大聖堂 (上) (ソフトバンク文庫)
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大聖堂 (中) (ソフトバンク文庫)
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大聖堂 (下) (ソフトバンク文庫)
ケン・フォレット
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長い物語でした。



大聖堂に夢を抱いたトム・ビルダーを主人公とした
親子3第にわたる時代物語。



9世紀ロンドンの様子が目に浮かぶようで
印象に残ります。



この物語は、長編「水戸黄門」という感じでした。
悪い人達が、悪事を自分たちの正当な行為として至福を肥やし、
まっとうに生きているひと達が苦しい思いをする。



トム・ビルダーは中巻で殺されてしまうが、
物語は、その息子の第になって流れてゆく。



最初の主人公はトム・ビルダーだったが、途中から主人公がチェンジをし、
ジャック・ジャクソンという義理の息子になる。



ジャックは父のことを知らない。
そして、唯一の手がかりは、母エリンが知っている。



謎解きの要素もあり、時代背景、聖堂建築と様々な
要素が織り交ざっているこの物語は、読み応えのある面白い本でした。



翻訳本の辛いところは説明が多いってところですね。



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双頭の鷲〈下〉 (新潮文庫)
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下巻はベルトラン・デュ・ゲクランの
後半の人生の話。


ゲクランはフランスの大元帥まで登り詰めた。



フランス王シャルル5世の大推薦のものであった。



ゲクランは軍事・戦術では一流ではあるが、政治となると
まるで子供のように何もできない人間だった。



しかし、軍事となるとこの時代にできない様々な発想で
絶対的イングランドを何度も破った。



そうして、登り詰めた大元帥だった。



しかし、それは彼を孤独にする結果になった。



最愛の妻、ティファーヌ・ラグネルとの死別。
従兄弟で修道士、エマヌエル・デュ・ゲクランの別れ。
軍友たちとの死別。



フランスでのベルトランの人気は高まるばかりだが、
ベルトラン本人は、普通に接する人が周りにいないという孤独に陥っていた。



そして、ベルトランは初めて気が付いた。
大切なものは、周りにいた妻・従兄弟・友であったことに。



かなり面白い内容でした。
フランスとイギリスの100年戦争の始まりは、
スコットランドとイギリスの代理戦争から始まり
犬猿の仲が100年も続いた戦争であった。



日本で名な人は、ジャンヌ・ダルクであるが、
ベルトラン・デュ・ゲクランの軍事行為は、ジャンヌダルクが足元にも及ばないほど
強大なものである。



実際にベルトラン・デュ・ゲクランの墓は、
フランス王家の墓所サン・ドニ教会に埋葬されており
シャルル5世に永遠と王家を守ってほしいという意思で埋葬された。
(ルイ16世・マリーアントワネットもサンドニ教会に埋葬されている)



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双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)
佐藤 賢一
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イギリス・フランス百年戦争


フランス側の戦闘の神とされたベルトラン・デュ・ゲクランのストーリーです。



デュ・ゲクランは貧乏貴族の出。
子供時は腕力にものを言わせる餓鬼大将だった。



大人になったゲクランに大舞台が現れた。



弟をイギリスの捕虜にとられ、それを奪還するための
騎馬で大槍と盾だけの1対1の死をかけた試合に出場した。



当時のフランスとイギリスは犬猿の仲で
イギリスがいつも優位に立っていた。



この試合はフランス側で行われ、フランス人の熱狂ぶりは果てしないものだった。



試合結果は、ゲクランの圧勝で幕を閉じた。



ゲクランはディナン市の軍隊長になり、ノルマンディ地方の国土防衛をしていた。



しかし、田舎の軍隊。フランスからの給与というものが届かなかった。



そこでゲクランはフランス王に駆け寄って給金を頂くという計画をたてパリに向かう。



そこでシャルル5世 (フランス王太子)にであうことになる。



この出会いはまさに運命的な出会いだった。



シャルル5世は、当時異端児だった。読書ばかりしている陰湿な王太子。



ゲクランは文字は読めないが、ほとんど直観で行動できる神がかった人物だった。



この2人が百年戦争初頭に国内革命・戦争革命を起こす大きな起爆となった。



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