再び話さなきゃなぁ。
転移あったし、治らないし
自分が動揺してる時なのに、どう説明しよう…。
とりあえず、医者に言われた通りに話す。


私『乳ガン、転移が見つかって、手術出来ないって。完治も望めないから、通院で延命治療だって』

子『治らない=死ぬの?』

私『ちょっと死ぬのが人より早いかも』

子『この前さ、お金ないから治療しないとか、いつ死んでもいいとか、言ってたやん?俺はそれに賛成出来ない!お金がないなら俺が作る!結婚も先に延ばすし、車も売る!だからやるだけの事やれよ。』


うちの子は感情を、あまり出さない。
親にも逆らった事がない。
何より暴力を嫌い、平和主義者な息子。
一時期そんな息子を心配した時もあった。


でも私…初めて息子に怒られた。
!Σ( ̄□ ̄;)


分からないながらも考えてくれてたんだ
心配してくれたんだ
言葉と共に息子は涙を流してくれた







この時、私は乳ガン宣告されてから初めて人前で泣いた。


ずっと泣き続ける私を静かに待ってくれている。ひたすら謝り続ける私をなだめてくれている。
いつも無口で何を考えいるのか、感情が読めずちょっと難しい息子と思ってたけど、ちゃんと育ってくれてた!最高の優しさを持った良い男になってくれてた!本当にありがとう!




しこりに気付いてたのにずっと放置してた自分のせいで、息子にまで迷惑かけて、心配される羽目になって本当に申し訳なさでいっぱい。
結婚に向けて忙しい時期に、一番幸せなはずの時期なのに…。本当にごめん。

『ごめん…。』この言葉しか出ない…。






この日を境に息子が私の生死を確認すようになった。仕事でいつも帰ってくるのは、夜中な息子。今まではご飯を温めるだけに台所を通るだけで、横にある私の部屋なんて覗いた事もなかったけど、最近息子が私の寝息を確認してる様子。(((*≧艸≦)ププッ


私は部屋を閉めきらないで寝てる。息子が帰ってきた音が聞こえないから昔からそうしてる。でも今まで息子は私の部屋を訪ねた事なんてなかったのに、私の姿を確認してる…。

だから息子が覗いてる気配を感じると私はわざと寝返りをうって、生きてるよ~アピールをする。ヘ(≧▽≦ヘ)


やっぱり心配かけてるのね。ごめん…。





いっぱい泣けたおかげかな?
息子に話せたからかな?
自分が少し楽になれた気がする。
ずっと一人で泣いて、悩んで、苦しかった。
怖かった。
これからもっと怖いかもしれないけど、それは自業自得。しこりに見向きもしなかった自分のせい。息子にだけは迷惑かけないようにしよう…。







少し楽になって今思う事。
病気が私で良かった。
息子だったら私は本当に気が狂ってたよ。
自分自身の事だから、理解して精神保ててる。



ありがとう息子!
母は生きるよ!
そしていつか一緒に笑ってくれよ




『あんたガンだったの?』って。









診察4回目



PET-CT、脳MRIの結果
【骨転移あり】
【脳転移なし】


チ~ン…。💧



覚悟はあった少しだけね。
でも骨はやめて、肺だけにして。と、毎日祈ってた。でもやっぱり…。って感じ。

脳転移無かっただけ、ラッキー?
んなわけないやろ!ι(`ロ´)ノ


次から次へと悪い結果が出されて
【ステージIV】確定です。


この日から医者の態度が変わる。
ガンが見つかった当初、
『すぐ手術です。』
『リンパまで切ります。』
『入院です。』
『セカンド行くなら行ってもいいけど、今月中には決断して下さい。』

みたいな感じで、全く気持ちが付いて行けてない患者はおいてけぼり…。考える時間と余裕が全くなかった。

今からセカンドオピニオン申し込んでも答え出せるのかな…。急過ぎて何の情報もない。
自分自身が乳ガンを全く理解してない。
そんな中で決断を早く!と詰められる…。
う~ん苦痛…。💧

とにかく会社に病状説明と入院手術を伝え、とりあえず休職届けを出した。




そんなに急かしてた医者が転移が見つかりステージIVが確定した瞬間。
『手術はしません。』
『手術は無意味です。』
『患者がどうしてもと言うなら切りますが?』
っと、方針転換。


はぁーーーーーーっ!!!
ι(`ロ´)ノ

休職届け出したんですけど!
散々心乱されたんですけど!
手術になると準備してたんですけど!
つか、あんたあれだけ手術、手術って言ってたんじゃないの?


治る見込みのないステージIV
完治を目指した治療はせず、延命治療に切り替え?
あんなに手術を迫ってたのは何?
治らないと分かった途端、延命だぁ?

ふざんじゃないよ!
私は生きたいんだよ!
孫抱きたいんだよ!
ι(`ロ´)ノ





もう何が何なのか、頭と心が混乱し過ぎて付いていけない。どう整理すればいいの?どう理解するの?

ぼぉーと話を聞く私に医者はたたみかける
『治療どうします?』
『うちで始めるなら、ホルモン剤から始めるので、薬出しますが?』

考える術も隙間もありません。
【はい。お願いします。】

私の唯一出た言葉がそれだった。






診察室を出て、待ち合いで待ってると
ホスピスナースが現れた。
え…?。



別室に案内され、終末期の話をされ、緩和ケア、ホスピス施設の説明等をしてくれた。

けど、早くね?
私たった今ステージ鑑定されたのよ?
頭真っ白なのよ?
なのに今その話する?
今自分の死に方選ぶの?
こんな時に話さなきゃなぁならない話?


もう嫌!
放心状態の私もさすがにキレた!



この病院には不信感しかない。
セカンドでもサードでも受けて自分の生きる道は自分で模索する!
今から私の戦いは始まる!
絶対生きてやる!


乳ガン知識ゼロ
完治の可能性ゼロ
こんな私に何が出来るか分からんけど、

【納得のいく治療を受けたい!】
ただそれだけ。






乳ガン只今進行中。
2017.3.13     初診
          3.27   【乳ガン】
          3.29      胸部CT
          4.3      【肺転移】
          4.4        PET-CT
          4.7        脳MRI  
          4.10   【骨転移】
                     【ステージIV】






乳ガン告知を受けてから
気持ちがフワフワ?ヨロヨロ?
何も頭に入ってこず。お腹も空かなくなって、一人になると怖くて涙が止まらなくなった。


告知を受けた診察室では、一粒だった涙が
溢れ出て止まらない。身体の震えが止まらない。


17年前、相方を失った時、私は自殺を考えた。苦しくて何日も泣き続けて、精神崩壊。
拒食症と鬱になり、入院治療を受けて助けられた。自ら死のうとしてた人間が、乳ガンだと言われた途端、怖いと泣き叫ぶ。



滑稽だな私…。





息子に話さなきゃな…。
でも、最近まともに話してないしな…。

息子は年内結婚が決まってる
そんな時期になんで乳ガンなんか…。


私『実は乳ガンなっちゃって…。』

子『…。』

私『転移とかまだ分からんねんけど、ちょっと深刻っぽい』
(この時はまだ転移見つかってなかった)
     
    『お金もないし、もう死んでもいいし、痛いの嫌やし、治療は積極的にしないつもり。でも体調変化出て来たら、息子にも迷惑かけるかもやから、一応言っとく。』

子『…。』

この日はこんな会話で、終わった。
緊張した。息子と正面向き合って話したの超久しぶり~(ノ´∀`*)

仲が悪いわけじゃない。
生活サイクルが違うから会話が少なくなってた。久しぶりの息子。






あんた太った?