飯舘村の友人のAさんからメールが届きました。
これも飯舘村の現状の一つです。
お読みいただけましたら幸いです。

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$まるがけ日記-飯舘村

Aです。
私自身の備忘ですが、参考になれば幸いです。
拡散していただいて結構です。

20ミリシーベルトから子どもを守るネットワークに
注目が集まってきています。また、全県民に対する
健康診断についての報道がずいぶんあります。

それはそれで重要な内容ではありますが・・。
まるで飯舘村の事実を覆い隠そうとしているかの
ように感じています。(妄想です。疲れていますね。)

飯舘村の住民団体からも要望書を提出していたホールボディカウンターや健康診断について、ようやく国会やマスコミでも取り上げられつつあります。多くの方の支援によって動きつつあるのだと感じています。ありがとうございます。その半面、情報が錯綜しているので一度、情報を整理したいと思います。(6月6日時点)

この間の私たちの動き

①  私たち村民は放射能物質の降りしきる3月15日も屋外退避等の指示もなく、停電のため情報もなく普通に生活してしまいました。3月25日に県のアドバイザーが来村してマスクや手洗いなど基本的なことを気をつければ村内で生活しても支障がないと話をしていきました。4月1日にも県のアドバイザーである山下教授が来村して村議会議員と村職員に対して同様の話を行ったようです。当初から村内の若手を中心に(後に住民団体を結成するメンバーです。)内部被ばくを心配していましたが、測定する方法があるとは知りませんでした。(とにかく緊急に避難するべきではないか。子どもや妊婦だけでも逃がす必要があるのではないかというのが当時の思いです。)
②  計画避難地域に指定されて以後の4月30日に東京電力の謝罪集会が村内でありました。その2、3日前の新聞に50歳代の女性作業員の内部被ばくの状況が報道されました。詳細なデータであったため、どのように検査したのかを問い合わせるとホールボディカウンターという機械があって測定できるとのことでした。
③  東京電力に飯舘村に設置して欲しいと要望しましたが、本社に持ち帰るとのことで返事がありません。
④  原子力作業員や自衛隊員など優先すべき状況があると思われたので、メーカーや海外メーカーに直接お願いしようと思いましたが、コネクションがなく無理でした。
⑤  調べるうちに国内のホールボディカウンターがあまり稼働していないようだったので、抽出でもかまわないので調査を求めることにしました。(要望書は5月17日です。)
⑥  ツイッター等で情報を求めている中で千葉の放射線医学総合研究所でホールボディーカウンターが使用できるということで申し込みを行いました。5月31日の14:00から対応してもらいました。しかし、結果については提示されませんでした。担当した医師や検査員の方々は丁寧な対応でしたが、スペクトルのデータもなく一般のスクリーニングのデータだけでした。検査場所も特にレントゲン室のように鉛で囲まれてる雰囲気はなく、バックグラウンドをシャットダウンしていないようでした。「数字が独り歩きするので、データは本人には渡さないことになっています。ごく微量で心配のない数値ですよ。」というスタンスでした。詳細な検査には20分程度かかるとのことでしたが3分間で終了しました。その後、雑誌アエラ(11.6.6 №27)の17ページに同様の機械の写真が載りました。その写真の下には「放射線医学総合研究所にあるベッド型のホールボディカウンター。ここでは緊急災害時の使用に限られ、一般市民は検査できない/5月26日、千葉市」と記載してあり私たちの検査はなんだったんだろうと困惑しています。
⑦  その後、ツイッターに反応したジャーナリストや国会議員から抗議があったらしく、6月3日時点で「本人から提示の依頼があれば提示する。」と方針転換があったとの情報が入りました。本日、午後に電話する予定です。(放射線医学総合研究所からは連絡なし。)
⑧  ホールボディカウンターについては、メーカーや型式、検出限界(性能)も考慮しなければならないというアドバイスを聞いていたので型式を聞いたところ「放医研でユニットを組んだもので型式はありません。」とのことでした。「放医研というのは、そんなこと(開発)までやっているのですか。」と驚いたところ「いやいや、ユニットを組んでもらうんですよ。」とのことでした。ホールボディカウンターというのはバイクのハーレーダビッドソンのようにセミオーダーで組んでもらうのがポピュラーなのか疑問に思いました。
⑨  この週末から福島県全県民200万人の健康調査の報道が活発になっていますが、6月下旬からの調査となっています。また、一般のスクリーニングの結果をもとに数値の高い人を更にホールボディカウンターを行う方向で調整にはいっているようです。(一般のスクリーニングで数値が出たとすると、とんでもない内部被ばくなるはずです。)別個に抽出での検査も行うようですが不透明です。
⑩  二本松市で独自にホールボディカウンターによる内部被ばく調査を行うようです。市職員が先行して行ったのは仙台医療センターで3分間のものだったそうです。スペクトルのデータの提示もあったそうです。
⑪  放医研がなぜデータを提示しなかったのか?疑問です。この通知によるのでしょうか。(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/hisaichi/dl/jimurenraku.pdf)
⑫  3月末に行われた子どもの甲状腺検査については、個別のデータの提示がありませんでした。文部科学省のデータを見ると0.2以下の線量は基準値内となりますが、もし0.2以上の数値だった場合は100ミリシーベルト以上の内部被ばくとなるので「安心」とは程遠い数値です。(http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo4-3.pdf)緊急時の対応のマニュアルに沿っての対応なので適切だとは思いますが、内部被ばくを心配している保護者にとっては不十分ではないでしょうか。
⑬  要望書についての回答はありません。


