リバティキルティングコートのオーダーBlog

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Liberty yoshieのキルティング生地でパターンオーダーし、納品されたコートは布工作品・・・
2012年オンラインショップでの実際にあった信じられないオーダーの話、なんとか普通の洋服に戻るまでを掲載。

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オーダー先を決めたのは自己責任で、

縫製は個人の主観と言われればおしまいですが、作者に自覚がないまま

他人の洋服を仕立てると問題がある実店舗のあるオンラインショップが、

詐欺でもないのに、まさか存在すると思っていませんでした。


オンラインショップが手軽に運営できるようになり、作家さんが増えたのは

良いことなのに、性善説でオーダーしてはならない時代になったようなので、

今回の私の経験から気づいたことを、取り急ぎ記載します。


1.会社名や実店舗の有無では、判断できない。

 都内に実店舗のあるオンラインショップであれば、技術がともない出店していると

 判断したが、個人の資金力は計り知れないので判断材料にならない。

 個人アトリエだと思っていたら、後になり株式会社だと知った。

 商法改正後の会社名は、会社の資本金を表さないので要注意である。

 ならびに有名店から生地を調達していても、信用してはならない。


2.必ず、洋服の縫製を確認すること。

 ホームページ上で曲線・直線・ボタンホールの縫製が

 鮮明に写っていないサイトは、縫製に自信がないと判断してよいかもしれない。

 小物制作で縫い目が袋縫いになっていれば、購入しても確認できない。


3.ミシン機種の記載があること。

 オーダーに出して、作者が家庭用ミシンのみでコート制作とは思わなかった。

 ロックミシンもボタンホールも、家庭でできるレベル以上の物はなかった。

 (ボタンホールは特に、一度穴をあけられてしまうと修復が難しい。)


4.勇気をもってクレームを入れること。

 私が依頼した店舗はホームページに、縫製の良し悪しはクレーム対象外と

 表記があったが、私以外にも多少のクレームはあったのではないかと推測する。

 納品後、あまりにもの仕上がりに電話をすると、完璧な製品だったように

 作者は話し、仕立て直しの追加の材料費や縫製代のことを伝えてきた。

 日本は縫製技術が未熟な、発展途上ではない。


たった4点を書くのに、多少なりとも気持ちが落ち着くのに時間がかかりました。



 パターンオーダーでも、器物破損なんです。



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全体的なシルエットも、可能な範囲で直していただきました。

ポケットも手が入る大きさになりました。

(写真撮影が上手くなくて申し訳ないです・・・)

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自称素人さんから、ご提案いただいたカペルのバイアス。

リバティ好きな方の心遣い、本当にうれしく思います。

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襟も2枚仕立てで、こんなに綺麗に仕立て直しいただきました。

本当にお手数をかけ、お世話になりました。

重ね重ね、御礼申し上げます。

「がっかりされないことを祈ってます・・・すみません。」

「100%納得できる仕上がりにできず、大変申し訳ございません。」


しきりにお詫びをする、仕立て直しをかってでてくださった自称素人さん。


ほつれ止めも危うく、パーツごとに生地を分解してお渡しすることもできず、

身頃の分解まで作業していただくと、想像していた以上に不思議な点が多く、

縫製だけでなく、縫い代・パターンも一般的な洋裁の考え方にのっとってなく、

ただ呆れるばかりの状態でした。


生地からの仕立てではなく、仕立てがマイナスになる程の作業の後、

できる範囲で直していただいた素人さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱい。


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バイアスは内外ともにすべて、付け替え。

以前以上に細かい点も丁寧に仕上げていただいております。

自称素人さん、何一つ悪いことはないのに、私に詫びないでくださいね。

本当にありがとうございます。

先月にはリバティの生地3mを無駄にしたと呆然とし、

自称素人さんが声をかけてくださらなかったら、コートも布工作品のままでした。


見えないところも、さすがリバティ好きな方に仕立て直していただいただけあり、

手間をかけて素敵に仕上げていただきました。

重ね重ね、御礼申し上げます。


試着しただけでも違和感のあった襟。

パーツにしていただいた。


          上:オーダー納品パーツ

Libertyキルティングコートのオーダー


     下:修正パターンのパーツ


人体に直線部分があるのか。


私は洋裁を仕事としておらず、家庭科と自分の経験値のみだが、

素人目にも激しい違和感を感じる。

既製服で襟ぐりが直線の洋服など、存在しないのではないだろうか。


その上、柄の方向も逆さま。


さらに問題点を掲載。


①後ろ襟首に着いていたループ。

 ただ折り曲げたのみで、縫われていなかった。


Liberty yoshieのコート


Liberty yoshieのコート



            クリーニングに出したら、ほつれますね・・・


②首周りの見ごろ側の縫い代と襟の縫い代が、大きく異なる。



Liberty yoshieのコート


Liberty yoshieのコート


③肩線を見ると、肩がぱっくり開いてしまっている。
 見えないからいいと思っているのか?


