第157話 屈辱感 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第157話 屈辱感

テレビの画面から目が離せなかった。


私はひざまずき

男優のモノを咥えている。


カメラに私の顔がよく映るように

男優が髪の毛をかきあげている。


テレビの音量は低くなっているけれど

水分の多い吸い付く音が聞こえている。


男優が私の頭を押さえつけ

前後に激しく動かす。


自分の横顔が

とても醜いと感じる。


ヒカルはすぐにリモコンでテレビを消した。


その画面を私が見ていたのは

きっとほんの何秒かのことだったのだろう。




「おかえり~。おまえのビデオ見ちゃったぁ~」


ヒカルはいたづらを白状する子供みたいに舌を出す。

そして信じられない事を言った。


「おまえ、本番以外は俺としてる時と変わらないね。」


笑いながらそんな風に言い

ビデオを取り出し

ケースの中にしまう。


「サンプル」と刻印の押されたパッケージのものだ。


出演したビデオが出来上がると

必ずサンプルを1本もらうのだが

私はもちろん一度も見る事はなく

そのまま押入れの中に仕舞いこむ。


ヒカルが見ていたのは

そのビデオだった。


「・・・なんで・・・見たの?」


私は精一杯

冷静な口調でヒカルに尋ねる。


「本当に本番やってないのかなぁって思って。ちょっと見てみただけだよ。」


「なんで・・・そんなことするの・・・。」


私は抑制がきかなくなっていくのを感じる。


頭に血が上って

つま先から脳天まで全身に

急速に熱が帯びていくのがわかる。


「ん? 嫌だった? 俺が気にしてないんだからいいじゃんよ。 問題なし!」


ヒカルは全く悪気はないという素振りを見せるけれど

私のただならぬ空気を感じ取っている。


「なんでそんなことするのよ!!!」


私は目を見開き

大声で怒鳴りつける。


「おい、怒るなよ。 別にいいんだって、仕事だってちゃんとわかってるんだからさ。」


ヒカルは謝らずに

お門違いななだめ方をする。


「そういう問題じゃない! あんたが良くても私が良くないんだよ!!」


「なぁ~んだよ、ヒスおこすなって。 おまえ相当飲んだ?」


ヒカルは私の剣幕に

本気で焦ったようだが

どうにかこの場をやり過ごそうとしている。


私の怒りを

お酒のせいにして誤魔化そうとするヒカルの魂胆に

我慢ならずに体が震える。


耐え切れない屈辱感を感じながら

ヒカルに同じ思いをさせてやりたいと思う。


ヒカルのことを傷つけなければ気がすまない。


私は側にあった大きなガラスの灰皿を

ヒカルにめがけて思い切り投げつけた。




「切れる」って理性が全くなくなってしまう状態だと思います。後先何も考えられず;

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