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飼育魚の紹介-Betta patoti

本来は飼育している魚の重要度に順番なんかあっちゃいけないんですが…

一応、いまうちでメインと言える飼育生物です。

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Betta patoti(パリックパパン産、幼魚)
この子たちは野生個体からのF1(一代目のガキ子供)です。

インドネシアに生息する、大型のマウスブルーディング(口内保育)タイプのベタです。
(このブログの一番最初の記事の魚もB. patotiですが、若干色が違うタイプの産地違いです。)

このような顔つきをしたベタは、Betta属の中でも
「ユニマクラータグループ」というグループに入ります。
(お暇な方は→Betta属の系統進化と口内保育:系統樹が載ってます、PDFをLet's download!)

ユニマクラータグループのベタはほとんどが10-15cmくらいになる、ベタの中では「大型種」です。
こいつも例に漏れず12, 3cmくらいにはなるようですne
(海外サイトで「~20cm」という表記もありますが…!)

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とりあえず、今はまだ大きいものでも全長6cmくらいのおちびさんです。
大きくなると全身がうっすらと青くなるようですが、
今はまだようやく照明の加減でちょっと色が出てきたように見えるかな!?程度です。

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さて、こんな可愛らしい彼らですが…
ハッキリ言って「荒い」です。

ベリカの記事でベリカも「荒い」と書きましたが、
ベリカが弱い個体を日常的に陰険に突っつき回すタイプなのに対して
コイツは仲が良さそうに見えても突然、同士討ちをやらかします。
しかもやるときは、それはもう徹底的に…
成魚になって縄張りを持ち出したら、ペアか単独での飼育が基本です。

この魚、F1を購入していることからも分かるように、そんなに繁殖が難しい魚ではありません。
ただし成魚になっても外見からは雌雄が分かりにくく、
集団で飼っている中からペアを見つけ出して繁殖させるしかありません。

・・・そう、さっき複数飼育はダメと書いたばかりなんですけどね(困)

これだけ難が揃ってしまえば、かなりマニアックな魚になってしまうのは仕方ありません。
実際、導入&繁殖はしてみたものの
子供同士のケンカがあまりに凄惨なので手放しちゃった…という話も聞き及びます。
なんとかうちのブログで魅力を伝えられれば、と思うのですが…(微力)

うちでは60cm水槽に6匹いますが、まだ実際にそんなに大したケンカはやらかしてません。
大きさも揃っていて、お互いに牽制し合っているのかもしれません。

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どれか一匹が大きくなり、ブルーの婚姻色を身にまとう時 今の水槽の平和は確実に崩壊します。

あぁ、楽しみなような怖いような…


*余談ですが、この産地のpatotiはNaturaさんに過去に少数入荷したのみで
子供を採って系統維持していこうにも、新しい親魚が手に入りません。
同胎後輩もある程度仕方ないですが、もし他に維持してらっしゃる方がいれば
お互いに生まれた魚を交換して血統を導入できたりしたらな…と思います。
お心当たりの方、もしいらっしゃれば是非…

葉もの2-Bucephalandra sp.-

前回に引き続き植物での更新です。
(前回と同じく、興味を持たれた方はもっと良いページでご勉強を☆)

数年前に登場して以来、今ではかなりファンも多いのではないでしょうか?
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Bucephalandra sp.

ブセファランドラ
よくご存知の方には説明するまでもないですが、サトイモ科の植物です。
東南アジアを中心に分布しています。

水草で一番感じの近いものを挙げるとアヌビアスでしょうか。
茎や葉はしっかりしていて硬く、根で木や岩にからみついて成長します。
もちろん底床中に植えることもできます。

イモの仲間の例に漏れず、昨今ブセファランドラもコレクターアイテムとなっていて
異なるタイプはもちろんのこと、産地違いというだけで集めている方も結構います。
成長は遅いですが、何せクリプトみたいに溶けません。
水槽に沈めておけば、相当条件が厳しくてもじわりじわりと成長します。
この点でもアヌビアスの仲間によく似ています。

