原型師は燃えているか?

原型師は燃えているか?

見せてもらおうか そのオヤジの奮戦とやらを

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たった今、劇場で見終わった。

 

良い意味で、今までのいわゆる「ガンダム作品」とは違っている作品だった。

ひとことで言うと観客は「初めて見る巨大な航空?兵器の戦闘を見てしまったサイド7の住民」。

そういう意味ではこの映画の観客は、極めて「ファーストガンダム」の第1話を初めて見た視聴者に近い。

デカい兵器の戦争は恐ろしい、という第1話の雰囲気。

もちろん、ガンダムは第二次世界大戦に日本人が受けた空襲の恐怖を再現していた訳だが、今回はニューヨーク911事件に遭遇してしまった人々の恐怖を再現していた。

戦争に巻き込まれてしまった人々を描く、正統なファーストガンダムのリメイクなんだな、というのが第一の感想だった。

 

なので、終盤に新兵器のガンダム同士?が戦闘するシーンがあるのだが、これも見たことのない航空兵器のエアコンバットだった。

昨今のハリウッドロボット映画にも顕著なのだが、新し目のロボットデザインはフォルムもよく判らない(視認しづらい)ので、何かデカい航空兵器同士がビームとミサイルで撃ち合っているというだけで、従来のいわゆるガンダム作品の戦闘とは違っているのが良かった。

 

あとは911以降の世のムードに顕著な「テロはいけません」という(優等生小学生女子のような)お題目に挑戦する内容なのが興味を惹いた。

主人公は「テロリスト」のリーダーだから。

三部作の一作目ということだが、続きはテロをする側にも理由があってやっている、ということを描くのか?

私は原作未読なので判らない。

富野さんは30年以上前にテロの論理についても描いていたんだなぁ。

モチーフは70年代に日本を含む世界で「流行った」極左テロ事件なんだろうか。

 

ついでに言うと、先日何十年ぶりか?(通しで観たのは劇場で一回だけ)にTVで放送された『逆襲のシャア』を観たが、感想は20代だった昔と殆ど変わらず「生意気なガキ共を片っ端からビンタして回りたい」だった(笑)。

私は性的に「生っこすぎる」作品が苦手でそれが逆シャアにも当てはまるのだが、原作にもあるのだろう生っこいセリフが、あまり生生しい感じになっていないのは監督の人柄か?役者の人柄か?

富野さんが監督をやっていたら逆シャアと同じ感想になってしまったかも知れない(笑)。

ZZも観てないしZ以降のMSにも全く関心がないし逆シャアはどちらかと言うと嫌いな作品な私のハサウェイの感想である。

 

追伸

「二週目」プレゼントでフィルムをもらったが、私の知らないガンダムのフィルムだったw。

1コマMSが写っていたがZかZZなのか?(キャラに見覚えがない)

『哀戦士』公開時、朝4時に青森地下松竹に並んでもらったフィルムは、コズンがドアを爆破するカットだった。

動画になっているのは煙だけで、あとはトメ絵。

私はフィルムにはあまり縁がないようだ(笑)。

 

1972年に青森市が発行した本(非売品)『青森空襲の記録』。青森市はねぶた祭で有名だが、昭和20年7月28日の空襲で市内がほぼ全て消えてしまったことを知らない方も多いのではないだろうか。


爆撃の様子は郊外に住んでいた父から細かく聞いた。まず「グラマン」による青函連絡船や鉄道への銃爆撃から始まったこと。転舵して逃げ回る連絡船に水柱が上がって沈められていくのを新城の山からはっきり見たそうである。日本にも鍾馗とか疾風とか戦闘機があったと思うけど迎撃しないの?と松本零士さんの戦場まんがシリーズで知ったことを聞く。バカ!油川に日本軍の飛行場があったけどな、空襲が来る前には必ず皆飛んで逃げていくんだ!。空中退避って言うんだぞ。実際はそうだったのか。。悔しかった。油川飛行場は陸軍基地で、隼があったことを後年把握した。
私が中学になる頃、そういうことに興味を持っている仲間は周りに誰一人居なかった。そうだ、小学校から描き続けている漫画で青森空襲を描けないか?そうしたらみんなにも読んでもらえるのではないか?いつか、ちゃんとした考証で日米軍を描いて青森空襲を漫画化するぞ!と心に誓った。
 

