朝になり、人も増えてきて、席に余裕がなくなってきたので、
自分の席にいるしかない。
寝台席はないかと訊いても当然ないし、
気持ち悪いので横になれる場所がないかと訊いてもないと言われる。
仕方ない。
15:30まで耐えるしかない
胃が痛いし、腰も痛い。
更に最悪なことに、隣に座っていた男性と息子2人が異常なほど臭い
服もかなりボロボロだし、何日シャワーを浴びていないのって感じ。
もちろんこういう貧しい人もたくさんいるというのが中国の実情だし、
この人たちが悪いわけじゃないんだけど…。
でも、これほどまで体調が悪い時に、この匂いはキツすぎる。
気持ち悪さ倍増。
近づかないで…。
子供は裸足で下を歩いたりして、すごく汚いし。
触らないで。
途中からは、その匂いとの闘い。
子供は動き回るし…。
申し訳ないけど、かわいいとは思えない。
助けて―――――
普段なら、時間はけっこうあっという間に過ぎていくけど、
今日は時間が経つのが遅いのなんのって…。
こんなに辛い移動は初めて。
15:30頃、向塘駅に到着。
ここがどの辺りなのか、見当もつかない。
どうやって南昌まで帰ればいいんだろう。
汽車もすぐあるのか、わからないし、
体調が悪いから、もうすぐにでも家に帰りたい。
直接タクシーで帰れる距離なんだろうか。
タクシーで200元(≒2,500円)ぐらいだったら、タクシーで帰ってしまおうか……。
改札を出ると、他の駅と同じように、
「○○行きー」と叫んで客を呼び込む人たちがたくさんたかっている。
普段は鬱陶しいと思うけど、今日はそういう人たちにさえ頼りたい気分。
声をかけてきた女性が「どこに行くの?」
「南昌」
「バスがあるよ。30元。30分で着くよ」
30分そんなに近いの
30分で30元は高い気がするけど、
もうとにかくすぐ帰りたいし、
他の人に尋ねる気力もない。
まぁ、いっかと契約成立。
バス乗り場まで連れて行ってもらうことに。
そこに着くと、どうやらバスは行ってしまったよう。
しばらく待つことになるが、大きいバスなので、
人が集まるまでどれくらいかかるかわからない。
もう少し先に小さい車があって、それなら40元だけど、速いと。
どうしようか迷ったけど、やっぱり少しでも早く帰りたい。
小さい車というのは、ミニバン。
既に客が乗っていた。
女性がミニバンの運転手にお金を渡していた。
女性は手数料をもらうんだろう。
すぐ出発。
よかったー。
途中で1人乗ってきたが、5元だと。
5元!?
どこまで行くんだろうと思っていたら、私と同じく最後まで。
40元はぼったくりでしょ
私の方が少し長く乗っていたし、
女性が送ってくれる分とか手数料とか合わせて、
多めに見積もっても20元でしょ!
ま、仕方ない。
体調悪かったし、200元ぐらい出してタクシーで帰ってもいいと思ってたぐらいだったし。
ま、最後はかなり苦しい道中になってしまったけど、よく耐えた。
普段健康体だし、こういうことがないから、余計に辛い。
というわけで、無事南昌に到着
1ヶ月強に渡る旅も終了。
広西チワン族自治区⇒雲南省⇒貴州省
を巡る旅でした。
以下は簡単な総括。
雲南省はけっこう回ったけど、それ以外は行っていない所もたくさんある。
本当に中国は大きい。
観光地化が進んで残念な部分もあったけど、
素敵な所、おもしろい所がたくさんあった。
時間とお金があれば、旅っていくらでも続けられるんだということを実感。
1人って不便なこともあるけど、自由でいい。
もちろん観光地自体が素晴らしいというのも大事だけど、
今回感じたのは、旅の1つの楽しみは人との出会いだということ。
旅行客との出会いもしかり、宿泊先の人たちとの出会いもしかり。
気持ちが満たされる、これってすごく大切なことだと感じた。
また行きたいなって思う所って、
例えば雲南省の瀘沽湖とか特別美しい景色とかは確かにまた行きたいって思うけど、
それ以外は「○○に会いたい」という人との出会いを求めている気がする。
もうこの先会うことはないかもしれないけど、縁あって出会えた旅先の人々に感謝。
そして、南昌に着いてみると、不思議な感覚。
去年の夏3週間旅行して戻ってきた時もそうだったけど、
とっても懐かしい感じ。
普段は人の声も車のクラクションの音もうるさいし、汚いし、
いいイメージはないんだけど、
しばらく旅に出て戻ってみると、何だかとてもほっとする。
家に帰ってきたって感じ。
愛おしくさえ感じる。
そう、去年もそう思った。
旅をしてよかったなと。
それは南昌のことが少し好きになった、というかそのように感じられたから
旅日記はこれにて終了。