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これはクダガン産のものです。

しかしなんと言っても魅力的なのはその草姿です。
さらに、種によっては葉の表面にラメとも何ともつかない光沢がかかります(上)。
(しつこいですが、これらの美しい画像をちゃんと見たい方はググって下さい)

一方、まだまだ高価ですがこの草を使ってレイアウトを組んでる方も少数ですがいます。
何しろ、アヌビアス・ミクロソリウム・ボルビティスで占められていた「活着系」に
かなりの種数を有するグループが新たに加わったのですから。

商業的な大量栽培には賛否ありますが、
僕としてはこんな美しい草が一日も速く気軽にレイアウトに使えるようになることを願ってやみません。
(ちょっと高すぎでしょう、現状では…)


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葉もの-Microsorium sp. KIAT-

初の試みとして、うちで維持(育成?)している水草を紹介します。

…と言いたい所ですが…
この道では「テク」も「熱」も、そして「財」もうんとかけて頑張ってらっしゃる方が山ほどいます。
この記事をご覧になられて興味を持った…という方がいらっしゃれば、
「ググってみる事を強くオススメします」(丸投げ!)

と いうことを踏まえまして、それでは。

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Microsorium sp. KIAT

少し前から出回っているミクロソリウムのバリエーションです。
水中葉は半透明の、少し縁がギザギザした葉が出ます。

この、当たり前の用に使われている「学名の後に産地(ファーム)名をつける」という表記
実は分類学をかじった立場から見るとかなり変なんですが、
(一般的に、学名の後に大文字で表記が来たらそれは記載者名)
面倒ですし、アクア業界の習わしですので今回はスルーしましょ☆


入手する以前から「ミクロソリウムとボルビティスの交雑種」
というまことしやかな噂?を耳にしていましたが、
「属が違うんだしぃ…どうせ中間的な見かけで決めつけたんでしょ…」くらいに思っていました。

でも、あるみたいですねぇ。シダの「属間雑種」
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/810/1/2005PS-16.pdf
この研究では、ミツデヘラシダ(Microsorium pteropus)と、
オオイワヒトデの仲間Colysisとの交雑(の可能性)を扱っています。

さらに、このMicrosorium sp. KIAT、葉の形があまり一定しません。
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大株になってからもいろんな形状の葉が出てくる…というのは
(たしか)植物の雑種の一つの特徴(だったはず)です。

まだ水中育成して日が浅いので、今後どんな葉を展開するのか(*はたまた水中で本当に大丈夫か)
楽しみな(*そして心配な)植物であることは間違いありません。

飼育魚の紹介-Betta bellica

本日やっとベリカの撮影ができたので、早速記事を上げます。
前回の記事からだいぶ引っ張ってしまったので、
今回はこれでもか!というほど画像のっけます(笑)
…誰かUP待ってる人なんているのだろうか(否)

前置きが長くなるといけません。
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ベタ・ベリカ Betta bellica

マレー半島からスマトラ島にかけて分布する、
体長10cmを超える大型のバブルネスト・タイプのベタです。

Betta属の魚は卵を保育する様式によって、
バブルネスト(泡で巣を作る)とマウスブルーディング(口内で卵を孵す)に
大別することができます。
10cmを越えるような大型ベタはほとんどマウスブルーディングですが、
このベリカと近縁種シモルムsimorumは例外で、大型のバブルネスト系ベタです。

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何と言っても目を引くのは、体側の鮮やかなグリーンです。
鰭に鮮やかな色が乗るワイルドベタは多いですが、
(野生個体で)これほど体側にメタリックが乗るベタは多分いません。

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メスもそれなりに綺麗です。

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メスがやたらでかく見えますが、遠近法です。

体つきはベタの中でもスレンダーな方で、成熟したオスは鰭がけっこう伸張します。
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でも困ったことがひとつ。
現在オス1メス3で飼育しているのですが、オスが半端じゃない暴れん坊です。
一匹に攻撃が集中しないようメスを多くしていますが、3匹とももう鰭がぼろぼろです。
聞いた話では、bellicaというのは「好戦的な」という意味のラテン語に由来するそうです。