Liberty yoshieのコート


全体的な問題点。


④縫い代がバラバラ。

⑤全ての本縫いが、縫い代を縫っていない。

⑥縫い合わせの幅もまちまちで、まっすぐ均等に縫えていない。


⑦ キルティングの切り口もグネグネ曲がっていて、修正の必要がある。



パターンオーダーとはいえ、仕立てた洋服をパーツに戻すことなど

本来必要ないはずで、一見しても問題点はあったが驚愕してしまう。



第三者の方のチェックを受けました。

ご連絡いただいた問題点をカラー太字で、ざっくり転載します。


①キルティング生地が途中で切れてしまっている



Liberty yoshieのコート


          私は、そこまでチェックできてませんでした。



②ポケットのパイピングに、ポケットの縫い線が出ている点

Liberty yoshieのコート



Liberty yoshieのコート

              デザインなのかもと思っていました。
 


③裏ポケットの形がおかしい
 ポケットに深さがなく、底がポケット口より2cmしか深くなっていないため、
 物を入れると、すぐ落ちてしまうような浅いつくり。


Liberty yoshieのコート

 明らかに、パターンの裏ポケットの製図ミス。



④襟のパイピングをほどいた後に、縫い目が3本も入っていて不自然。
 切り口もざくざくしており、最初からパターンで裁断したのではなく、
 襟を取り付けてからカーブラインを切ったようにも見える。。

Liberty yoshieのコート


Liberty yoshieのコート



⑤襟だけ2重仕立てで表襟と裏襟が同じ大きさな上、

 厚みもあるのにそのまま縫いつけているので、

 襟が折り曲げにくく、形も歪んで見える。


⑥表襟、裏襟で首周りを挟んで仕立てているはずなのに、

 なぜか袋縫いになっていて、 これも襟元がゴロつく理由


Liberty yoshieのコート


⑦ボタンホールは通常2重にミシンをかけるはずなのに、

 1重しか縫えていないからボロボロほつれている。

 縫い損じてもほどいていない箇所がある。

Liberty yoshieのコート






身頃に見返しのないシングルコートだが、

襟の部分だけが、表襟・裏襟のある仕立てだった。

襟が硬く浮いてしまい、上手く折ることができなかった。


Liberty yoshieのコート

ロックかけが弱く中綿がみえてしまっていたが、

最後の端かがりにロックミシンが使用してあり、

身頃の生地ごとの端布処理はされてなかった。


Liberty yoshieのコート


ボタンホールは最後に作られたようで、

ところどころバイアステープを縫いこんでしまっている。


Liberty yoshieのコート

バイアステープの端をほどいてみた。

Liberty yoshieのコート


キルティングのほつれ止めが1.2~1.5cm


Liberty yoshieのコート


メートライン幅が1.5cm×2


白糸の縫い目がキルティングのほつれ止めだと考えていたが、

少し開いてみると、バイアスの片側の縫い目が表にでていたことがわかった。


ほつれ止めとメートライン幅がほぼ同じで、縫製上成功しないのは当然である。

理解しがたい。

プロの方にパターンオーダーをお願いして、

仕上がりがこのような状態で出来上がってくるとは思いもしませんでした。


お直し屋さんにとりあえず相談に行くというアドバイスをいただいたので、

大型スーパーの中にあるお店で相談しました。

状況を納品書を持ってお話しすると

・フルオーダーコートと見ると、代金は¥47,000~になる。

・上記料金ではもったいない、製作者に縫い直し依頼をすべき。


チェーン店で一律価格が決まっており、簡単なキルティングコートなのに

お直し代金がもったいないですよ、というアドバイスをいただきました。


メールでいただいた回答は以下の通り。


>こちらも心を込めてお作りさせていただきましたお品でしたが
>残念な結果になってまい反省しております。

>縫製の件お詫び申し上げます。
>お直しについては出来かねますので
>お仕立て代金を返金させていただきたく思います。

>通常オーダー品はご返金はできませんが、

>縫製につて○○様が望んでいるようにはできないと正直自身がなくなりました。


心を込めてつくっていただいたのであれば、糸の始末はしてあると考えます。

縫製については工業製品ではないので多少のゆがみは当然ですが、

バイアステープがフチ飾りになっている状態は、あんまりです。

製作者様は市販品で、同様のキルティングコートが売ってあると思いますか。


困ったことは、生地が完売してしまってどこにもない点です。

友人がお遣いをしてくれて買った生地で、思い入れもありました。


本当に残念です。




裾部分、右身頃の裾。


Liberty yoshieのコート


右身頃~後身頃にかけて。

テープの端処理は、しっかりしていただきたかった。


Liberty yoshieのコート

後身頃、背中心のあたり。

Liberty yoshieのコート


左身頃。

左右とも裏面は縫い目が見え、つれているように感じる。



Liberty yoshieのコート