Northern Territory のGoveというところまで今日、明日で飛びます。目的はYirdakiの master classに参加するためです。半年近く前から現地の事務局とやり取りしてついにその日がきて楽しみです。
以下のリンクがClassの詳細です。興味がある人は是非サイトをチェックしてみてください!
昨年の模様の動画はこちら
http://www.youtube.com/watch?v=QEAv6csnfuY&feature=channel
http://www.ididj.com.au/education/eco.html
余談ですが、実は最近ちょっと体を鍛えてます。今回の自転車旅行の出発前70kgあった体重が65kgに落ちたので、体を動かすことに興味がわいてきたのです。旅行前はほとんど体動かしていなかったのに、キッカケって大事ですよね。帰国後偶然友人が加圧トレーニングスタジオに通っていることをきいて、自分も自宅近くのスタジオに毎週通っています。ほんとに軽いトレーニングをするだけなのに、血流を制限しているので、とてもしんどいです。週1日のトレーニングでも充分効果が出ることもいいですね。今日で3回目だったのですが、以前より体力がついてきたのが今日は分かりました。この加圧トレーニングで、筋力をUPすると同時に、脂肪の燃焼効率が高いトレーニング直後は自転車で25キロくらい走っています。毎回ルートを決めずに行き当たりばったりで走っているので、大阪の地理にも強くなるかも?また、このトレーニングの成果についてはたまにレポートしますね。
さて、前回の記事でお話しましたが、3月16日Glendamboのロードハウスに宿泊中、オージーの女の子2人が自転車で北上してきているとの情報をトラックのドライバー達から聞き、僕はワクワクしていたわけです。3月5日の出発から11日間の道中に、自転車で旅行している人と道で出くわすことがゼロだったのでなおさらです。
翌朝17日は、ゆっくりとした出発でした。15日の野宿を経て、向かい風のなか2日間252km走った疲れがどっと出ています。朝8時頃までベッドでぐっすりと寝たあと、朝食をゆっくり食べて、RodとLoisにお礼を言って出発をする時には10時半になってしましました。このころには、自分でうまく体の状態に合わせたスケジュールを組めるようになったと思います。当日の目的地は、113km南のPimba。向かい風がきついですが、がんばれば夜7時前の明るいうちに着く目論見がたちます。『おそらくそのオージーガールズは昨夜Pimbaで宿泊して、早朝に出ているだろから、今頃は中間地点くらいにきているかな?』 『どの辺で出くわすのかな?』と考えながら走り始めて45分くらいしたときのことです。緩やかなながい坂を登っているときに、久しぶりに鉄道の線路が見えてきました。いい景色だなと思って線路のほうを見ると、まさか・・・人がいます。 2人いる。間違いない!でももうこんなところまで走ってきたの?早すぎる・・・。彼女達に手を振ると、あちらも手を振っています。『今そっちに降りていくから待ってて!』といったら、2人ともよろこんで飛び跳ねていました。
彼女達の名前は、MelとBe。ニューサウスウェールズ州にすんでいるルームメイト同士らしく、今回PorAugustaから僕とは逆に北上して、Darwinめざして旅行をしているそうです。こんなとこで何をしているのかを聞いたら、じつは知り合いがPimbaから貨物列車に乗せてくれて、Glendamboのすぐ近くのここで降ろしてくれたとのこと。早速電車なんかに乗っちゃってますが、若い女の子2人で大陸縦断とはとても勇気があります。お互いこの先の道に関していろいろ情報交換をしました。彼女達もやはり『GlendamboからCoober Pedyの252kmの区間では、どこで野営したのか?』 『女の子2人では大丈夫か?』と気にしていました。 特に若い女の子にとって間違っても100%安全とはいえないので、僕はできる限り注意をするように伝えました。できれば、信用ができそうな他の旅行者が一緒にレストエリアにいればラッキーだけれど、いなければ、しっかり二人離れることなくブッシュに隠れてキャンプをするように伝えました。そして、明るいうちに食事を済ませて、暗くなったら絶対に明かりをつけずに、テントに入って寝てしまいなさいと。夜になると、車の通行もほぼ皆無ですが、二人で明かりをつけておしゃべりなんかしていると、妙な輩が寄ってくる可能性が無いとはいえないです。
