レイデル の「心のエラー」と「脳のトラップ」 -2ページ目

レイデル の「心のエラー」と「脳のトラップ」

人は、時に不可解な行動をします。
それは、”心のエラー” と ”脳のトラップ” が原因です。
これらを心理学と脳科学の視点から、幸せに生きるヒントとしてお伝えします。(各テーマは過去のfacebookページ掲載分より抜粋)
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/



 前に ”馴化(じゅんか)” についてお話しましたが、今回はその応用方法をご紹介します。まずは簡単なおさらいから。馴化とは、人にある刺激が入力され続けると、次第にその入力刺激に対する感覚が麻痺することです。例えば、ハッとするような美人でも3日もすれば見慣れて来ますし、タバコ臭い部屋の臭いも時間が経てば段々意識しなくなります。また、リゾート地での快適な暮らしも長期滞在すれば時間の経過とともにその幸福感は薄れ、失業によってレベルダウンを強いられた生活の惨めな思いさえもやはり日数を重ねるごとに薄れて行きます。これは、刺激に向ける意識の量を減らして情報処理の負荷を軽減するための現象で、命に別状の無い刺激に対する情報処理を省力化し、生命に危機につながる刺激への監視に注力化するための機能だと考えられます。

 そこで今回の応用方法ですが、楽しいことを長続きさせ、嫌なことは早く終わらせる方法についてお話します。馴化とは刺激への馴れですので、楽しいことや嫌なことも刺激を受け続けると馴れてその楽しさも不快さも麻痺します。だから、楽しいことはその感覚が麻痺するのを妨げ、嫌なことは早く馴れてしまえばいい訳です。例えばみなさん、インテリアをいくつか買い替えるとして、「一度に全部買って来て組み立ててIKEAのショールームのようにしたい!」という衝動に駆られるとは思いますが、それでは新しいものを手に入れた幸福感はすぐ薄れてしまいます。

 または、妻から蒸し暑い雨の休日に狭い風呂場の頑固なカビ掃除を申し付けられたとして、 テレビを見ながらグダグダと取り掛かるのを先延ばしにし、掃除も休み休みにタバコでも吸ってダラダラとやってしまいがちでしょうが、それでは嫌な気持を長い時間味わうことになります。

 楽しさを長続きさせ、嫌なことを早く終わらせるには、これとは逆に楽しいことは休み休みに、嫌なことは一気に片付けるのがいいのです! インテリアなら1つ買ってそれに飽きたら(馴れたら)次のものを買うと楽しさは長続きします。 また、嫌な掃除は一気に取り掛かると終わり間近にはそんなに嫌じゃなくなってます。 つまり、楽しいことは馴化する前に中断をさせ、嫌なことは中断させずに一気に馴化させるワケです。まあ、好きなことを全部一気にやってしまうのも、嫌なことをチビチビと嫌々やるのも好き好きですが、短い人生、もったいないです! ぜひ、この馴化の中断を思い出して使ってみてくださいネ!

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 80:20の法則というのをご存知でしょうか? 例えば、「売上げの80%は全顧客の20%が生み出している」とか、「商品の売上げの80%は全商品の中の20%が生み出している」とか、「売上げの80%は全従業員のうちのトップ20%によって生み出されている」など。これは、この法則を発見したイタリアの経済学者ヴィンフレッド・パレートにちなんでパレートの法則とも言われ、経済や自然現象,社会現象などを説明する際によく用いられる理論です。

 この法則、自然界ではこんなことが知られています。例えば、ミツバチやアリの集団。どちらも別名、「働きバチ」や「働きアリ」と呼ばれますが、よーく観察してみるとその2割程度は働き者どころか実は ”怠けて” いるのです。ハチやアリの世界にも人間と同じように怠け者や ”出来ない子” がいるのかと思ったら、実はそうではないらしい。この8割の働き者と2割の怠け者を分けてそれぞれで別に集団を作ると、怠け者だけの集団ではその8割は働き者に ”変身” し、2割は怠け者のままと再び80:20に分かれるのです。働き者だけの集団では反対に8割は働き者のままですが、2割が怠け者に変身してしまうのです。