その頃とは比べ物にならないくらい日米軍の知識はついた。全てこの漫画のためだったと言っても、まんざらウソではないだろう(日本軍の知識は日本軍がでてくる別の漫画のために90年頃本格的に調べ始めた)。2016年に『この世界の片隅に』を観て、やられた!あそこまで考証を詰めるのは無理だろうなと思った。違うアプローチで描かないとダメだなこりゃ。

昨年「死にぞこなって」しまったが、さっさと描け!という神のお告げだったのかも知れない(笑)。それを描かないうちは死ねないのかもな。。。なんて。

 

劇場で観た押井守監督作2008年の映画『スカイクロラ』があまりに良くて続けて二度観たので(新宿ミラノは入れ替えではなかった)、原作も気になり読んでみた。森博嗣さんの名前はこれで初めて知った。シリーズで5冊でているが映画は最終巻の5巻『スカイ・クロラ』と1巻『ナ・バ・テア』の内容なのだという(後に番外編追加で全6巻)。試しに一冊読んでみると。。残りもすぐに全部買って繰り返し読んだ(笑)。これはもの凄い小説だ。


私は一般的な人より多くの航空戦記や航空小説を読んでいると思うが、スカイクロラシリーズはどれにも似ていない独自の航空描写に溢れている。まずこれに驚いた。飛行描写ではない。空中戦闘描写。これが説明不可能な官能なのだ。月並みな表現だと浮遊感とスピード感、と言ったら良いのだろうか?心を空の戦いに囚われた人。空で美しく戦い美しく死んでいくのを願う人。おそらく何割かの戦闘機パイロットが持っているであろう美学と感じた。大事なのは命ではなく美しく戦う瞬間なのだ。壮絶な美。孤高の死。圧巻としか言いようがない。現代のマジョリティー的倫理観は「命より尊いものはない」だし、多くの創作物語はそれに従っているように思われる。が、この物語は「命よりも尊いものがある(のではないか?)」という事を描いている。これを受け入れられる人は気に入る小説だと思う。


こんな凄い小説を書く作者はどんな人なのだろうか?と気になった。1996年の小説デビュー以来、全て「ビジネスとして」小説を書いてきたのだそうだ。例外はこのスカイクロラシリーズだけ。このシリーズのみ「書きたくて書いた」唯一のシリーズなのだという。このシリーズを読んで以来、私はすっかり森博嗣さんのファンになってしまった。買ったのは小説よりエッセイの方が多く、昨年末まで続いていたブログ『店主の雑駁』も始めから楽しみに読んでいた。


スカイクロラシリーズはもちろん6冊全部持っているが、すぐに出せたのがこの三冊だけだった。。カバーは映画公開当時だけのイラスト版。スカイ・イクリプスはDVD特典のイラストカバーに換えている。

全巻原作を読んでみると、映画と原作では筋立てに違いがあるのが分かる。しかし、ほぼ同じ内容と言っていい。矛盾していることを書いているようだが事実だ。映画と原作は一見違う話のようだが『スカイ・イクリプス』まで読むと「内容」はほぼ同じという、これもなかなか稀有な例ではないか?孤高に生きる人間が選んだ道(の方向性)が映画と原作では一致している。

 

「息子を寝かしつけるお話」として作った物語で、昭和4年生まれのウェストール処女作にして傑作。英国グラマースクールに通う労働者階級の少年が戦時中の英国で見たものは。。という筋書き。バトルオブブリテンの最中、空にはドイツ空軍の爆撃機や戦闘機が跋扈する英国北東部の漁師町。ドイツ軍機の残骸収集を趣味にする少年が見つけてしまったハインケルの旋回機銃。それを巡る少年たちと大人の物語。


児童文学とあなどることなかれ。戦中の少年たちや社会、軍隊の描写が見事で何よりリアルだ。原題は"THE MACHINE-GUNNERS"。主人公少年の祖父は第一次大戦で機関銃手だった。毒ガス後遺症の肺病に喘ぎながら、自分の斃したオーストリア兵の徽章を大事にしている。その孫も「新たな大戦」で機関銃を手にして敵と戦おうとする。機関銃手一族の物語とも言える原題である。原本ではどういう表現になっているか気になり原著も入手して確認してしまったくらい入れ上げた小説だ。独軍の機関銃を手に入れた少年たちは、やがて上陸してくるであろうドイツ軍を迎え撃つため、自分たちの力だけで秘密のトーチカを作る。大人は信用できないし頼りにならない!俺たちの手だけでやる、と。


