以前も紹介したことのある元修道院を改装したSAM-Spazio Arte e Mestiere-アート＆クラフト・センターにて
秋のイベントがあり、今回は見る方ではなく参加者として加わりました。修道院の昔は尼僧達の個室だったところを様々な工芸家、職人達の工房として再利用しているこの空間は中庭を中心に囲われた建物で、外の世界を遮断した静寂感に包まれ、瞑想の空間としての歴史をそのまま継承している感じです。
フィレンツェの中心からはやや離れているものの、駐車などは比較的簡単な地域であるのと、天気に恵まれたこともあり、人の入りは上々。アートと工芸の展示販売、そして子ども向きのフィレンツェの中心からはやや離れているものの、駐車などは比較的簡単な地域であるのと、天気に恵まれたこともあり、人の入りは上々。アートと工芸の展示販売、飲食できるカフェあり、子ども向きの焼き物体験や遊戯も企画されて一日をここで過ごす家族もかなりいたようです。
今回このセンターにて主人の小さな展覧会を開催することになりました。アートとクラフト（工芸）というテーマであるので単なる作品展というのではなく、木の彫刻のグループを展示して「素材としての木」を見せることに焦点を当てました。木の彫刻の面白さはそれぞれの木の持つ素材感、触り心地、重み、香り、色など５感に訴える面白さがあります。トスカーナの人達は特に自然がすぐ近くに存在するので、木や植物に対する知識も豊富です。
両側が窓で自然光がふんだんに入る大部屋を提供して頂いたおかげでかなりの数の彫刻を展示することができることがわかり、ふたりだけで重さと量のある彫刻群を会場まで運ぶのは一労働でしたが、いままでずっとスタジオに眠っていた彫刻達をついにお披露目できるのは幸運なことでした。展示用の木のスタンドを空間に合わせて設置してなんとか展示。壁にはやはり素材感がある紙と油彩の作品群を吊り調和の取れた展示ができたように思います。
会場にはアート、工芸に興味がある人のみが来るせいか、色々な質問をしたり、熱心に主人の説明を聞いてくれたり、今までイタリアで開催したどの展覧会より、様々な人達との交流を持つことができて、たった二日間でしたが、制作を続けて良かったと思える有意義な体験となりました。
作家にはやはり作品を見てくれる相手がいて、その相手と意見の交換をすることにより、次への道を歩むエネルギーを得られるのだ、と思います。
来月もあるこのイベントにまた参加できたらと思います。