 どうやら、自然界の生き物においては、2割が怠け者でいなければならない理由があるらしいのです。ハチもアリも生き物ですから働き詰めだと疲れます。疲れると休息が必要ですが、皆が一斉に休憩することはその集団の全滅を意味するといいます。四六時中、その活動を止めてはならないのです。そこで、交代要員として、”非番” の2割が必要らしいのです。また、自然界は常に予測不可能な事態に置かれています。何かイレギュラーなことが起こった時、全員が集団維持の活動で手一杯であれば即応できずにやはり集団の全滅を招き兼ねません。そこで、イレギュラーな事態に対応する ”別働隊” が必要なのです。人間の世界とは事情が少し違うようですね(笑)。

 ただ、人間の世界では、別の理由で80:20の法則が働くのではないかと考えられています。それは、心理学で言う「社会的手抜き」です。社会的手抜きとは、何かの作業を行う場合、一人で行う場合より集団で行う方が一人当たりの作業効率が低いというものです。簡単に言えば、例えば綱引きを一人で行う場合より10人で行った場合の方が、一人当たりのがんばり(つまり引っ張る力)が弱くなるというもの。自分が少しくらい手を抜いても他に9人もいるのだから大丈夫だろうとか、10人一緒だと自分のがんばりがアピールできないなどと考えるからだと言われています。だから、仕事などにおいて集団でパフォーマンスを上げようと考えるなら、個人の成果が目に見え、さらにそれをきちんと評価する ”しくみ” が重要となります。これは強いチームを作る基本でもあるのです。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 最近、LINE によるイジメが深刻化しています。LINEイジメの原因を考える時、言葉を活字にした時の心理効果や現代っ子の歪んだ承認欲求が原因などと様々に言われますが、その発端となるのが、多くの場合、 ”既読スルー” や ”未読放置” と呼ばれるメッセージへの返信のタイミングに関するものと、書き込む内容に関するものの2つに大別されるようです。この2つは、一見すると別の問題のように思えますが、心理学的観点から見ると根底にあるのは1つの同じ認知バイアスだと考えられます。

 それは、「フォールスコンセンサス」と呼ばれるもので、以下のように定義されています。「自分と他者との間に共有されている合意性(コンセンサス)を過渡に見積もる認知的バイアス」。人々は通常、ある状況下における自分の判断や行動は一般的で普通なものであり適切であると考えており、他の人も同じように考え行動するはずだと考えています。そして、それから外れた判断や行動をする他者を見掛けると、その人は異常だとか欠陥があるとか変わり者であると考えます。私たちは、普通に暮らしている分には自分の考えや行動が皆と同じであることはごく当たり前であると思っていて、まず疑いを持つ事はありません。ほとんどの人がそのことに気付いてすらいないのですが、これは多くの人が陥っている認知バイアスです。

 このバイアスの結果、送ったメッセージが既読にも関わらず1時間以上も返信がないのは ”おかしい” とか、スマホは常に持ち歩くものなのに半日以上もメッセージが未読のままなのは ”異常” であるとか、みんなも同じ意見であるはずのこのコメントに賛同しないのは ”仲間ではない” と、相手の事情や環境などを無視して判断するのでしょう。「異常」「仲間ではない」と判断されると、後は徐々に無視やLINE外し,仲間外れなどが起こり、場合によっては攻撃され、イジメに発展して行きます。

 しかし冷静に考えると、人はみな思った以上に感じ方や考え方は違う上、目に見えない事情も異なり、また、行動も様々です。だって、人の多い観光地や繁華街に出掛けると、同じ日本人なのに本当に色んな人たちを見掛けます。少し観察してみると、何であんなことするんだろうとか、どうしてこんなことが出来ないんだろうと思える人をこれでもかと言うほどマンウォッチングできます(笑)。だから、メッセージの返信までの5分を遅いと感じる人がいれば、30分でも速いと感じる人もいますし、コメントの内容によっては返信しなかったり、コメントへの感じ方も違います。だから、LINEは、仲間で変な暗黙のルールの縛り合いをする道具ではなく、人はこんなにも違うんだと他者を知るための道具として使いたいものです。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 あるTVニュースの特集で、神戸市の迷惑駐輪対策の社会実験が取り上げられ反響を呼んでいました。それは “人の目” の写真を貼った看板を駐輪禁止エリアに設置することで迷惑駐輪の削減を図ると言うもの。”目力看板” と名付けられたこの看板の効果は絶大なようで、迷惑駐輪の数が最小でも6割程度から最大9割以上も減ったそうです。これは、兵庫県警科捜研の協力のもと、心理学を駆使したものとのこと。