読んでいて英国少年は何て不屈で逞しいんだ!というのに感心した。社会的背景、文化、歴史的背景が彼ら彼女らをそうさせるのだろうか。しかし、よく考えると私の父も昭和一桁生まれで何事にも動じない精神の逞しさを感じた。進駐軍の戦車の中が見たくて、停車中の貨車に載った米軍戦車に入っていたら、黒人兵に出ろと自動小銃をつきつけられた。あいつら本当にホールドアップ!って言うんだぞと笑って話していた。国を超えて「戦前生まれ」のあの世代は逞しいんだなと思う。それに比べ私のような戦後生まれの精神のひ弱さよ。。。一生超えられないのだろうと諦めている。訳者もほぼ同世代で翻訳も良い。普通に「警防団」という単語が出るあたり、戦後生まれの訳ではないなと思う。何から何まで「昭和一桁世代の作った本」。

『刑事フォイル』という同時代を扱った英国の連続ドラマがある。ある話で米軍が町にトラックでやって来ると、じっと見ていた少年の表情が泣き顔になり叫ぶ。「ジェリー(ドイツ野郎)が来た!!」この小説を思い出した。私が好きなシーンの一つだ。

 

原著は1975年に出版された。そのせいか「大人がちゃんとしている」のが特徴だ。特に「お父さん」像。ウェストールの小説には分別のある「ちゃんとした男」が必ず登場する。現代の物語ではほぼ消滅していると言って良いかもしれない。最近の物語に登場する男像は本当に酷い。まるで世の中から分別のある男は消えてしまったかのようだ。実際消えてしまったのかもしれないが。。。

宮崎駿さんもウェストールのファンらしく(私も宮崎さん繋がりで知った)挿絵や漫画を描いたウェストールの小説が2冊出版されている。氏が脚本を作った『借りぐらしのアリエッティ』という良いアニメ作品がある。これに登場するお父さん像は完全にウェストール作品に出てくるお父さんそのままだ。宮崎さんは70歳を過ぎるまで父と和解していなかったと半藤さんとの対談で語っていた。そのせいで、それまでの宮崎作品に出てくる「お父さん」は、非常にお父さんらしくない人物像ばかりだった。お父さんの描き方が変わったのがアリエッティからだ。やはり脚本を担当した次の『コクリコ坂から』は話の基本軸自体がお父さんたち世代の友情になっていた。これまで父親を描くこと自体を避けて来たのに変わった理由は、その頃心情的に父と和解したということなのだろう。対談では今では父が好きです、とまで言っている。70過ぎて成長したんだね、宮崎さん(笑)。

 

同郷ということもあって太宰治の本が好きだ。小説の中で一番良いと思うのが本作、『津軽』。郷土紀の形を取りながら、「太宰治というキャラクター」を自虐的に(エンターテイメントとして)おどけて見せつつ津軽人に共通する心性を描いている。青森県史をからめ、久しぶりに訪れた故郷と久しぶりの友人たちとの交流。何人も津軽人を知っている人ならば、必ずこういう人居るよ!と思い当たるであろう(津軽弁でそういう人を表す「モツケ」という単語がある)。「疾風怒濤の接待」というキャッチーで笑える表現などは素晴らしいとしか言いようがない。やはり太宰は上手い。最後は育ての乳母を捜しに小泊村を彷徨う。読後に爽やかなものを残す切れ味の良さ。本格的に戦争が身近になってくる昭和19年の銃後、それも「ド田舎」の生活描写という意味でも貴重だと思う。


しかし、『斜陽』や『人間失格』で太宰は誤解されているように思う。こちらの方が、よりリアルに近い人物像ではないかと思わせてくれる。ま、そこも太宰マジックの術中にはまっているのかも知れないけれど。小説以外では自死直前に書かれた『如是我門』が圧倒的に面白い。これくらい面白く他人を叩ける文章があるだろうか?初めて読んだ時は声をあげて笑ってしまった。SNSで日々他人を叩くのにいそしんでいる方々にも、是非参考にして頂きたい。


そう言えば、太宰が好きという人は世に沢山居るだろうが、『津軽』が好きという人にはまだ実際に出合ったことがない。とても残念だ。

 