争いを避けるひとつの方法は、「たくさん飼う」ことです。
いま飼っている個体も、ペットショップにいたときは10匹以上同じ水槽でしたが、
どの個体も鰭にわずかな欠けすらありませんでした。
周りにあまり他個体がたくさんいると、縄張りを作るのがしんどいのでしょう。
でも、この状態ではただの茶色いだけの魚です。
落ち着いて、本来の縄張りを持って初めて鮮やかな体色を見せてくれます。

落ち着いた成魚のオスは、普段から体側にグリーンにが乗っていますが
興奮するとさらに体が暗色に変わり、鰭に鱗粉をまぶしたような光沢が出ます。
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この状態で黒っぽい背景にいると、緑が浮き立ってとても綺麗です。
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このベリカ、熱帯魚としてはマイナーなワイルドベタの中でも
さらにあまり人気がありません。
先述したあまりにも戦闘的な性格もあるのでしょうが、
一番の原因はやはり、ペットショップにいる時点では冴えない魚だからでしょう。
ベタに限らず、飼い込むことですばらしい発色を見せる魚というのはたくさんます。

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うちでは現在、60cm水槽にスポンジフィルターを2基稼働させ、
水草は植えないでスプライトを水面に浮かべて飼っています。
田芋畑散策で採ってきたスプライトです。)

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このセッティングは、食べる量が多くやや水を汚しやすいベタ全般に便利です。
水がかなり茶色く写ってますが、マジックリーフなんかで色付けしたわけではなく
流木から出たアクです(笑)
ものの本には「弱酸性の超軟水で…」なんて書いてありますが、
アルカリ性に傾かなければ、そして急変を避ければ
あまり水質をいじる必要はないと思います。



余談ですが、僕は水槽の撮影をコンデジで行っています。
(Pentax OptioWPi)
接写に強くなかなか使い勝手の良いカメラですが、
水槽の蛍光灯程度の明るさではとても自動でピントを合わせられません。
というかベタは臆病な種類はカメラをかまえると隠れてしまい、
そうでない種類は餌をくれると思って暴れ回ります。

ベリカは典型的な後者の方で、今回の撮影時も大変でした。
ファインダーなんか覗いてたらまず間に合いません。

そこでどうするかというと…
まず水槽の壁面にある泡にでもピンを置きます。
そしてそのままベタを追っかけながらカメラを水平移動して、
とにかく電池が(もしくはメモリが)なくなるまでひたすら撮りまくります。
ピントが…とか、構図が…なんて細かい事気にしてちゃあダメです(笑)
10枚、20枚撮って使えるのが1枚あればいいや、と思いながらでないと
(もちろん、まともな技術と一眼なんかを持ってらっしゃる方は正道な方法で)

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でもこうやって撮ってると、
狙って撮るならシャッターを切らないようなタイミングの写真が撮れたりして
それはそれで結構面白いです。

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小型魚の撮影をしてらっしゃる皆さん、
けっこうこんな方法で写真を撮ってるのかな…と思います。

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やたらと記事が長くなってしまいましたが、
ベリカの魅力が伝われば幸いです。

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ではまた。。

仔細変更

アメブロ会員からのコメントのみ受け付ける設定になっていたので、
(デフォルトでこの設定になってるようです。)
どなたからのコメントでも受け付けるように設定変更しました。
ほとんど誰も見てないだろう(汗)と思っていたら、
アクセス解析してみると以意外と見てる方いるんですね。
ありがとうございますm(_ _)m
がんばりますんで、これからもよろしくお願いします。
もしよろしければですが、遠慮なくコメント残して行って下さい!


ベタを新しく導入しました。
Betta belicaという大型の泡巣をつくるタイプのベタです。
画像撮ったらUPします☆