前に ”馴化(じゅんか)” についてお話しましたが、今回はその応用方法をご紹介します。まずは簡単なおさらいから。馴化とは、人にある刺激が入力され続けると、次第にその入力刺激に対する感覚が麻痺することです。例えば、ハッとするような美人でも3日もすれば見慣れて来ますし、タバコ臭い部屋の臭いも時間が経てば段々意識しなくなります。また、リゾート地での快適な暮らしも長期滞在すれば時間の経過とともにその幸福感は薄れ、失業によってレベルダウンを強いられた生活の惨めな思いさえもやはり日数を重ねるごとに薄れて行きます。これは、刺激に向ける意識の量を減らして情報処理の負荷を軽減するための現象で、命に別状の無い刺激に対する情報処理を省力化し、生命に危機につながる刺激への監視に注力化するための機能だと考えられます。
そこで今回の応用方法ですが、楽しいことを長続きさせ、嫌なことは早く終わらせる方法についてお話します。馴化とは刺激への馴れですので、楽しいことや嫌なことも刺激を受け続けると馴れてその楽しさも不快さも麻痺します。だから、楽しいことはその感覚が麻痺するのを妨げ、嫌なことは早く馴れてしまえばいい訳です。例えばみなさん、インテリアをいくつか買い替えるとして、「一度に全部買って来て組み立ててIKEAのショールームのようにしたい!」という衝動に駆られるとは思いますが、それでは新しいものを手に入れた幸福感はすぐ薄れてしまいます。
または、妻から蒸し暑い雨の休日に狭い風呂場の頑固なカビ掃除を申し付けられたとして、 テレビを見ながらグダグダと取り掛かるのを先延ばしにし、掃除も休み休みにタバコでも吸ってダラダラとやってしまいがちでしょうが、それでは嫌な気持を長い時間味わうことになります。
楽しさを長続きさせ、嫌なことを早く終わらせるには、これとは逆に楽しいことは休み休みに、嫌なことは一気に片付けるのがいいのです! インテリアなら1つ買ってそれに飽きたら(馴れたら)次のものを買うと楽しさは長続きします。 また、嫌な掃除は一気に取り掛かると終わり間近にはそんなに嫌じゃなくなってます。 つまり、楽しいことは馴化する前に中断をさせ、嫌なことは中断させずに一気に馴化させるワケです。まあ、好きなことを全部一気にやってしまうのも、嫌なことをチビチビと嫌々やるのも好き好きですが、短い人生、もったいないです! ぜひ、この馴化の中断を思い出して使ってみてくださいネ!
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