近年、書店の閉店が相次ぎ、社会問題として「読書離れ」が取り上げられることが増えている。
スマートフォンの普及により、人々が本を手に取る機会は確実に減ってきたと言えよう。
しかし、本を読むことでしか得られない体験や感動がきっとあるはず。
今回久々にブログを綴ろうと思ったのは、ある若い方と現在大ヒット中の映画『国宝』についての話しになり、特に映像化された作品に注目し、今まで読んだ小説についてまとめてみよう言う思いに駆られた。
特にこれまで私が読んだ本(オーディブルで聴きた本も含む)で、印象に残っているお勧め本を取り上げ紹介していきたい。更に映像化の有無を調べた上、過去に観た作品であれば対比したい。
1️⃣ミステリー
2️⃣ハードボイルド
3️⃣歴史
4️⃣戦争
5️⃣その他
のジャンルに分け、第1回目はミステリー編の作品を簡潔に紹介する。
第1回 ミステリー編
宮部みゆき『火車』
【感想】
謎を解く鍵は、カード会社、多重債務、自己破産、誰もが人生の落とし穴にはまる可能性があり恐ろしい。山本周五郎賞に輝いた社会派ミステリーの傑作。
【映像化情報】
2011年に(主演:上川隆也、佐々木希主演で、スペシャルドラマとしてテレビ放映があったようだ。
また韓国映画もあり韓国で大ヒットを記録したとのこと。
宮部みゆき『模倣犯』
【感想】
一連の猟奇連続殺人事件は社会を巻き込みエスカレート。人を欺き続け極悪非道に徹した狡猾な犯人、罪の報いは必ず受けて欲しいと心底思った。
【映像化情報】
2002年 映画版(主演:中居正広/監督:森田芳光)
2016年 テレビ東京ドラマスペシャル(主演:中谷美紀)等
映画版は主演が主演だけにもう放映は見れないかも知れない。
傑作の原作に比べ批判的な意見も見られた。
松本清張『点と線』
【感想】
松本清張の代表作、東京~博多間の鉄道ダイヤをめぐって緻密なアリバイ崩し!博多の香椎を訪れたくなった。
【映像化情報】
1958年 映画(主演:南廣、高峰三枝子)
2007年 テレビ朝日2夜連続ドラマ(主演:ビートたけし)/視聴率20%超
ドラマも観たい!
松本清張『ゼロの焦点』
【感想】
新婚の夫が金沢出張に行ったまま失踪、妻が行方を追う中で明らかになる過去の因縁。事件にかかわる人物心理の描写が秀逸。
【映像化情報】
1961年にも映画化されているようだが、2009年 映画版(主演:広末涼子、中谷美紀、木村多江/監督:犬童一心)他にもテレビドラマ化は多数。
吉田修一『悪人』
【感想】
出会い系サイト絡みで殺人事件を通して、人間の孤独や「悪」の本質を浮かび上がらせる人間ドラマ。最後まで逃げ切れるか?
【映像化情報】
2010年 映画版(主演:妻夫木聡、深津絵里/監督:李相日)
映画は映像美と緊張感が評価され、深津絵里はモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞。原作は心理の揺れをより詳細に描く。
ネットで観たが印象に残る映画であった。
塩谷武士『罪の声』
【感想】
昭和の未解決事件が題材、噂通りの名作だった。
脅迫テープに声が使われた子供達、その中の1人は京都で働くテーラーと真相を探る記者から目が離せない。
【映像化情報】
2020年 映画版(主演:小栗旬、星野源/監督:土井裕泰)
年末に映画を先に観て感動のまま原作に向き合った。実在事件を下敷きにしたリアリティと社会派の緊張感があった。