松田のこれ知っとるか?~炎の1000本ノック。 -3ページ目

0899 Albums of the Year(2)

Tuxedo/Stones Throw

メイヤー・ホーソーンとジェイク・ワンのファンク・ユニット。「向井理もお気に入り」と渋谷タワーレコードのPOPに書いてあった(どうでもいい情報・笑)。メイヤー・ホーソーンについては以前からマーク・ロンソンになんとなく近いものを感じていたので、お前もか?と思ったわけなのだが、両者の質感はかなり異なる。
打ち込み主体の音作りは、わざと狙って外してるのか?と思うような時代錯誤的アーバン・ディスコなのだが、全編が徹底的にそれなので「お、おう」という感じで受け止めざるを得ない。いやこういうの決して嫌いではないんですけど、どこかにオチ的なものを探してしまうわけである。リミックスの方はまだ風通しがいい感じがあって座りが良かったかな。

0898 Albums of the Year(1)

アップタウン・スペシャル/SMJ
音盤で振り返る2015年。今年もますます新しい音源を買わなくなってしまっているのだが、そんな中なんであれを買わずにこんなの買ってたんだよというのを後になって思い出すための記録。2015年を象徴するという感じにもなってない10枚である。ていうかマーク・ロンソンのこれも2015年だったのかと思うと1年って意外と長いなと思う。ブルーノ・マーズ歌ってるやつとかすっごいヒットしたわけですが、わりとオーセンティックかつゴージャズなファンクという感じではあり、マーク・ロンソン的なものを期待して接すると何かが足りない。しかしそこは緻密な引き算がなされていて、文句の言いようがないという感じではあり、良く出来てるなあと思うのであった。いやほんとに。

0897 近況

ザ・ポストマークス/ビクターエンタテインメント

・だいぶ日が経ってしまって今頃言うのも何ですが、9/26のLou's Pale Horseライブはとても楽しかったです。私自身ステージに立つのは1年半振りで、できるかなこれ?という不安もちょっとあったのですが、やってみるとできるもので、いやはや経験は伊達じゃないなと思いました。むしろ以前は気づかなかったり見えてなかったことが見えてきたりもしている。バンドっていいなーと思えるのは、つまりメンバーの人格であったりセンスであったり、もちろん楽曲にも恵まれているということであり、それはとても幸せなことであると実感しました。真面目に。

・で久しぶりに会う人は口を揃えて「太った?」とか言ってお腹触ったりしてくるので「うるせー!ていうかそんなにか?」と思ったわけであるのだが、まあ確かに昔の自分はひょろっとしてたわけなので、久しぶりに人前に出るというのはつまりそういうことなんだよなあと。


・あと色んな人から「フェイスブックとかLINEとか、SNSみたいなのはやってないの?」と言われて、ツイッターならやってると答えていたのですがその度に残念そうな顔をされたりしました。そうか、皆さんフェイスブックとかで情報を共有しながら、実際には久しく会わなくてもどこかでつながってたりしていて、そういうところに今、私はふっと顔を出しているのだなあと後になってじわじわと実感したりしました。でもフェイスブックって私はなんかちょっと苦手でアカウント持ってないんです。なんだかすみません。


・そういえば前日、新宿STRENGTHで久しぶりに角森さんのステージを見た私は、こういう曲こそBELLRING少女ハートが歌うべきだ!と若干興奮してしまい、終演後に馴れ馴れしく声をかけてしまったのですが、ちょっと飲み過ぎてたかもしれず今は反省している。以下やりとり。
「この前みずほさんにウクレレ教えてましたよね?曲提供とかしないんですか?」
「え!?ベルハーとか好きなんですか?」
「あ、いや、そんなに好きではないですけど・・」
「え??もしかしてアイドル関係の方ですか?」
「いえいえ(笑)普通のヲタです、むしろピンチケです」
「そうなんですか~僕もピンチケですわ~いつかアイドルの話しましょう」
というやり取りをかわしたのですが、いやいやピンチケのアイドル談義なんてマジどうでもいいですので(笑)角森さんの歌はアイドルに楽曲提供するとたぶん面白いと思うので、運営関係者の方はオファーしていただきたいと思いました。マジで。


・というわけで近況もなにもですが、最近は中古盤で安かったポストマークスを聴いて今頃はまっています。これ2007年か。こういうの聴かないで当時私は何を聴いてたんだろうと思ってしまう。まあでも出会うタイミングっていうのは確かにあるよなあといろいろな局面において思う近頃です。

