアンワインドとそれに伴う混乱が峠を越えたならば、戻りは途中まではかなり早い可能性が高い。今回の混乱からの脱出には次の2つが必要なはず。

①ポジションのアンワインドの減少
②マーケット自体の戻り


恐らく①は木曜夜に満たしていたので、問題は②だったが、昨日のNYで条件を満たした可能性が高い。


<急速な戻りのターゲット>
日経 10300-10500
NY 10500-10700
JPY 92.00-92.50
AUD 0.86-0.88
EUR 1.22-1.23


こんなところか・・・。レバレッジのの拡大は、少し時間がかかるので、そこからは・・・。

しらんけど



ギリシア救済をめぐる投機的な動きとユーロ・ショート・ポジションの積み増し・巻き戻しのボックスを経て、ギリシアに対する中途半端な救済策と財政政策の不発、弱いユーロ域内経済という背景から、完全なる需要不足に陥ったユーロ圏に対する解決策は・・・。

「通貨切り下げ(ユーロ安)」しかない

ユーロに対する信任の低下とかいうマスコミの報道は近いうちに、「積極的・確信的なユーロ安」という言葉に取って代わられるだろう。

ドイツ、フランスによる積極的な財政救済という策がなされなかったため、中途半端な形でギリシア問題は放置されることとなってしまった。

上記の状態で、財政の規律を回復するためには財政支出・需要の縮小が必要となり「必然的にデフレ状態となる。同様の状況にポルトガル、スペインも陥っており、経済状況の回復は輸出等を梃子にした政策が必要にならざるを得ない。

ユーロ圏内においては、ドイツ、フランスの経済状態は相対的には「マシ」だが、それでもフランスは経済成長がゼロ近辺にあり、経済の復調からは程遠いと言える。また、ドイツは、輸出によって回復過程にあるが力強いものではない。

「確信的」ユーロ安を予想する上で避けられないのが、ドイツのブンデス・バンクから続く「強い通貨」政策との齟齬であろう。それであっても、私は次の3点から担保されると考える

①ギリシアに対する財政的支援が国内世論の反対により不可能だったドイツの負い目
②域内経済は、財政規律の回復により需要が停滞し、停滞脱出には外需に頼らざるを得ない
③今程度のレートを維持しても、周辺諸国の経済回復は難しく、結局、危機の蒸し返しでユーロ危機になる



しらんけど
こんにちは・・・。すっかり、隔週更新がデフォになってしまったw
気持ち的には、毎週末に更新していきたいのだが・・・、頑張ります。

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さてと、日経新聞による日銀の金融緩和政策拡大報道と米国の経済指標が想定以上というここ最近の流れでしたが、2/28のBlogに指摘したように、キーポイントは「日銀が、1-3月に更なる金融緩和策を打ち出す」 「米国の景気が想定以上で極端な緩和の解除期待」だったわけで、流れ的にはイメージに沿ったものとなっている。

気の短い読者も多い当Blogなんで、結論から書こう。

○日本株式市場は、一旦上を試す(11000を抜ける?)が抜けきれない。500円レンジが切り上がるだけだが、中小型株は上昇局面へ

○ドル円も頭が重い、流れは円安だがもう少し時間がかかる

○商品市況も若干レンジを切り上げただけ、但し穀物・砂糖・ゴムは、エルニーニョの終焉から下落へ


理由は、目先、サプライズに欠ける事とポジションが既に積まれていることにある。

<日銀>
先日、日経新聞が報道した日銀の追加緩和策だが、それが意図的なリーク(観測気球)かどうかは別としても、それ自体がサプライズとなる可能性は少ない。追加的緩和策には、大まかに下記の3つがある

1.国債買取枠の増額(イングランド銀行タイプ) 白川総裁が否定的なコメントを連発している
2.非伝統的資産(MBS買取など、FRBタイプ) 金融危機の最中でも否定していた
3.時間軸効果拡大(ECBタイプ) 現行では3ヶ月


