リーを獲得するなど粘っていたマーリンズフロントだが、あまりにも打てない打線に見切りをつけたのか、23日にアニバルとインファンテを放出し、タイガースから3人のプロスペクトとドラフト指名権を獲得し、24日にはハンリーとチョートを放出し、ドジャースからプロスペクト2人を獲得するトレードを発表した。
アニバル・サンチェス 84年2月27日生 今季800万 今オフFA
19GS 5-7 121IP 119H 12HR 110SO 33BB 3.94ERA 3.49DIPS
怪我から立ち直り、10年から素晴らしい成績を残している投手。ファストボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと平均以上で、エースとまではいかなくとも2番手としては十分な成績を残してくれる投手。昨年は初の200奪三振を達成。今オフFA+初のプレーオフ進出がかかっているため本人もやる気十分だろう。
05年オフにハンリーと共にマーリンズに加入し、マーリンズでデビューしてから通算成績は133G 132GS 44-45 794.1IP 769H 71HR 676SO 305BB 3.75ERA 3.81DIPS。
オマー・インファンテ 81年12月生 今季400万 13年400万 13年オフFA
85G 328AB .287/.312/.442 8HR 33RBI 12BB 42SO 12SB 1CS
今季は開幕から打撃絶好調でマーリンズを支えたが、徐々に減速中。それでも守備型選手としては十分な成績を残しており、期待通り働いていた数少ない選手のうちの1人。02年のデビューから07年までタイガースでプレーしており、久しぶりの古巣復帰。アニバル同様プレーオフ進出のためタイガースで頑張ってほしい。
マーリンズでの通算成績
233G 907AB .280/.314/.404 15HR 82RBI 46BB 109SO 14SB 3CS
ジェイコブ・ターナー 91年5月生 R/R SP 09年ドラフト1順目指名(全体9番目)
3GS 1-1 12.1IP 17H 4HR 7SO 7BB 8.03ERA (MLB)
10GS 62.2IP 52H 2HR 40SO 24BB 3.16ERA 3.49DIPS (AAA)
4GS 21.2IP 17H 1HR 17SO 4BB 1.66ERA (A+)
11年 3GS 0-1 12.2IP 17H 3HR 8SO 4BB 8.53ERA
20GS 131IP 117H 10HR 110SO 35BB 3.44ERA 3.31DIPS (AA17GS、AAA3GS)
BAのプロスペクトランキングで10年26位、11年21位、12年22位にランクインしている大物右腕。最速95マイルのフォーシーム(平均は90-93マイルのツーシーム)を投げ、評価の高いカーブとチェンジアップ、さらに今年からカッターを投げ始めたため4つの球種を持っている。ゴロを打たせるピッチングが得意で、三振はそれほど奪えていない。今のところ2番手の先発になるだろうとされていて、近い将来にアニバルの穴埋めを期待。
ロブ・ブラントリー 89年7月生 L/R C 10年ドラフト3順目指名
36G 130AB .254/.295/.285 0HR 6RBI 7BB 25SO (AAA)
46G 180AB .311/.359/.461 3HR 24RBI 12BB 17SO(AA)
11年 114G 430AB .274/.324/.400 10HR 62RBI 29BB 56SO (A、A+)
攻撃型の捕手。昨年と今季はいずれも昇格前までは打率3割、良いBB/SOの数値をマークしていたが、いずれも昇格後は不振に陥っている。バットコントロールがよく、パワーはないが付いてくる可能性もあるとされている。守備は平凡とのことで、レギュラーになれるだけの素質はあるがオールスターにはなれないだろうと言われている。
マーリンズとしてはブラントリーかリールミュートウのどちらかがレギュラーになれれば、というところか。
ブライアン・フリン 90年4月生 R/R SP 11年ドラフト7順目指名
19GS 107IP 121H 6HR 87SO 34BB 3.95ERA 3.26DIPS (A+18GS、AA1GS)
11年 13GS 67.2IP 58H 3HR 57SO 23BB 3.46ERA (A)
身長203センチ、体重110キロの巨漢だが、パワーピッチャーではない。最速は94マイルだが安定して出すことはできず、カーブとチェンジアップも不安定とのこと。ただ、短いイニングなら真価を発揮できるため多くのスカウトはリリーフピッチャーになるだろうと言っているとのこと。
この3選手と、13年のドラフトのタイガースの全体37番目の権利を獲得。