 これは心理学で言う ”スポットライト効果” を応用したもので、たとえこの看板に気付かなかったとしても、周辺視野にこの「監視の目」が映る事で、不道徳な行為を踏み止まらせようというもの。もちろんこの目に気付いた人は、迷惑駐輪をためらってやめたか、たとえそのまま駐輪したとしても後味が悪かったに違いありません。スポットライト効果とは、注視しているものの周辺にあるもの(周辺視野)は意識には残りにくいが、潜在意識にはしっかり残って心理的な作用を及ぼすと言うものです。そこへ駐輪しようとする人に ”迷惑駐輪” だとの意識があれば、何か監視されているような違和感を心の奥に抱かせて止めさせようとするのです。

 このスポットライト効果は、英ニューキャッスル大学 心理学者メリッサ・ベイトソンの研究によっても確かめられています。それはある企業のオフィスに設置されたドリンクコーナーで行ったもの。そこは無人のドリンクコーナーで、従業員がコーヒーや紅茶を飲む時は値段表に書かれた金額をビンに入れるルールになっています。ただし、ズルしてタダ飲みしてもペナルティはありません。メリッサはまず、消費された飲料数と支払われた金額を調べました。すると計算が合わないのです。つまり、少ないながらもタダ飲みしている人がいたのです。そこで、ドリンクコーナーの壁に貼ってある値段表を、値段だけがプリントされたものから値段の上部に写真をプリントしたものに変えました。写真は2種類有り、1つは「こちらを見つめる目」、もう1つは「花」。これを日替わりに交互に入れ替えて貼り出しました。するとどうでしょう。目の写真の方が2.5倍も支払率が高かったのです。そして、後のこの実験結果を従業員に知らせたところ、目の写真の存在に気付いていた人は1人もいなかったのです。他人(ひと)の目の効果は、やはり絶大なのですね。

 ちなみに、この人の目を気にさせるスポットライト効果は、道徳心が無い人には効果がないと思われます。人が見ているからやめようという心理を狙うものなので、誰が見ていようと関係ないとばかりに平気で不道徳を行う人には通用しないのです。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 やっと快適に眠れる季節になりましたが、みなさん、ちゃんと眠れていますか? 寝不足状態が過ぎると思わぬ ”心の落とし穴” に落ちてしまいますよ。その落とし穴とは、相手のウソや間違った情報に騙されたり、筋の通っていない説得に安易に従ってしまうと言うもの。私たちは通常、正常な精神状態にある時は相手からの情報や説得に対し、正しいかどうか、従っていいものかどうかを思考力をもって判断します。ところが睡眠不足の状態では思考力が落ちるため、相手の言った事が胡散臭いと感じたりそれを拒否するための認知能力と意思力がうまく働きません。その結果、相手の情報をその ”真偽に関わらず” 鵜呑みにしてしまうのです。

 また、極度の寝不足状態では、相手の言いなりになってしまうことも知られています。これが問題になったのが、警察の過去の理不尽な取り調べによる免罪です。全くの無実にも関わらず犯行を ”自白” してしまう事件が今も後を絶ちません。裁判で有罪が確定して服役した後に免罪が証明されて大きな問題になった事件は1つや2つではないですよね。裁判で有罪判決が出るのにも理由があります。それは、犯人か捜査関係者しか知り得ない秘密の暴露があったからなのですが、これは捜査関係者が供述書を作成するにあたり供述誘導が行われたからだと考えられます。長時間に渡る取り調べで「睡眠不足状態」にされて厳しく追い込まれ、その上で ”供述誘導” によってウソの自供へ導かれたのです。現在ではこのような無理な取り調べは行われていないと信じたいところですが、この案件はまだしばらく続きそうですね。

 また、意思決定を妨げる要素として、気を散らされる環境下でも同様に思考力が落ちることが知られています。例えば、交渉や商談などの場面でしょっちゅう電話に出なければならない状況にあったり、時間制限を設けられた中で複数の重要案件の決定を行わなければならないような場合、安易な意思決定をしてしまう可能性があります。タフな交渉相手であれば、意図的にあなたが交渉や商談に集中できない状況を作って話を自分に有利に進めようとするかも知れません。あなたが交渉担当なら、判断力と意思力が必要な場面に備えて環境を整える事が交渉前に必要です。そして睡眠不足に気を付けなけばならない事も言うまでもありません。単純な事ですが、これは結構重要なのです。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci



 物事には長所もあれば短所もあります。それは客観的に見た長所短所もあれば主観的なものもありますが、何の長所もなければ何の短所もないものはほぼ存在しないと言っていいでしょう。しかしながら、面接などで自己PRする時、販売や営業の現場で商品説明をする時、自社商品の広告を考える時、長所はいくつでも並べ立てたくなりますが、短所はとなるとなるべく触れたくないのが人情ではないでしょうか。短所に触れることなくどれだけ多く長所を言えるかが重要だと考えるでしょう。

 ところが、この長所短所を ”説明される側” から見ると、どうやらそうではないらしいのです。だって世の中、「長所しかないものなんてあるの?」って、あなたも思いますよね。その証拠に、通販サイトのレビューでは良かった感想以上に不都合なポイントに目が行くのではないでしょうか。その不都合なポイントが自分の価値基準以内なら ”購入” のタブをポチッと押すのです。でも、もしメーカーがその不都合を隠していて購入した後にそれが発覚したらどんなメジャーな会社でもその時点でアウトですよね。だから、短所についてもきちんと説明する必要があるのです。ただし、相手に聞かれて渋々答えるのではなく ”自発的に” が鍵なのです。なぜなら、短所を自ら告白する事で、相手から誠実であるとの好感を得られるからです。

 これをうまく活用した有名な例があります。それは、フォルクスワーゲンのビートル。今でこそアメリカでも人気の車ですが、発売当初のアメリカはスタイリッシュな大型車が主流で苦戦していました。ビートルは小さい上にお世辞にもスタイリッシュとは言えなかったからです。そこで、広告ではそのスタイルのデメリットをあえて自ら「不格好です」と宣言して誠実さをアピールし、そのサイズから燃費の良さや価格の低さを示す事で好感を得て成功しました。

 ところが、ただ単に短所を告白するだけでは逆効果な場合もあります。だって、短所があるのに「何の改善もしてないままです」って言っているように聞こえますから。短所があるのには大体理由があります。大方は、そのお陰で長所が生まれている場合が多いと思います。そこで、短所の告白と同時に「そのためにこの長所があるのです!」と ”セットで” 説明するのです。例えば、値段。同じような他社の製品より値段が高い場合、それを自ら「値段高め」と宣言し、それとセットで高品質やステータス,プレミア性など価格が高い理由をちゃんと説明できれば逆に売れる可能性が高いのです。このセオリーで売れた豆腐やもやし,ビール,自動車など、成功例は少なくありません。ただし、これらは小さな短所には効果的ですが、大きな短所にはあまり効果はないのでご注意を。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 あなたは、相手に何かの行動を起こしてもらいたい場合どうしていますか? 余程の内容ではない限り依頼したことの大半は快諾してもらえると思いますが、少し難しい内容の場合は返事はしても実行してくれるかどうかは分かりませんよね。返事ばかりいい人もいますから(笑)。そこで、ちゃんと実行してもらえるよう約束を取り付けるのですが、でもそれを強要すると嫌がられます。そこで今回は、相手に何かの依頼をしてその実行率を高める方法についてお話します。

 人は誰かから約束や宣言をさせられて動くよりも、自分で行動を約束,宣言して実行に移す方が圧倒的にストレスが少ないもの。この「行動を約束,宣言すること」を「コミットメント」と言いますが、他者から強要されたコミットメントが強制的コミットメント、自分から行うものが自発的コミットメントです。もちろん、自発的コミットメントがその実行率でダントツなのですが、強制ではなくても軽く促してコミットしてくれれば、やはりコミットメントなしの場合よりは確実にその実行率は高まります。

