母と私の乳がん共存の道 ~乳がん肝転移(ステージⅣ)の母とともに~

母と私の乳がん共存の道 ~乳がん肝転移(ステージⅣ)の母とともに~

2016年9月、母に乳がん多発肝転移のステージⅣ宣告。
家族としてどう向き合い、どう寄り添っていくか、家族の立場から、母の闘病とそれを支える家族の思いを綴っています。

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3月10日。

全8クール予定されていたドセタキセル投与が無事に終了した。
副作用は回を追うごとにきつくなり、終盤は、むくみやしびれで、出歩くこともじっとしていることもできず、手足の爪は、ほとんどすべてはがれてしまった。
体の不調と引き換えに、がん細胞はなりをひそめ、画像上はほとんど見えないくらい小さくなった。母は、CT検査の結果を聞いて、静かに泣いていた。

  4月。人事異動で主治医が変更になった。
新しい主治医は、穏やかな表情でまっすぐに母の方を見て、ゆっくり母の話を聞いてくれ、触診もしてくれた。人の第一印象は大事。パソコンに向かって話を聞く人に命を預けようとは思わないが、人として向き合ってくれたこの医師には、母のことを任せられると思った。

これからが本当の戦いだと思うし、これからの治療の選択は、その人それぞれの人生観などにも左右されると思う。母は、もうこんなつらい抗がん剤はやるつもりはないと言った。私は、母には一日も長く生きてほしいけど、母らしく生きてほしい。母の人生だから、やっぱり最後は母の選択を尊重しようと思う。