1と2は、はなから無いわけだから(あったらサプライズな訳だが、今のマーケットからは無いだろう)、消去法的に3しか有り得んなwとボンクラでも類推出来る。また、12月に導入した新型のオペを10兆円→20兆円に増額も日経報道済みであり、全くサプライズの出ようがない。

日経新聞が糞なタイミングでリーク記事出したおかげで、マーケットが一旦下に振れてサプライズ的な金融政策に日銀が追い詰められるというシナリオが目先消えてしまった。現状のホンワカした雰囲気の中で、日銀が最近のスタンスを大きく変えていくモチベーションは想像しがたい。

但し、目先サプライズに欠けるとしても量的緩和効果は、ジワリと効いてくる(逆に言うと劇的な効果は無いが)ので今後のサポートにはなる。

<ドル円ポジション>
国内勢には、円高と見ている人が依然として多いが、海外投資家は感覚で1対9位で円安方向を見ている人が多い気がする。つまり、そーいうポジションになっているわけで、下記のポジション移動の法則を考慮すると・・・

①ポートフォリオ内でのポジション移動
②ポートフォリオ自体の縮小・拡大


①については、既に動きが取れないとすれば、②ということになるが、グローバルなバランスシートの伸びは鈍化しており、日銀の動きも緩慢なため②への圧力は少ないため、ドル円も緩慢な上昇としかなり難い。

<業績予想と中小型株>
来期(11/3)のコンセンサスの予想増益率は、かなり水準が高く、特にスタート段階で企業側が予想を上回る見通しを出すというのは、難しいため、10/3期で上ブレしても出尽くしになる可能性は捨てきれない(ex 7201日産が10/3期で営業利益3900億とか)

一方で、中小型株には割安なものが目立ってきている。大型株が先物主導で引っ張られているため個別でのバリュエーションに苦しいものが出てきているために銘柄シフトしていることと、景気の回復が確度が高くなっていること等から設備投資、内需への波及効果に期待が持ててきているからだろう。

ちなみに米国では足元で、中小型株が大きくアウトパフォームしている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/quote?T=jp09/quote.wm&ticker=SML:IND


さすがに長すぎんな・・・、もっと手短に書かんとw

しらんけど












今年も既に3月になろうとしている。マーケットの基本観としては、通貨、株式、商品と基本的にはボックスをイメージしていたのだが、理由は下記のとおりだった。

①業績モメンタムのピークアウトと想定以上の利益水準(株式)
②想定以上の経済回復と金融政策緩和解除スタート(金利・通貨)

つまり、見方によっては「良くも悪くも見える材料が並立する」と考えていたからだ。
で、米国の景気が想定以上で極端な緩和の解除期待→ドル高(特に対円で)と見て、3月ぐらいから、マーケットは↑に振れると考えていたが・・・。

<日銀>
日銀が、1-3月に更なる金融緩和策を打ち出すかと見ていたが、そんな気配が全く無い。彼らのいうところのCPIプラス圏内で2%未満というレンジに達していないにも関わらずだ。去年の11月終わりに更なる緩和を明言したにも関わらず、足元では逆に流動性を絞っているようにも見える。

一度、マーケットが9500-9700程度、ドル円86-7程度まで行って、日銀の金融政策が催促される形が一番綺麗だが、マーケットもグダグダでなんだかなーという感じ。

日銀の追加策が、円安・株高のキーファクターなだけに、今の状態は不安定。なんか、エコノミスト(特にドイツ証券、GSの)は、かなり日銀の政策に対して不満と諦めの論調になってきて、笑える(同じ気持ちなだけに笑うしかない orz)

<ユーロ関連>
先週くらいから、ギリシアが40-50億ドル程度の起債を目指しているとの報道がなされている。金曜日の格付け会社のダウングレードというミソがついたが、スペインは先んじて資金調達をしており、その条件はCDSのスプレッドよりもタイトに決まっており混乱は生じていない。

3/16の財政再建計画の提出までは、ニュースで振れるとは思う。まぁ、ギリシアがちょろまかしてEUに加盟したんだから、そもそも加盟自体がおかしいので切り捨てという方策もあったとは思うが、スペイン、ポルトガルあたりまで影響が及んだ時点で、助けないというチョイスは無くなっただろう。