 また、コミットメントの仕方が積極的か消極的かによっても変わります。積極的コミットメントは、何かの行動をもってコミットする事で、消極的コミットメントは、何もしない事でコミットする事をいいます。簡単な例として、ウェブサイトで何かの申込を行う際、希望するサービスに「チェックマーク」を入れるのは積極的コミットメント、希望しないサービスには何の入力もしないのが消極的コミットメントです。この2つのコミットメントを比較すると、積極的コミットメントの方が確実に実行率が高まります。なぜなら、人は自分が行わなかった事よりも ”行った事” に影響される傾向があるからです。これは学生を使った実験でも確かめられており、学生にあるボランティアへの参加の意思表示を署名してもらうことでコミットさせたグループと、参加の場合は無記入つまり何もしないことでコミットさせたグループで比較した結果、署名したグループのボランティアへの参加率(実行率)が無記入のグループの3倍近かったのです。これをサインアップ効果といいます。

 そこでサインアップ効果の一例。例えば見込客に何かの契約や申し込みを促して行動を起こしてもらいたい場合、名前を覚える為とか何とか言って、申込書にとりあえず名前だけ書いてもらいます。それから契約または申し込みをするかどうかを考えてもらうのです。ぼくも会社員時代に(その時はこの効果の事は知らずに)よく使っていてかなりの率で契約をいただいていました。試してみる価値はありますよ。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 協同とは、ある辞書では「ともに心と力を合わせ、助け合って仕事をする事」とあります。心理学では連帯感や団結力の醸成として様々な用途に用いますが、今回は相手と共通の ”敵” を作る事で、相手をこちらの思う通りに誘導する使い方についてお話します。

 相手の敵が同じく自分の敵でもある時、たとえ相手と対立する関係であっても協力して同じ敵と戦うことが得策となります。この時の協同は、通常の協同と違って少し特殊です。この特殊な手法を業務に取り入れて日常的に使っている組織があります。それは警察です。TVドラマで、強引な刑事と温和な刑事のコンビネーションによる取り調べのシーンを見た事があると思います。取り調べを受ける被疑者としては、強引な取り調べをする刑事は今一番の敵でしょう。そこへ、対応が柔らかい刑事が現れると少しはホッとします。そして、その温和な刑事がこんな事を言ったら被疑者はどう思うでしょうか。「あのオッサン刑事、頭に来るだろ? いつもああいう強引な取り調べをするからオレも嫌いなんだよ。かと言って上司だから文句言えないしな。なあ、アイツがこれ以上調子に乗る前にオレに本当の事しゃべってしまわないか? 悪いようにはしないから…」みたいな感じで。

 みなさんお気付きの通り、そうやって自供に持って行くのです。四面楚歌な警察署の中で、強引な取り調べをする手強い ”敵” の刑事に対し、その敵を同じように良く思っていない若い刑事を ”仲間” だと感じさせる事で、その仲間には自白しておこうかと思わせるのです。これは上司である年配の刑事がワザと強引に取り調べを進め、若い刑事が優しく語り掛けた上で上司の刑事に批判的である態度を見せて被疑者を取り込もうとする単なる作戦です。すぐに分かりそうなものですが、実際にその環境に置かれたら ”地獄の仏” にすがりつきたくなるのです。

 これは、分かりいやすいように極端な例を挙げましたが、この協同は実はプライベートやビジネスなどで日常的に使われています。たとえば家庭では子供に言う事を聞かせるために父親がキツい事を言う役、母親が温和な役(またはその逆も)を演じ、父親が叱った後に母親が「あんな言い方してるけお父さんはあなたが心配なのよ。でも怒らせるといちいち面倒でしょ? だから次からもう少し早く帰っておいでよ。」とか。ビジネスでは、交渉相手に一歩も譲らず強気で迫る上司が席を立った隙に、担当の部下が上司の交渉の仕方に批判的な態度を臭わせながら、「今日この条件でOKをいただけるなら次からお目付役の課長抜きで商談を進めることができます。私も御社と同じく早くこの商談をまとめることができればと考えております。いかがでしょうか?」とか。みなさんも、悪用ではなく物事を円滑に進める手段としてお試しください。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


 あなたは、特に理由もなく初対面の人に苦手意識を感じた事はありませんか? または、写真を見ただけで、直感的にその人に好感を持ったり嫌な感じを持った事はありませんか? このはっきりと自覚できない好感や嫌悪感の正体は、その多くが過去の記憶による ”感情の関連付け” から来るものと考えられます。過去にその人と似た人によって嫌な思いや楽しい思いをもたらされた記憶がその人への感情と関連付けられたため、その人と似た人を見ると過去のその人への感情に紐付けされるのです。だから、たまに自覚できるときもありますよね。「ああ、この人の話し方はあいつのに良く似ている。なんか苦手だ…」ってね。