現在の私を形作った「雛形」のような本。小学生の時、父にねだって買ってもらった戦車図鑑。繰り返し繰り返し何度でも読んだ。開いてすぐの素晴らしい口絵に度肝を抜かれた。高荷義之さんによる武装親衛隊のタイガー戦車。機関銃の火が本物にしか見えねぇ!!これが絵なのか?!手前にあるのは無人の水冷機関銃。ソビエトフィールドカーについていたソ連のマキシムだ。説明文を見るとクルスクとかハウサー将軍指揮下のSS機甲軍団とかシュトルモビク襲撃機などの単語が登場している。小学生で既にこれらの単語を憶えていたのかとしみじみする(笑)。

 


 

底著は洋書なのだが、今読むと日本版制作に当たってかなり増補されているっぽい。記述は今の目で見ても正確で丸暗記でも問題なし。昔は出版社が素晴らしいクオリティーの本を出していたんだなと感慨深い。戦車の知識の全てをタミヤに負っていたので、見知らぬ戦車、見知らぬ用語多数で興奮した。戦車の歴史は古代まで遡って解説されている。中のイラストは複数人で担当しているが、どの絵も昔の絵描きさんなので筆力が高い。昔、父に何故そんなに戦車が好きなのか?と聞かれた。少し考えて複雑な形が良いからと取りあえず答えた。実は何故好きなのかは判っていなかった。小学生の私が好きなものは戦車の他に蟹があった。水棲生物図鑑の蟹と海老と鮫コーナーばかり読んでいて、将来は蟹の研究家になりたいななどとも思っていた。戦車と蟹って結構似ている。

 


 

この本は10年程前に古書店で見かけて思わず買ってしまった。プレミアがついて1800円くらいだったと思う(初版1974年、私8歳)。数十年ぶりに読み直したが、内容が想像以上に高度だったことにビビった。徹甲弾、徹甲榴弾、粘着榴弾、成形炸薬弾など戦車砲弾の弾種と装甲貫徹原理を小学生で(だいたい)把握していたことになる。自衛隊の駐屯地祭に行って陸自のお兄さんやおじさんに知識披露して驚かれるわけだ(笑)。ガルパンにハマった現代の小学生がクリスティ式サスペンションのBT42 が。。とか言っていても驚かない。私もこの本のおかげで「クリスチーの空飛ぶ戦車」を知っていたからだw。

 


 

前回紹介した本が現在の愛読書の一つなら、今日の本が原点とも言える。つまり私は小学生の頃から好きなものが全く変わっていないということになる。研究歴40年超えだw。あの日の戦車小僧に乾杯!

現在の私の専門は第二次大戦の米陸軍なわけだが、知りたいことが書いてある日本語の本はほぼ存在しない状態だ。ということで深く知るには、まず基礎である当時の兵隊が読む教科書を読むことから始まりそうだ。日本語で云う「教範」ってヤツだ。オリジナルもあれば人気のあるジャンルはリプリントもされて出版されている。米軍教範には大まかにTECHNICAL MANUALとFIELD MANUALやBULLETINといった種別があり、画像後ろにチラと見えている古っぽい冊子がそれだ。日本と違い軍の「教科書」とはいえ、古い情報なので米国では売買もされているしネットで公開もされている。

 


その他にTables of Organization and Equipment(TO&E)という米軍公文書もある。「編成表と装備表」という意味でこれを見れば軍制上でどのような組織と装備なのかが一目で分かるようになっている。戦中では改定されることも多いが年月日ではっきりそれが分かるようになっている。


このTO&Eをまとめて解説と戦記を加えたのが今回の主題になる"BATTLE ORDERS"シリーズだ。「戦闘序列」シリーズ。こんな本が出版できるなんて羨ましい(笑)。世界中に売れる英語本の強みだろうか?