~マーリンズ~
アニバルは今オフFAで、マイナーにはスターターがいる。そしてボナを2Bで使うことができる、この2点からマーリンズはこの2選手の放出を決定した。ターナーは評価が高い投手で、かなり期待することができるがやはりタイガースとのトレードで思い出すのはカブレラ、ウィリス⇔メイビン、ミラー、ベイデンホップ、その他ポンコツのトレード。今回のトレードはそうならないといいけれど・・・。
個人的には悪くはないトレードだが、よくもないかなという印象。内野のプロスペクトがいないからフリンの代わりに他の選手はいなかったのかなと。
ハンリー・ラミレス 83年12月生 今季1500万 13年1550万、14年1600万
93G 353AB .246/.322/.428 14HR 48RBI 37BB 72SO 14SB 4CS
07年からの3年間は最高級の成績を残していたが、10年からの3年間はあまりにも物足りない成績で、ここ2年間は不振を極めている。守備も肩が強いだけで非常に悪く、このままだと不良債権になる危険性のある選手。本当に最高の選手で、マーリンズを引っ張っていく選手として期待していただけにこの成績は残念。ドジャースで是非とも復活してほしいところ。また、ハンリーは「マーリンズでの7年間は最高だった。離れるのを寂しく思う」と話した。
マーリンズでの通算成績
943G 3671AB .300/.374/.499 148HR 482RBI 406BB 677SO 230SB 73CS
ランディ・チョート 75年9月生 今季150万 今オフFA
44G 0-0-1SV 25.1IP 16H 0HR 27SO 9BB 2.49ERA 2.13DIPS
最高の左殺し。マーリンズ加入後の1年半で左相手に129打数9安打2HR6四球48奪三振と完全に封じ込めている。サイドからのスライダー、さらにチェンジアップも投げ、左打者に打たれる気配すらない。ムードメーカーとしてもマーリンズブルペンを支えた。ドジャースでプレーオフ進出を目指して頑張ってほしい。
マーリンズでの通算成績
98G 1-1-1 50IP 29H 3HR 58SO 22BB 2.16ERA
ネイサン・エオバルディ 90年2月生 R/R SP 08年ドラフト11順目指名
10GS 1-6 56.1IP 63H 5HR 34SO 20BB 4.15ERA 4.21DIPS
9G 8GS 35IP 30H 2HR 30SO 13BB 3.09ERA 3.34DIPS (AA)
11年 10G 6GS 1-2 34.2IP 28H 2HR 23SO 20BB 3.63ERA
20G 19GS 103IP 76H 3HR 99SO 46BB 2.62ERA 3.00DIPS (AA)
評価の高いパワーピッチャー。最速99マイル(平均93マイル前後)のフォーシーム、ツーシーム、スライダーが武器で、カーブとチェンジアップも投げる。今季MLBで奪三振率が一気に下がったが、それでもそれなりの成績を残している。先発2~3番手になるにはカーブとチェンジアップをもう少し良くしないといけないと言われているが、経験を積めば十分役に立つスターターになるだろう。
スコット・マクゴフ 89年10月生 R/R RP 11年ドラフト5順目指名
35G 47.1IP 45H 3HR 48SO 26BB 3.99ERA 3.64DIPS (A+)
26G 26IP 26H 1HR 33SO 6BB 2.77ERA (A20G、Rk6G)
大学時代からリリーフで、マイナーでもリリーフとして育成されている。ファストボールとスライダータイプの投手で、低めにボールを集めるのが得意でゴロを打たせ、HRを許さないピッチングが持ち味。また、制球が突然不安定になることがあるらしく、ここ11イニングで14四球。
~マーリンズ~
ハンリーとチョートの見返りにそれなりのスターターと平凡なリリーフが見返りなのはあまりにも残念だが、年俸負担が0なのでそれだけでも十分か。ハンリーがこのままなら放出時に大変な額を負担しないといけなくなるはずなので今の時期に年俸負担0で放出できただけマシということか。
また、ハンリーが3Bに転向したことにより、ドミンゲスの居場所がなくなって放出されたと思いきや、ハンリーも放出されて3Bがいなくなった。
ただインファンテとハンリーを放出したことにより、コグランを内野で使える。彼をレギュラーで使う気があるかどうか分からないが、とりあえず試すくらいはしてほしいところ。また、OutrightされてからAAAで33試合で13HR、1.126OPSと鬼のように打っているマーフィーを再度試すのもありかなと。
今後マーリンズがどのように選手を起用していくのか、楽しみといえば楽しみだが、この4選手の放出=プレーオフを諦めたのは悲しい。