共布ループ作り方、返し方 1(縫い方のコツ編) | ヒロアミー日記

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基礎縫いミシン編 19

 

共布ループ作り方、返し方 1 (縫い方のコツ編)

 

 

共布ループとは洋服のディティールの一つで洋服本体と同じ生地でループ状に縫ったものを言います。

 

ボタンをかけたり、リボンの編み上げをかけるの仕様として使われます。


     

    これはフロントの明き仕様がループ明きになっているものです。

          ヒロアミーの日記-共布ループ


ループの太さや内径はボタンの大きさを基準で決めていきます。

ヒロアミーの日記-共布ループ   

          ボタンが大きくなるとループの太さは太くなります。

          内径の長さはボタンの大きさ(サイズ)です。

          内径の高さは基本的にはボタンの厚みと考えます。

 

  注意

 

   内径(半月の高さ)が大きすぎるとボタンが抜けてしまうおそれがあるので気をつけてください。

          



ヒロアミーの日記-共布ループ  

 これは後ろスラッシュ明きがループ明き仕様になっているものです。

        

                 ヒロアミーの日記-共布ループ

            これはカフスがパイピングでループをUの字に使っている仕様です。

 

 

上の写真は全て自作の私の洋服ですが、デザイン的にも使えたりするので自分の洋服だとボタンホールの代わりにループ仕様にしてしまうことが多々あります。

 

 

 

 

それでは、その共布ループの縫い方を説明していきます。

 

 

1、共布ループの裁断

 

  下の生地は説明が解りやすいようにストライプの生地にしました。

  右が10cmの正方形

  左は10cm×20cmの長方形です。
ヒロアミーの日記-共布ループ


          

                 2、接着芯を裏側に貼ります。(黒の薄手の芯を使用)

                   正バイヤスにチョークで線を引き、3cm幅の線を書きます。
             ヒロアミーの日記-共布ループ   

                10cmは対角線が正バイヤスです。

            20cmの方は写真のように折るとそこが正バイヤスになります。

ポイント

3cm幅で裁断する理由は縫うときに裁ち端を押さえることが可能でねじれ防止の一つです。

接着芯を貼る理由はループは縫い代を細くカットするので、ほつれて縫い目がパンクしてしまうのを防ぐのと、返している途中でループ端がほつれて生地がちぎれてしまうのを防ぐためです。

 

注意

 

 接着芯はしっかりと貼ってください。剥がれてしまうとループを返せなくなります。

 そして、生地の地の目が正バイヤスでないとループがねじれてきれいに仕上がりません。

 正バイヤスは重視してください。

 

余談ポイント

 

 生地に線を引くときはチャコペンシルではなくて三角チョークを使用します。

 チャコペンシルは点を書くとき、チョークは線を書くときに使用します。

洋裁の初心者さんはこのあたりが混同しやすいのでちょっと書き込みました。

 

                3、裁断した状態です。

 

           ヒロアミーの日記-共布ループ

  ポイント

    バイヤスの長さを長くとると返し難くなるのと、ねじれやすくなるのでループの数を必要とする場合でも

    長方形の高さは15cmくらいまでの方が時間短縮につながります。

    もっと本数を必要とする場合は高さ15cm×横20cm、30cm、40cmみたいに裁断します。

    ただ、慣れないうちは短い長さを返すことをおすすめします。

 

ちなみに10cm四方の方は5cmの長さのループが4本取れます。

 

      10cm×20cmの方は5cmの長さのループが10本は取れます。

   角の三角にカットされた部分は使わずに出来る本数です。

 

 


4、生地を半分に折るように中表にして輪の方から0.4から0.6くらいで2度縫います。
ヒロアミーの日記-共布ループ

 

 

 

ポイント1

 

  ミシンの針目を細かくします。(1.6から1.8くらいの針目)

  同じところを2度縫ってください。2度縫うので返し縫いをしなくても大丈夫です。

 

ポイント2

 

 下の写真で判りますか?

  縫い始めの太さが実際に縫う太さよりも0.2cm程太く縫い始めています。

  これは返すときに返しやすくするコツの一つです。

 

写真は判りやすように少し大げさに太くしていますが、かといって太すぎても返らなくなるので加減に気をつけてください。

ヒロアミーの日記-共布ループ

 

 

       

 

                       5、縫い代のカットです。

                    注意

                     裁ち端の方を0.2cm弱残してカットです。1.5ミリくらいです。

                     くれぐれも輪の方を切らないようにして下さい。

                     
                      ヒロアミーの日記-共布ループ

                 

                  
6、山三角のにカットします。

 

ポイント

 

  ループを返すコツの一つです。

  上で縫うときにバイヤスで裁断したまま縦地部分を斜めのままに縫った理由がココにあります。
ヒロアミーの日記-共布ループ   縦地に線に合わせて山三角に斜めにカットします。

 

 口を広く縫った方のみカットで下側はそのままほっておいて大丈夫です。

 

 

7、ここまで出来たら、いよいよループを返します。

 

 

   

 

   返し方は写真が多くなってしまったので分けて書きました。

   リンクを貼りました。次の工程へ進む間の工程になりますので見てください。

            「糸で返す方法」

            「ループ返しを使う方法
 


8、ループの使用する長さを決めために一度縫ってみます。

 

注意

 

  この時に縫い代幅より0.1cm内側を縫います。

  これは1cmの縫い代を想定して0.9cmの所で縫っています。
ヒロアミーの日記-共布ループ   

 

ポイント

 

付け位置のノッチ(切り込み)に合わせて写真のように真っ直ぐ置いて手でミシンのはずみ車を回して針をループの真ん中に下ろします。
縫って止めようとすると厚みでズレてしまうので針をループの真ん中に下ろして進めて返し縫いをすると良いです。

          

             9、ループを丸めて半円を作り針を下ろして止めます。

              ヒロアミーの日記-共布ループ  まだループは長いままです。

 

10、出来上がりで折ってみて、ボタンを通して大きさが大丈夫か確認します。
ヒロアミーの日記-共布ループ

                      

 

                  11、ループの余分な長さをカットします。

                  ヒロアミーの日記-共布ループ

一つ明きとかであればこの工程でOKなのですが、このブログの1番目の写真のように沢山ループを使用する場合は同じ大きさで縫わなければなりません。

 

その時は上の工程は仮として、今縫ったループを一度ほどいて取ります。

 

そして同じ長さに残りをカットするのです。
 

12、ループの長さをカット。

ヒロアミーの日記-共布ループ

      

             13、ループをアイロンでカーブをつけます。

              ヒロアミーの日記-共布ループ

         注意

           この時に縫い目は内側に(上の写真の左側)くるようにアイロンをします。

           写真は数をアイロンするときのためのカーブの厚紙を使って同じになるようにしています。

 

これで又、9の工程のように付け位置に縫っていきます。

 

 

 

共布ループは洋服はもちろんですが、小物、雑貨などでも使用頻度高い仕様です。

 

 

このブログが参考になれば嬉しく思います。

 

 

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