駅までの暗い道を  キミと一緒に歩いた


とても長い時間をかけて

抵抗するような言葉を  少しずつ口にしながら






それでもアタマの中では

すでに手遅れだと  冷静な自分が言っていた


ムダなコトだと分かっていながら  ボクはしゃべり続けた









電車の中で一人になってから

暖かい車内と明る蛍光灯の光に  なじまない自分を 必死になじませながら

何もかもウソだったような思いで  息をついた




ココロのどこかで  新しい生活が始まれば

キミのコトなんて

あっという間に忘れてしまうだろうからと  タカを括っていたのだ




けれど実際は

未だ  あの頃の夢に捕まってまま途方に暮れている   











ボクは 間もなくキミの手から  そっと離れて

もうじき電車がくることを告げる信号機が鳴っている方を見る


赤いランプが  暗闇の中で点滅している





僕を   記憶のオリから  解き放して

アナタの世界へ  入れて下さいませんか??






僕の ちっぽけな時間なら


きっと    そのまま  星の流れに吸い込まれて

少しくらいの  ほころびなんか    消してもらえるはずだから








そんないい訳を  考えては呑みこみながら
目線を  あわせたその瞬間     突然  世界に色がいついたので



ビックリして  ホンノ少し嬉しくて    泣きそうになった
想い出だけの存在には   決して  なりたくない

そう決意して  キミに会いに行った




でも    現実は ちがった

ボクは   キミの想い出にもなれない
急に頼りなく  心もとない気持ちになってしまう



快楽と 幸福のお化けが   大きくうねる不安の波になって

何度も何度も   ボクを 呑みこもうとする









2人の間の     隙間という隙間を  埋めつくしたい








乱暴にでも  優しくでも   おスキなように召しあがれ
好きを言いたくて  仕方なくて

だけど言えなくて


だから妄想するキミのいる場所に意識をとばす 眠りにつく




そんなヒトリ遊びにも  少し飽きてきたかもしれませぬ






早く  触れる場所へ・・・・・