今のところ、ギリシアの政権支持率は高いし、前にも書いたが、公務員がストしたって国民の理解を得れないだろ。政治的な駆け引きは継続すると思うが。

NYで、HFの大物が集まって、ポジトーク合戦したとの報道もあった。その中で出てきたのが、ユーロ・ドル=1.00? と言う話。

的公式 現値から乖離が大きいほど、ポジション・トーカーのポジはデカイw

現時点でユーロの立場は、制度に対する疑念から弱いが、逆に考えれば、ここを乗り切れば、唯一と言って良い「規律を持った流動性のある通貨」というポジションにも成り得るのではないか。

なんか、懸念したとおりダラダラと歯切れの悪い文になってしまったorz


チリの銅鉱山は、細長い同国の北部に位置することが多い。尚、積出港は、アントファガスタで、そこまで鉄道で輸送する。このため、地震が発生した場合は、先ず鉱山本体にヒットしたか(とはいえ、露天掘りの場合余り関係ないかも知れんが・・・)、電力確保、鉄道・港湾の被害をチェックする。

今回の地震は、コンセプシオンの北東ということで、上記の銅鉱山関連施設からは遠い。

今朝2/28の日経新聞には、銅鉱山に対するインパクトが過大に書かれている感じなので、調査した。

FTより抜粋

Global miner Anglo American said on Saturday it halted operations at two of its copper mines in Chile after a major earthquake cut energy supplies to the deposits.

An Anglo American spokesman in Chile said the company shut down operations at Los Bronces and
El Soldado mines. Both mines produce around 280,000 tonnes of copper annually.

アングロ・アメリカの年間の銅の生産量は500万トン程度。最大のFreeport(米)で1800万トン、BHP1100万トン。 ですから、どの程度のインパクト?か分かりましたね・・・。

しょぼい、マイナー銅山ってことでFA。 的@Matto/mZbAのSpeculative Investing

チリの主要鉱山一覧
http://resource.ashigaru.jp/top_mine_1.chile_copper.html

さてと、先週末に二泊で温泉に入ってお休みしていただけに、今週はこの話題に触れておきますかね。


先週はギリシャ問題でユーロ下落、株式不安定といった感じで、肝を冷やされた方も多いと思う。カブトモの皆さんには、スカイプやらメールで、ギリシャ国債の対ドイツ国債(ブンズ)に対するスプレッドと利回りを教えていたのだが、ちょうど今週の日経ヴェリタス1面にギリシャ国債のスプレッドが掲載されている。注目してほしいのは、これだけ騒がれているが、スプレッドは1月の下旬にピークをつけているということ。加えて、投機筋の対ユーロのショートポジションは過去最高に積みあがっている・・・ 


Traders make $8bn bet against euro
Data from the Chicago Mercantile Exchange show net short positions against the single currency rising from 39,500 contracts to 43,700 contracts, equivalent to $7.6bn

http://link.ft.com/r/IOCBMM/WLTI3A/29503/OJUOUC/V1UFDB/UP/h  


ユーロが依然として弱い一方で、ギリシャ国債は既に買われているわけで勿論、スペイン、ポルトガルに飛び火という見方もあるが、それでも行き過ぎ感はある。ソブリンCDSがコーポレートよりも高くなったり、といったことも出ている。妙に、NYが底堅いのはこの辺の動きも織り込んでいるかもしれない。


最後に、98年のアジア通貨危機時に韓国は財政・通貨危機のダブルパンチに見舞われたが、IMF主導のデフレ政策で、98年は6%半ばのマイナス成長だったが、99年は6%半ばのプラス成長、2000年は9%後半の成長となった。


危機の発生が、金融政策に緩和圧力をかける状況に何の変化も無い。尚、中国の金融政策は、その閉鎖性から海外への流動性に相関を持たない。


では×2

僕は、基本的に一般的なニュース番組は観ないのだけど、下記のものは目を通す。


0545- モーニングサテライト テレビ東京 BS JAPAN

0830- 日経CNBC ニューヨークの解説が秀逸 海外要人のインタビューも良い スカパー251

0900-  E Morning  ニュースよりも個別企業の紹介が良い


全て、一度録画して、スキップしながら観る。モーサテを15分程度で確認するイメージ


○土曜日の1000-1045 マーケットウィナーズ


最近、見るようになったのだけど、なかなか興味深い番組。アイディアの種に使っている。なかなか一人だと投資アイディアを拾うのが難儀するので。45分の番組だが10分もあれば十分に目を通せると思う。