ホールボディカウンター(WBC)について

①  要望書にもあるが生物学的半減期(大人:50-150日、子ども:44日)があるため3月15日のデータを遡るのは難しくなってきている。また、ヨウ素については半減期が短いので遡るのは不可能に近い。しかし、原子炉作業員については三カ月に一度は検査する基準になっているので同様に検査したかった。(仮に検査しても「参考」扱いになるかもしれないが、これ以降のデータは間違いなく「参考」としてしか扱われないと思われる。)
②  原子炉作業員や消防署員や警察官、自衛隊員が優先されるのは当然だと考えていたが、福島県立医科大学附属病院や仙台医療センターの稼働率が低いらしい情報があった。(福島県立医科大学附属病院で検査した消防署員、警察官、自衛隊員の総数が5月中旬の段階で20名以下。原子炉作業員が検査しているとの情報は確認できなかった。)
③  バックグラウンド(空間線量)がある場所では検査できないのは事実。大熊町にある県立大野病院には3台のホールボディカウンターがあったらしいが、現在は使用不能。福島原発にあったものも使用不能。作業員はいわき市の呉羽総合病院に運び込まれたホールボディカウンターで検査しているとのこと。
④  東京電力の担当者によると、ホールボディカウンターの主要メーカーは三社(富士電機・日立アロカメディカル・キャンベラ)納品実績とアフターフォローの実績を調べれば稼働可能台数が明らかになると思われる。
⑤  国会で最初にホールボディカウンターを話題にしたのはみんなの党の柿沢議員、4月15日に質問。枝野官房長官から45台との答弁があった。原子炉の数より少ないので疑問があった。その後、被ばく対策施設の存在を知った。(それでもネット上では上記の大野病院に3台設置されていたというデータは見つけられない。)自民党の河野議員が6月1日のブログで少なくとも32台あると発言している。(どの情報ソースか不明。)更に6月3日16:30からの統合本部の記者会見で現時点で105台を確認と発言。(稼働可能なのかは不明)
⑥  チェルノブイリで活躍した日の丸のホールボディカウンターはバスタイプ5台、病院設置5台で財団法人笹川記念保健協力財団の協力による。この事業の取り仕切りは福島県のアドバイザーの山下教授だった。
⑦  内部被曝検査のもうひとつの方法としてバイオアッセイという方法がある。毛髪、尿などから被曝を調査する物で毛髪は被曝したときの物から必要となるらしい。しかし、本来はホールボディカウンターと並行して使わないとデータとして不十分だとのこと。また、同様に国、県等から毛髪を残しておくような指示はきていない。
⑧  東京でもホールボディカウンターでセシウムが検出されている。今後の数値は食物からの摂取によるものと考えられる。チェルノブイリで活躍したホールボディカウンターのデータは事故後、ある程度の時間が経過してから稼働したもの。今後の日本のデータとチェルノブイリのデータの比較は学術的には意味がある。(三ヶ月以内に村民のデータを取ってほしいというのは学術的には意味がなかったのか???)

私たちの要望について

 私たちの要望は継続的な医療ケアです。そのためには村民一人一人の被ばく量を正確に把握する必要があるのではないのかと考えています。仮に「0歳~5歳で外部被ばくと内部被ばくの総量で100ミリシーベルトを越した場合、年に2回の甲状腺検査を行う。」といった対応が必要だと考えているのです。
 しかし、その前提を把握しようという動きがありません。空間線量については実測もしています。スピーディのデータだけでなく実測も行っているのです。内部被ばくについてもスピーディによる計算式があるそうですが実測していません。科学立国日本でこんなことが行われるとは思いませんでした。外部被ばく、内部被ばくをきちんと測定、認定して今後の医療ケアを行ってほしい。研究されることは容認しています。既に被ばくしてしまったことは変えられません。ただ、きちんとケアしてほしい。子どもや若者を結果的に被ばくさせてしまった大人の一人として、それだけが願いです。3月15日を闇に葬らないでください。それが願いなのです。