冬休みが終わると、1学期と同様に10週間の2学期(Lent Term)が開始します。
授業は全て通年であるため、科目は変わりません。また、Lecture + Classという授業スタイルも1学期と同様です。
1学期と2学期で大きく異なるのは、第一に、1学期のように学期中(9週目)にMock Examがないということです。
その分、ターム中にテスト勉強をする必要がないため、1学期と比較すると時間的には余裕が生まれます。
一方で、2学期は、授業を受けながら、卒論(Extended Essay)執筆作業を進めなければなりません。
2学期の授業をうまくこなすことができるかどうかは、この卒論執筆作業と授業の予習・復習をどう両立していくか、ということに尽きるかもしれません。
Extended Essayについては、どこかできちんと触れたいと思いますので、ここでは、1学期同様、2学期の授業内容について紹介したいと思います。
①ミクロ経済学(Micro Economics)
1学期では、院レベルの基礎的な理論について学びましたが、2学期では、その応用分野について、いくつかのトピックに分けて学んでいく形になります。
中でも、ゲーム理論を用いたトピックを多く扱います。
教科書は指定されず、それぞれの学習に沿った論文集が渡され、分からない場合は、原典の論文に当たって内容を理解することになります。
具体的な内容は、次の通りです。
1.独占(価格差別)
2.寡占(基本的なクールノー均衡やシュタッケルベルク均衡から、バーゲニング理論まで学びます。)
3.製品差別化(水平的差別化(Hotelling理論)や垂直的差別化等)
4.サーチ理論と逆選択
5.オークション
6.シグナリングとモラルハザード
前期とは異なり、それぞれのトピックにおける有名な論文のモデルを簡単化したものを授業中に紹介するというものです。
前期の計量経済学の教授と同様に、この教授も既に6~7年ほどこのミクロ経済学を担当しているため、コースマテリアルもしっかりしており、過去問もたくさんあります。
そのため、過去問を解いて、問題のパターンを把握しつつ、内容を理解していく形になるかと思います。
問題のパターンが決まっているため、勉強しやすい科目になっています。
② マクロ経済学(Macro Economics)
後半のマクロ経済学では、まずマクロ経済学の基本モデルであるリアル・ビジネスサイクルモデルとニュー・ケインジアンモデルを学びます。
そして、それらのモデルにおいて、財政政策や金融政策がどのような効果を持つのか、更に、現実世界に沿うように、様々なfrictionをモデルに加えていくと(例えば、労働市場におけるマッチング・フリクションなど)、どのようなインプリケーションが得られるのかについて学習していきます。
この授業は、Wouter J Den Haanという教授が担当しているのですが、彼は、LSEの前にはロンドン・ビジネススクールで教えていたこともあり、大変授業が分かりやすく、しっかりしています。
マクロ経済学では、時たま、自分の関心分野のみひたすら教えるということがあるのですが、この授業では、最近のマクロ経済学の動向について、体系だって学ぶことができます。
また、彼はKey Noteを作っており、最低限、何を理解していればいいのか、キーとなる部分はどこか、というのをきちんと伝えてくれます。