これらの番組は全てテレビ東京絡みなので、地方の方には地上波では視聴不可だが、BS JAPANでサイマル放送しているので、それを見ればオッケー。ということで、地方の方には下記の商品をお勧めします。


IODATA GV-MVP/VS  http://kakaku.com/item/K0000040557/

地上・BS・110度CSデジタル放送対応PCI Express x1接続型TVキャプチャボード

マザーボードの空スロットに注意してください!


パソコン上で地上・BS・110度CSデジタル放送の録画・視聴ができます。


おまけ BS-i 土曜日2330- 檄モテ セブンティーン学園もお勧め

桐谷美玲と有末麻祐子の可愛さに癒されますww


例年ならば、クリスマス商戦を終えて需給が緩み価格が下落する半導体、LCD、電子部品の不足が継続し、価格の下げが鈍い。通常であれば、今の時期を在庫の積み増しに充てるのだが、中国の春節需要が強くて在庫の積み増しが進んでいない。中国の消費は、1月の自動車販売統計(160万台)を見る限り、狂乱的とも言えそうだ。まさかこのペースで2010年は2000万台とかないよな・・・(コンセンサスは1300万台程度。米国だって1200万台程度のコンセンサス、僕は上ぶれると見ているけれど)。


ハイテク製品は、リーマンショックを受けて(それ以前の急激な価格下落と)、製造能力の増加が非常に限定的。今頃、焦って東芝が四日市工場でNANDフラッシュの設備投資を再開する決定をしたって、そのキャパシティは、早くて1年半後ってところだろ・・・。他社だって同じ状況で、更に困ったことには「半導体製造装置」製造企業もコスト削減と設備圧縮で、まったく需要の急拡大に応えれていない(ASML等)。


つまり、製造プロセスの高度化による製造能力の拡大はあれども、本質的な供給拡大は2010年は、DRAM、NAND、LCD等広い領域にわたって限定的となる。


現時点でも、発注量に対しての出荷量は半分とかいう部材もあるわけで、こうなってくると、「半分しか来ないなら2倍3倍発注してしまえーーw」といった部材発注のインフレートが起きて混乱に拍車がかかってくる。


夏にクリスマス商戦向けの作りこみが本格化したときの部材の充足率と価格高騰に今から注目したい。

ちょうど、決算期でもあるので、トレードについて・・・。


決算プレイっていうと、殆どの人は決算前に仕込んでアーニング・サプライズを狙いに行くことだと思っているのではないだろうか? 実際、僕も仕掛けを作ってフルスイングを仕掛けている(ex 東芝)。しかしながら・・・


①分析し仕掛けを作るのには時間がかかるため数多くは用意出来ない

②マーケットの変動(GU、GD)の影響をもろに受ける

③用意しても、事前に日経リークなどでチャンスを失うことも多い


このため決算プレイで「三振」を取りに行くのではなく、打たせて取るというのも現実的には必要となってくる。


マンガ「巨人の星」で星飛雄馬が大リーグボール一号を閃いた禅寺での修行で禅僧がこう言っている。「打たれまい、と思うから打たれるのです。打たれても良い、いや一歩進めて打ってくださいと思ってはどうか?と(うろ覚えw)」 小さい頃にTVで観てあまりに衝撃をうけた台詞である。


つまり、正面からアーニングギャップを取りに行くのではなく、アーニングギャップという事実を受けてからの投資家の思考変化から生じるイントラデイのオーダーフローに乗るのである。例えば、昨日(2/5)であれば、オリックス、日立、ソニーといったところ・・・。


但し、この静的トレードについても「コンセンサス位置」と「ポジションの傾き」に対する分析は必要であるがw。