皆さんの会社でも入社式が行われたでしょう。
私は現在東京勤務なので入社式には参加できませんでしたが、また新しい仲間が増え、身の引き締まる想いです。
そんな入社式や、社内の朝礼などでたびたび行われる「経営理念の唱和」。
※会社によっては、社是や社訓、企業理念など表現の仕方は異なるかもしれませんが、ここでは便宜上「経営理念」とします。
私の会社でも、毎週の朝礼で、メンバー全員が輪になって大きな声で唱和するのですが、ただ言葉を発しているといった感じで、どうも形骸化しているなと感じていました。
「経営理念の唱和」という行為は目的ではなく、あくまで理念を浸透させるための手段です。
経営理念をしっかりと浸透させ、かつその効果を十分に発揮させるためにはどうすればいいのか。
3つのステップを通して、「自らの判断軸」として捉えることの大切さを論じてみました。
駄文ではありますが、読んでいただけたら嬉しいです!
『形骸化する経営理念の唱和 討論、理解深め判断軸に』
今回掲載された記事の全文はコチラ!
【琉球新報_論壇/2015.04.03(金)】
『形骸化する経営理念の唱和 討論、理解深め判断軸に』
会社に新たな仲間が加わるこの時期、新入社員の最初の仕事と言っても過言ではないのが、「経営理念」を覚えることではないか。
どの会社でも、経営上の方針や信念、行動指針や心構えなど、経営者の思いが「経営理念」として短い文章に凝縮されている。仰々しい字体、難しい言葉で綴られた「それら」は、立派な額縁に入れられオフィスに掲げられたり、カードサイズにして携帯させるなど、浸透方法もさまざまであろう。
そして、毎日もしくは毎週の朝礼で、大きな声で「唱和」を行うのではないか。私の勤める会社でも朝礼で経営理念を唱和しているのだが、棒読みであることも多く、「込められた想いや信念をかみしめながら唱和している」といった感じではない。
慶應義塾大学大学院教授の高橋俊介氏は、経営理念の唱和についてこう述べている。
「マニュアルの読み合わせなど、言葉で理解し記憶するための効果としては期待できるが、経営理念などの抽象的なものは『文字面として覚える』で止まり、理解して腹落ちするまでには至らない。」
では、どうすれば経営理念を浸透させ、その効果を十分に発揮させることができるのだろうか。そのためには次の3つのステップを通して、「自らの判断軸」として捉えることが大切である。
1つ目は、「一言一句に込められた想いや考えを知る。」
言葉の意味や解釈をひも解き、言わんとすることの把握に努める。ここで大切なのが「行間まで読む」ということだ。
経営理念は短い文章でまとめられ、時には主語などが省略されていることもある。それも踏まえて読み込むことで、込められた想いや考えを知ることができる。
2つ目は、「個人やチームとしての『理想の理解』についてディスカッションをする。」
経営理念などは会社の創業時に合わせて制定されることも多く、中には数十年前から見直されずそのままといったこともある。
「こう理解できたら腹落ちする」といった視点で、従業員同士でディスカッションし、より現状に適した意味合いを生み出していく。
「経営理念そのものを変える」となるとハードルは高いが、既存のものを「理想の理解」として定義付けることは可能である。
3つ目は、「判断に迷ったときの『拠りどころ』となるかを確認する。」
経営理念が「拠りどころ=自らの判断軸」となれば、初めて「唱和する」という行為が意味を成すのではないか。