3つ目のクラスも終え、次はいよいよIntermedio3。
この間チアパス旅行から帰ってきたばっかだったのに、もう3月とは早いものだ。
そして、多分奨学金が来月とまる。
この間のテスト結果、7,5だった。次8以下をとったら奨学金がとまることになっていたので、とまるでしょう。まだ呼び出しはくらっていないのだけれど。一応奨学金もらってる身なので、なんとも情けないことになったなあと反省というか、ひたすらおちこむ。
ひとつ駄目になると全部だめになるネガティブ・スパイラルに陥って、やっぱり自分勉強の仕方悪いんじゃないか、そもそも頭が悪いんじゃないか、修士課程なんて行くべきじゃなかったんじゃないか、とどんどん落ち込む。働いてる人と違ってお金稼いでるわけでもないので、奨学金受け取れないのは本当に痛い。
こんなときに限って仲の良い友達は旅行中。落ち込んでも仕方ないので次の試験はがんばるしかないのだけど。
今日は、一度会ったことのある友人のいとこの26歳女性が来月ご出産とのことで、出産前パーティーに行ってきた。メキシコでは出産前に、親戚や友人で集まってパーティーするのが普通らしい。もっとも、アメリカから来た慣習らしいが。何度でも言おう。なぜ日本は頻繁にフィエスタする習慣がないのだ。楽しいのに。
4ヶ月ぶりにあった彼女のお腹はすごく大きくなってて、予定では男の子だと言う。しかし、旦那というか、パパになるはずの彼氏とは、妊娠中に一度別れ、「最近より戻したんだあ」という感覚なのには驚き。日本は妊娠が発覚した時点で、産む場合は大体すぐ結婚するしなあ。父親が誰かはっきりしているのに、「別れる」という選択肢は男性には与えられていない気がする。
ゲームしたり食事したりして遊ぶ。
関係のないことだが、法学部の友人によると昨日からゲイ同士の結婚がメキシコシティで可能になったらしい。「いつも曖昧に、中立に」を信念として考える自分としては
いいんじゃない?と言ったけど、法律上はすごく大変なことらしい。
デザートのケーキ。
なぜに緑色?アメリカとかではもっとすごい色のお菓子があるらしいが、これだけでも十分日本人の自分にはショッキング。
中身は普通のスポンジで、パイナップル味でした。
甘党の自分が涙するくらい甘かったけど。
メキシコで一番仲良くしている友人の弟君が夜遅くに登場。
彼とはもう何度も会っていて、友人は「弟は日本に興味があって、日本語も少し勉強しているんだ」と言っているものの、実際私に会った時はそっけないし日本語も全く話すそぶりは見せなかった(普通メキシコ人というか外国人は自分が知っている単語とかがあると、喜んで使ったりするものなのに)。
一緒にいて時間をもてあましたので、何か日本の漫画で好きなものがあるのか質問して、答えたものを「知ってる、私も好き」といったら態度が大きく変わった。
どうやら彼はものすごいオタクらしく、メキシコでもオタクは気持ち悪いと思われがちなため、私にもあまり接触しないようにしていたらしい。しかし私が漫画をけっこう知っていたので、コイツいける!と思ったのか、一気に打ち解ける弟君。
話してみると、漫画だけじゃなく本当に日本のことをよくしっている。まだ17歳だというのに、将棋もできるし日本語も自分で学んだだけだという。のに、インフォーマルな言い回しとか知ってる。日本の妖怪や伝承、伝説もよく知ってる。彼の彼女も漫画好きで日本語を勉強しているとのこと。
それからはひたすら3時間ほど質問、質問の嵐。
興奮気味に話す様子をみて、オタクはやっぱりどこの国も一緒だなと思った。
今まで日本人の知り合いがいなかったため、たまっていた疑問を全部吐き出すかのよう。
「「殿」は女性にも使うのか、「様」とどう違うのか」「かぐや姫はなぜ竹から生まれたのか(そもそもかぐや姫なんてよく知ってるなと思った)」「日本の部屋にはなぜ読めない文字の紙がかざってあるのか、なんて書いてあるのか(習字?)」「なぜ300のときだけひゃくがびゃくになって、600と800のときはぴゃくになるのか」「9つに尾が分かれた狐の伝説は本当にあるのか」
などなど・・。
調べないと今すぐ分からないこともたくさん。「知らんわ。そういうものなんだよ!」と思うこともたくさん。こういうとき、あらためて文化の中にいる人間は自分が使っている言語や行っている慣習について、「知っている」のに「知らない」んだなあとあらためて思う。当たり前と思っていることを「変」ととらえて「なぜ」と問えるのは外部の人間でしかなく、原因というか、理由みたいなものを追求できるのも外部の人間なんだろうと思って、やっぱり人類学って大切よね、と無理やり自分の研究欲を奮い立たせる。
しかし面白かったのは、メキシコでも「オタク」はちょっと馬鹿にした言葉だけど、「秋葉系」という単語だけがオタクを意味するものとして入ってきていて、しかもちょっとオタクよりはいい意味らしい。つまり、「君ってオタク?」「失礼な。俺はアキバケイだよ」「あ、そっか、ごめんごめん」という会話が成り立つらしい。こっちからしたら、全く変わらんのだけれど、まさしく「言葉から意味が「離床」している」!って思って、非常に面白かった。
ともあれ、人類学関係の先生方にも偶然知り合えたし、弟君とも打ち解けられたので、よい一日だった。彼女の子供が早く元気に生まれてきますように。