0896 Louさんがソロアルバムを出しました。




福岡に拠点を移して初のアルバムリリース。ていうか移ってもう5年になるんだねえ。早いものです。


聴いてみるとまず、おおおおってなります。

今やってるスタイルそのままを形にした、いや本当はそのままでもないんだろうけど、そういう感じのコンセプトが明確に伝わってくる。ブレることなく平常運転でグイグイと攻めていく佇まい。そういえばこういうのって今まで作ってなかったような。

収録されている曲に関しては私が(いや、おそらくみなさんも)よく知っているLouさんである。何度かバンドで演奏したことがある曲も入っていて、うち2曲はなんとリ・レコーディングなのだが、今はこういう感じでやってるのかーという意味で、すごく説得力のある形に収まってあると感じます。


ソロアルバムというと、なんとなく思いついたことをいろいろ盛ってしまいがちなんですけど、全然そういうふうにはなっていなくて、ストイックなまでのセルフプロデュース作。ていうか他にもいくつかレパートリーがあることを知っている人は、この絞り込み方にグッと来るんじゃないかな。長さもちょっと物足りないくらいなんだけど、そこがいい。聴いた後にものすごく「らしい」手応えを残すアルバムだと思いました。なお販売は今のところライブ会場とこちら のみの様子。皆様におすすめします。


それとリリースを記念して、久しぶりに東京でライブやるってよ。

■9.25(金)新宿Strength 080-3555-3410
開場19:00 開演19:30
前予約 2,000円+1D 当2,500円+1D
出演:LOU(ソロセット)/角森隆浩/土田聡子(Puca)/New Shellbeez


■9.26(土)新宿スモーキン・ブギ 03-3353-8993 
予約:¥1800+1D  当日¥2000+1D
open 18:30 start 19:30
出演:LOU+Lou's Pale Horse/中州ピンクサロン/KAILA



そう、26日はLou's Pale Horseとして私も出演するんです。皆様久しぶりにオレと遊んでくれ。んで25日は角森さんが出るんだねえ。角森さんて最近ベルハーやゆるめるモ!のガチオタをおやりなられてるんですよね(笑)。久しぶりにお会いしたいなあ。皆様お誘い合わせのうえ、お越しくださいね。



0895 10年くらい前の話

ゆらゆら帝国で考え中/ミディ

「バイト先に面白い子がいてさ。いつもヘッドフォンしてるから何聴いてるの?って聞いてみたら、ゆらゆら帝国っていうんだ。知ってる?ゆらゆら帝国って」

「知ってる。あんまり好きではないけど」

「へえ。で貸してあげるって言うから聴いてみたんだけど、うえええ変なのーって」

「ああ・・・そうか。そうかもしれない」

「返す時、なんかちょっと気まずいなあと思って。なんて言えばいいかね?すごいいい子なんだその子」

「いや、思ったことを正直に言ったほうがいいよ、別にその子を否定するるわけじゃなし」

「そうかな。でもすごい変なんで本当にびっくりした。マジ引いた」

「そんなに変?ゆらゆら帝国はかっこいいよ。その子センスあると思う」

「でも好きじゃないんでしょ?」

「まあそうだけど、わかる」

「何が?」

「ゆらゆら帝国が」

「ふーん」

0894 性描写について

村上さんのところ コンプリート版/新潮社

性描写の多さが不快なので何とかして欲しい、という読者からの要望に対して、作品としてどうしても必要な部分だから描いていると答える村上春樹。至極ごもっともな返しである。しかしいろんな読者がいるなあと。でもまあ、それはそれで切実な訴えであることは、なんとなくだけどわかる。考えてることは真剣なのだと思う。グリコのおまけだけ売ってくださいと真剣にお菓子メーカーに直訴するオカンみたいなものである。

そういえば以前、飲みの席とかで軽く下ネタを展開しようとした時「マツダさんはそういう話は絶対しないほうがいいと思う」と真剣に諭されてしまったことがある。ブログとかでも普通に「マンコ」とか書いてるの見てドン引きしたとか。まあ確かにそこは、自分としてどうしても必要な部分だから描いているというわけではないですので(笑)、そうかーと思って極力書かないようになりました。ていうかでもそんなこと言われてもさ、いやードゥーもスミマセンとしか返せない私なのである。でもたまに書いてるけど(笑)。

0893 Born To Lose

Ost: Looking for Johnny/Mvd Audio

どうしようもないことなんだけど
それにしてもこの街は寒くて
すげえかったるいんだ
そんなことはわかってる


なんなら、やっちゃえってね
どのみち俺の人生は負け組なんだ
そう、やっちゃっおうじゃないか
なにしろ俺は負け組
そう、負け組なんだ
サヨナラだけが人生だっつってな