 ところが、実はこれと同じ事が日常の何気ない場面で起こっているのです。例えばこんなことありませんか。あまり面倒見が良い人ではないけれど、常に元気でポジティブな言葉を使い、前向きな印象を周りに与えていて、その人を見ると元気,前向き,心地よいなどの良い感情が生まれる。これは、その人の印象がもたらす感情がその人と関連付けられて、その人イコール快適感につながるのです。つまり、その人イコール元気,前向き,心地よいとなる訳です。ところが反対に、面倒見が良い人にもかかわらず、常に愚痴ばかりでネガティブな言葉を使い、後ろ向きな印象を周りに与えていたら、その人イコールネガティブ,後ろ向きとなり、不愉快な感情と結びつけられてしまいます。

 また、同じ事を言っていても、ものの言い方次第で同じく快適な人、不快な人と見なされる事もあります。たとえば不快な人が「あの時コンペで”負けた”から”非難”された」と言うところ、快適な人は「あの時コンペで”勝て”なかったから”褒めて”もらえなかった」と言います。内容はまったく同じ事を言っていますが、不快な人はネガティブな単語を使い、快適な人はポジティブな単語を使っています。これは、本人や周りの人もほとんど気付いていないのですが、潜在意識がポジティブワードとネガティブワードを聞き分けていますので、はっきりと意識することなくポジティブワードを使う人に好感を持ち、ネガティブワードを使う人に嫌悪感を持つのです。

 あなたも常に良い情報を持ってきてくれる人、快適な人、好感を持てる人になれるよう、普段自分の使っている言葉をチェックしてみては。単語の使い分けだけで素敵な人になれるのなら、こんないい事はないとは思いませんか。

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci


「赤ちゃんにモーツァルトを聞かせて育てると知能が向上する」と、テレビのバラエティ番組などで ”モーツァルト効果” が紹介されて一時話題になりました。その結果、モーツァルトのCDの売上げが急に上がったそうです。また、その話題の影響なのか、植物に聞かせると発育が早まるとか、酵母の発酵時に聞かせると日本酒がまろやかになるなど、多数のモーツァルト効果が報告されています。でも、これらのモーツァルト効果には何か根拠はあるのでしょうか。結論から言えば、一部は根拠があります。知能の向上説に関しては、ある実験の論文が関係しているようです。

 それは、1993年に米カリフォルニア大学のラウシャー氏らがネイチャー誌に発表したもので、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタニ長調 K.488」を学生に聞かせたところ、他の音楽を聞かせたり何も聞かせなかった学生よりも空間認識テストで高い成績を残したと言うものです。これをマスコミが「モーツァルト効果」と名付け、新聞などで広く報道したことから、今のように知られるようになったのです。ただ、後にモーツァルト効果は、モーツァルト以外の楽曲でも生じることが証明されたり、ラウシャー氏らの実験が再現できないことなどから、今ではモーツァルト効果の知能向上説は否定の方向にあります。ただ、後にラウシャーらはラットに「ソナタK.488」を聞かせたところ、迷路を抜け出す時間が早まったことを発見したため今でも研究者間の論争は続いているようです。

 ちなみに、空間認識力は、絵を描いたり書道をしたりなど右脳を刺激するとその能力が高まることが知られています。「ソナタK.488」は軽快なピアノの連弾曲で、音楽の右脳への刺激とそれを聴いた時のリラックス効果が実験で効果を表したのかも知れません。

ところで余談ですが、植物の生育や酵母の発酵においては、モーツァルトを含むクラシック全般で効果があると言われているようです。植物も酵母も呼吸をしており、その呼吸にはリズムがあるとされており、クラシック曲のリズムや旋律の波動が好影響を与えているのではと考えられます。ちなみにロックを聴かせた場合は、悪影響が見られたそうです。きっと呼吸のリズムと曲調が合わなかったのですね(笑)

ーーーーーーーーー《 シェア自由 》ーーーーーーーーーー
公式ホームページ http://www.leider-ci.com/
公式facebookページ https://www.facebook.com/leider.ci