HANTAN半分コ。

HANTAN半分コ。

孔脳症•ウエスト症候群の娘との日々。。。

マイノリティーでも気にしない♫
自分の速度で!

面倒臭がり屋のenid(母)とHANTAN(娘)と、たまにHANTAN父のお話。 

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 今から18年前、とあるブリーダーの元に仔犬達が産まれました。

その中の1匹の片目の眼球は白濁し、しっぽの先端は折れ曲がっていました。いわゆる【かぎしっぽ】です。
その仔犬は【まとも】では無い状態で産まれてしまったので、売り物にならず殺処分の予定でした。

なんの偶然か殺処分になる仔犬が居ると聞いたオトータン。後先、何も考えずにその仔犬を引き取る事にしました。
ただでさえ、諸事情から貧乏暮らしのオトータン。
それでも「死ぬよりは良いっしょ。」と、これからどんな風に成長するかも解らない仔犬を。そもそも、自力で生きながらえる事が出来るかさえ不明な仔犬を、独身男性が飼い始めてしまいました。
(ただでさえ、婚約をオトータンの独断でキャンセルし、婚期を逃したアラフォーが犬を飼い始め。親族達はオトータンの結婚は詰んだと思ったそうな。3年後enidが嫁に来る)

そんな全ての不安を吹き飛ばすかのように。

その仔犬は、15歳で椎間板ヘルニアになるまで。

1つも怪我も病気もする事無く。
天真爛漫に笑顔を振り撒き、躍動的に動き回り日々を満喫して過ごしました。

白濁していた眼球は、少し弱視かな??ぐらいで、全くそれを感じさせ無い運動能力を有する犬に育ち。

折れ曲がった尻尾こそは、そのままに育ったけれども。沢山の幸せを引き寄せてくれました。(かぎしっぽは、幸せを掴んでくれると言われてます)

殿と、名付けられたミニチュアダックスは。
沢山のイタズラと。
沢山の冒険(本人にとっては)と(ダックスの本能強めな子で、狭い所、暗い所にもグイグイ侵入しちゃう)
沢山の日向ぼっこと。
沢山のお腹いっぱい。

な日々を過ごして、最後は私に撫でられながら。
17歳と5ヶ月の命を使い切りました。

亡くなる2ヶ月前に、3回目のヘルニアを発症しました。ですが、年齢的にも外科的な手術は選択肢に無い事。色々な事を考慮し、家で穏やかに過ごす事を選びました。
最後は麻痺が広がり、首が仰反るように固まってしまい。食事はシリンジからの注入になりました。
痙攣発作らしい動きも見られたり。
本来、構造的に誤嚥はしないと言われていた犬ですが、寝たきりになった事で呼吸が苦しくなったり。

それら全てが既視感、、、、、。

そうです。
HANTANで経験済みなのです。


ポジショニングの工夫で、呼吸が楽になる事。
注入食にする道具が完備されている事。
痙攣発作はこの9年。毎日、向き合ってる事。
シリンジだって山程、在庫がある事。

今までHANTANから得た経験と知識全てを殿に還元する事が出来ました。
そして、殿からは命を見送る事を経験させてもらいました。

全介助になってからは、24時間態勢になりました。
服や身体を締め付ける事が大嫌いな殿。
なのでオムツはせず、オシッコシートに寝ながらしました。なので、オシッコの度に身体の清拭。
数時間毎の体交。
痙攣発作後の不安からの、錯乱吠え(特に夜中から明け方に多かった)
注入食の準備。

を、HANTANのケアと同時進行に過ごす事2ヶ月。


久々に私の目眩が出てしまい。
HANTANを産み育ててから初めて、私の看病を理由にオトータンに有給を取ってもらいました。
そのくらい身体は無自覚に、限界を超えていたようです。