何もやることなんてないし

言うようなこともない
やりたいことはひとつだけ
もうそれしかないんだ


だからやっちゃうんだ
どのみち俺の人生は負け組なんだ
だからやっちゃうんだよ
言うならば俺は負け組
サヨナラだけが人生だっつってな
そう、サヨナラだけが人生だ


俺はジャングルに住んでる
それほど大変なことではないよ
俺はこの街に住んでる
きみの心を鷲掴みするんだ


で、やっちゃうんだ
どのみち俺の人生は負け組
言うならば俺は負け組だ
サヨナラだけが人生なんだ
そう、サヨナラだけが人生だ


結局やっちゃうんだ
俺の人生は負け組
だからやっちゃうんだ
俺は負け組
サヨナラだけが人生なんだ

そう、サヨナラだけが人生だ


(訳・松田尚久)


0892 オレの二十世紀

わたくしの二十世紀/ユニバーサル ミュージック

小西康陽2作目のソロアルバムはセルフカバー集。前作はなんとなくスルーしてしまったのだが、これは発売日に購入した。「あるいは、『うたとギター。ピアノ。ことば。』第2集。」などと表にはどこにも記載されてないことがCDの盤面に大きく書いてある。ああ、そういえばあのアルバムも私はスルーしちゃったんだよなと思いながらトレーに盤をのせてみる。

曲によってはドラムやハープやストリングスも入ってるけれど、基本的なトーンはひとつ。どの曲も生々しく、時には震えるような声で、ひとつひとつの言葉がスーっと入ってくる。その届き方が、なんだかとってもヤバイ。ものすごくヤバイ。何度も聞いたはずのあの曲は、こういう歌だったんだ。

YOUの歌う「戦争は終わった」やUAが歌う「かなしいうわさ」とかももちろんすばらしいのだが、とりわけ小泉今日子の「私の人生、人生の夏」がなんだかものすごい。ところどころピッチが怪しいにもかかわらず、ぐわっと引き込まれる。なんなんだこれは。「華麗なる招待」を朗読するムッシュと、それに続く小西氏自身のボーカルもいい。市川実和子が歌う「あなたのいない世界で」もいい。甲田益也子は「フラワードラムソング」もいいが「美しい星」もいい。「12月24日」のミズノマリもいい。全部いい。漂うオールスター感を堪能するべし。まるで遺書のような歌ばかりなのに、とても幸せな気持ちになれるアルバムでした。
うたとギター。ピアノ。ことば。~columbia*readymade サンプラー~/Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)

0891 Such a Beautiful Girl Like You

アイドルばかりピチカート -小西康陽×T-Palette Records-/徳間ジャパンコミュニケーションズ

うら若き、あるいはそうとも言えない美人さんのアイドルの方が時折おや?と思うような鬱アピールをする瞬間があって、私はそういうのにリアルを感じて非常にグッときてしまう悪趣味があるんですけど(笑)、ピチカート・ファイヴが98年夏にリリースしたシングル「きみみたいにきれいな女の子 」はまさにそういうイメージを具現化したような歌で私は好きなんです。


でね、先ごろTパレット所属のアイドルグループによるピチカート・ファイヴのカバー集がリリースされたんですけど、誰もその曲をカバーしてないんですよ。なんてことだ。すごいいい企画なのになんかもったいないなーと思って、他にもあれとかあれとか、もっと今のアイドルグループが歌うべき曲はあるはずだろー!と思って若干憤慨してしまいました。まあでもこれ面白いっちゃ面白いんですけど、そこで終わってどうするという感じでして。そんな中、Negiccoとワンリルキスの2組はいつものプロデューサーとがっつり組んでいて、なかなかわかっている感じの出来になっていて、なるほどーと思ったりしたんですけど。ふがー。

0890 世界が終わる日

Document 25th Anniversary/Capitol

ちょっと前にヨ・ラ・テンゴが毎年やってるWFMUのチャリティライブ(あのゆるいカバーリクエスト大会ね)をDommuneで見てたんですけど、その時、R.E.M.の「It's The End of The World As We Know it And I Feel Fine」をやったんです。で「あれ?なんだっけこの曲??」としばらく思い出せなかった自分に驚いてしまったんですけど、そうだよそう、この曲はR.E.M.で私が1番好きだったやつだ。ワーナーに行く前のIRS時代の最後のアルバムでさ、B面ではなくA面のラストっていう曲順がまた良かったのだ。ひっくり返すと「The One I Love」で始まるというね。R.E.M.っていつの間にか私は聴かなくなってしまったんだけど、そうそう当時(87年)はあと10年くらいしたら世界は終わっちゃうんでしょ?なんて冗談ともなく思いながらこの曲を聴いてたものです。いやあ、しかし終わんなかったッスねえなんつって。で改めてこの動画 を見てるんですが、しかしこの長い歌詞をジェームスは暗記してたって事だよなあと。