米軍関係だけ買っていたが試しに”Desert Raiders : Axis and Allied Special Force 1940-43”も買ってみた。買って正解!!なぜならLRDGの装備表があったからだ。装備車種から小火器重火器等兵器の数、人員数など部隊編成までが網羅されている。このLRDG(Long Range Desert Group 一般的には長距離砂漠挺身隊と訳される)を解説した和書もほぼ存在しない(日本語Wikiすらない)。タミヤで模型化されて名前だけは有名な割に。。『砂漠の狐を狩れ』という詳細なLRDG描写のある素晴らしい小説もあるが、あくまで小説である。唯一に近く原書房から出ている『SAS大辞典』には関係項目として少し解説が載っている(メインはSASの本)。
この本を読んで初めてLRDGの編成が解かった。LRDGの前身であるLRDPの解説もある。起源はサハラ砂漠探検隊なのか。。そう言えば映画『イングリッシュペイシェント』ではそういう欧州各国の戦前の「探検家」たちが第二次大戦にも関係してくるという話だった。1941年の創設以来数年で規模が拡大され人員も英国からニュージーランド、インドまで様々な部隊から増強されていくのを知った。正にそういうことを知りたかったんだよ!という本である。

フェイスブックで本を紹介する企画があり、そこで書いた記事を転載します(若干増補改訂あり)。

 

発売直後に買って何度も何度も読み直しているので表紙が汚い。この本は「アニメの本」ではない。正確に書けばアニメ業界に就職する部分「も」書かれている本だ。共著者の斉藤さんは青森市にある新聞社東奥日報の元記者さん。同紙に連載されていた50~60年代米軍三沢基地F-105ワイルドウィーズル部隊(核装備)のルポは地方紙と思えない出来の良さで母に言って貯めてもらい、帰省する度まとめて読んでいた。あ!あの記事を書いた記者さんなのか!!と買ってから気づく。迂闊!

 


安彦さんが弘前大学を学生運動で中退したのは知っていたが、その詳細がご本人と「記者の第三者視点」の両方で描かれている。何故学生運動が必要だったのか、その心情も記述されていて「70年安保」の大学生はこういうメンタリティだったんだろうなと伺えた点が良かった。しかし逮捕されて退学処分だったとは全く知らなかった・・「仲間」には連合赤軍事件に名を連ねる人物も居て、それついても包み隠さず記述されており相当興味深い。地方大学(それも青森)の学生運動について書かれた本という意味でも貴重ではないかと思う。


実は個人的に安彦さんの奥様と繋がりがあり、私が青森出身ということもあってお話させていただいたこともある。学生結婚ということで本には奥様も登場していて少し身近に感じられたが、他にも高校漫研の後輩でアニメーション研究家の五十嵐浩司氏も談話を寄せていて、何とも縁が深く感じられる本となった。随分前だが(20年くらい前?)青森県立美術館の学芸員氏と地元で飲む機会があり、安彦さんの作品も収蔵すべきだ!と強く主張したのが思い出される。後に県立美術館で安彦さんは講演している。聞き手は前出の五十嵐氏だったことをこの本で知った。正直に書けば嫉妬した(笑)。
この本を更に理解するにはユリイカの安彦良和特集号と角川の『アニメ・マンガ・戦争』、『「彼女たち」の連合赤軍』が参考になった。近著の『革命とサブカル』は未読。
学生運動の話だけ触れたが、本の内容はそれだけではなく生い立ちからアニメ業界で仕事を見つけ、「足を洗って」漫画家になるまでが書かれている。

後ろにVL2号を加筆しました。

秋田漫画文庫表紙の加藤直行さんインスパイアです。

アクリルは加筆が楽で良いな。

 

突然スノー国スパイを描いた。

『鉄人28号』の後期エピソードに登場する敵のスパイ。

本国から奪われた機密書類を奪還、処分するために日本に侵入。

書類が警視庁の手にあると判り、本国から組み立て式ロボットVL2号を送り込み正太郎たちと対峙する。

このVL2号が強い。

「S国」と呼ばれた時代の恐竜ロボットから随分進化している。

彼らの合言葉は「スターの星は?」「赤い」。

スノー国とはソビエト連邦ということだ。

 

国外活動で国籍秘匿のために、大戦で大量に鹵獲したドイツ製短機関銃を装備。

(KGB特殊部隊所属と思われる)

昔の少年冒険小説のカラー挿絵風に描いてみた。

1980年代にホビージャパン誌で鉄人特集をやると知り、こういうイラストを薄墨で描いて送ったら誌面に掲載されたことがある(笑)。

 

 

30年ぶりくらいにアクリルを使ってみた。

TMKポスターに模型用に使っていたぺんてるアクリルガッシュ。

会社時代に仕事で描いたリキテックスのイラスト以来だ。

普通の水彩絵の具より乾燥が速いから良いかもしれない。