なので殿の最後は、オトータンは有給を取っており。家族全員が揃ってました。そんな所も殿らしい。

オトータン帰宅後、「殿はそろそろ行っちゃうわ」とオトータンに言われ。ショックが強過ぎて、まさかの目眩が止まるという体験をしました。

沢山抱っこをし、リビングの暖かくて静かな所に殿を寝かせて。「また明日ね!」と言って寝付いたのですが。

ふっと夜中の2時過ぎに目が覚め、殿の所に行くと呼吸がゆっくりゆっくりになっていました。

身体を大きく優しく2回撫でる。

殿がゆっくり1つ呼吸をする。


撫でる事を止めると、殿が逝ってしまいそうだったので、撫でる手を止められませんでした。

身体を大きく優しく2回撫でる。

殿がゆっくり1つ呼吸をする。

それを何度も何度も繰り返して、沢山思い出を話しかけて。沢山、感謝の気持ちを伝えて。沢山の愛を伝えて。

朝の6:20分。

身体を大きく優しく2回撫でても、殿は呼吸を返してはくれませんでした。

6:20分。
オトータンの毎日の起床時間です。
何処までも義理堅い殿でした。

それから私は仮眠をし、起床後。
殿を最後のお風呂に入れて綺麗にしました。
可愛い猫っ毛の復活です。

オトータンには、食材の買い出しをお願いして。
私は殿を送り出す為の手続き、一通りをしました。

葬儀の予約。
犬の登録抹消の連絡。
花屋に花の注文。


翌日、晴天の中。
家族で殿を送り出す事が出来ました。

以前に来たのは、ミッチーの時の3年前。

今回もアットホームで、優しい気持ちで送り出す事が出来ました。


ここからは、非科学的な事を書きます。
興味のある方だけ、読んで下さい。


殿が居なくなる事は勿論、辛く悲しい事でした。

ですが、内心。
私は、またオトータンが殿からのメッセージを受け取るのでは?!! と、楽しみな部分も多く。
殿の言葉を知りたい!
と言う気持ちが、とても大きかったです。


1番最初のヘルニアがとても痛くて辛かった

兄弟とバラバラになるのが悲しかった

だから、ミッチーが来てくれた事が嬉しかった

沢山の人や犬が居て、賑やかなのが大好き

だから、引っ越ししてからミッチーと離れるのは辛かった

enidちゃんが作ったご飯とクッキーが好きだった

本当は、2年前のヘルニアの時に命が尽きる予定だった。
けれども、ミッチーを見送って1年だし。ミッチーを介護する事無く最後を向かえた事を心底、後悔していた私達の為に、【お別れする時間】をその小さな身体、全てを使って作りだしてくれた事。


今回も、犬からもらった愛情の大きさ深さに。
そして、我が家で飼うであろう。最後の犬との別れに。

ダメージを喰らっている日々です。



殿を送り出してから数週間が経ち、私の血圧が190を超え。自分が思っている以上に、辛いんだ、、、。と、痛感し。流石に病院に通って治療をしております。
(今は、大分、落ち着いてきました。)



今は犬が居ない辛さと。犬が居ないから出来る事に目を向ける事を同時進行している感じです。
間違い無く、悲しみ暮れて過ごす事なんて殿は望んで居ないはず。
だから、今年は新しい事を始める。
何故か力が湧いている今日この頃。殿がパワーをくれたのかな??

本当大好き。
心底大好き。
心からの感謝を。

次に逢う時の為に、楽しい思い出も沢山作って。
私も私の命を使い切りたいと思います。


最後に。

殿が好物だと言った、手作り犬用クッキー。

葬儀から帰宅後に、早速焼いて供えました。

中々寝付けないオトータン。夜中にカタカタクッキーが動いているのを見たと。

翌日、「なんで、こんな所に???」な所にクッキーの破片が落ちているのを目撃しました。

食い散らかしてる、、、、ww

可愛い。

食べてくれてる。

大満足。


本日、そんな食いしん坊殿の四十九日でした。

久々の投稿が、ネガティブで長い物になりましたが。

心の区切りとして。