一昨日の出来事。 小雨が降る夜のことでした。

僕は、車でいつもの帰り道、なんでもない光景に

音楽ガンガンで味付けをしていた。

ハッ! 

今一瞬、歩道で人がぶっ倒れていたような?

まさかー、そんなはずないよなぁ。

行き交う車が無関心だったので、僕も見間違えだろう と、

気にしない なんて性格じゃないんで、思わず、車を停車させ

走って現場に向かった。 

 げげ!

なんか、宮沢元首相見たいなバァさんがぶっ倒れてるよ。

足がなんだか変な方向に向いてるよ。

でっかい モンチッチの人形も持ってるし・・・

キショクワルイ・・・

でも、俺は偽善者だ! 偽善者の名にかけて

 大丈夫ですか?救急車 呼びますので

 「 いいのいいの、私が悪いから 」

はぁ? よくわからねぇ 

 家はどこですかぁ

「 そこのアパートの二階に主人がいるんで 」

指差すアパートの部屋に速攻走っていったら、

出てきたよ、親父が。

 親父曰く 「酒飲み過ぎてどーしょーもねーなー」

 アル中?

まぁいいや。 どうやら体に異常はないけど、

歩いて二階にいけないっていうもんだから、両腕で

抱きかかえて運ぼうとしたら、俺、持ちあげらんねぇでやんの。

しょうがなく、おんぶだよ。 雨で濡れてるんだぜ、おバァさんは。

でも、おんぶで二階まで運んだ。 

感謝された。 

そうそう、感謝されるためにやったんだよ、俺は。

俺っていいやつだなぁ~ って、悦にはまるために

やったんだよ。 それが、偽善者って奴さ

帰宅して、妻に意気揚々語ったら、

「 変な菌があったらどうするの

 すぐに服脱いで、お風呂に入って 」

だとさ

終劇