お互いに写真を撮ったり、メールアドレス等の交換をしたり・・。たった30分くらいの出会いでも、同じ境遇をともに味わっているからか、なんか妹のように思えてきます。最後にはお互いビッグハグをしてお別れをしました。
先週、彼女達が教えてくれたブログアドレスを開いてみて驚きました。なんと僕を紹介してくれていたのです。3月25日のOnto Glendamboという記事に僕のことが出てきます。もちろん英語ですが、本当に楽しく旅行を続けていて安心しました。彼女達のブログ見てるとやっぱり2人の旅って楽しそうだな~って思っちゃいます。
http://toadandmole.blogspot.com/2009_03_01_archive.html
今回のような旅行で必ず利用することになるのが、ロードハウスと呼ばれるお店です。正確な定義は知りませんが、簡単にいえば、MobilやShellなどのガソリンスタンドがレストラン、バー、キャラバンパークを運営しているような感じです。短い区間で80km、長い区間で250km走ると、このロードハウスがあり、キャラバンカーの旅行者や、長距離トラックの運転手が日中の移動時の休憩や宿泊で利用することになります。町といってもこのロードハウスがあるだけで、人口は5人なんてところもありました。
僕のような自転車旅行者は、一日中無人地帯を走るわけなので、このロードハウスが待ち遠しくて仕方が無いのです。道を急ぐ自動車での旅行者やトラックのドライバーは時にはこれらをスキップするのかも知れませんが、僕ら自転車旅行者にとっては、すべてのロードハウスが毎日の目的地になります。変わり映えのない景色が永遠に続く。想像以上の空気の乾燥がどんどん体の水分を奪っていく。気温はどんどん上がりサイクリングボトルの水はすでにお湯になっている。口の中が渇くたびにまずいけれどとにかく水を飲み続ける。たまにI podをつけて歌を大声で歌いまくって調子を上げる。『今日はもう何キロ走っただろう』とサイクロコンピュータで走行距離を確認する。『まだ30kmかよ~』って思っても、『今日の目的地までの1/4をすでに走ったじゃないか』と自分に何度も言い聞かせて走らないとやっていられない。本当に毎日これの繰り返しです。
さて、このロードハウスではいろんな人との出会いがありました。道ではすれ違うトラック運転手やキャラバンカーの旅行者たちが自転車で走っている僕をみつけたときの目を丸くして驚く顔が面白かった。みんな『がんばれよ!』って意味のピースをしてきたり、クラクションを鳴らしてきます。僕もがんばってピースを返します。無人地帯なので大した話題なんかありません。このすれ違うドライバーや僕を追い越していくドライバーが僕のことをロードハウスで話すのでしょう。なかでも出発から5日目の3/9に着いたMarla Roadhouseは忘れられない思い出の地となりました。僕はこの日も例外なく毎日続く向かい風に苦しんでいました、前日の一人での野宿での疲れもあり105kmの行程が2倍、3倍のように感じます。やっと50kmくらい走ったところで昼食を摂り、出発するときのことです。ペダル付近から。『ガツッ』という音が・・・。嫌な予感は当たっていました。前部ギアのワイヤーとチェーンが外れて、前のギアチェンジが不能になっていました。暑さのせいとは違った種類の汗が出ます。『ヒッチハイクして町まで戻り、自転車での縦断はギブアップか・・・』という考えが頭をよぎりますが、なんとか平静を保って、カバンから工具とスペアのワイヤーを取り出し修理を試みます。しかし、“この暑さの中、この僻地の中で一人きりで修理”という状況が集中力を奪います。路肩で一時間程がんばりなんとか一番小さなギアで走行が可能になり再出発しました。この後の約50kmは一番軽いギアで走らなければならないので、なかなかスピードが出ません。なんとか日没まえにMarlaに着きました。クタクタに疲れた僕は、一刻も早く、Lipton Green Tea Lemon味 とコーヒー牛乳をゲットしようとロードハウスに併設のスーパーに入りました。このときビッグスマイルで迎えてくれたのが、Rodです。彼は、僕が自転車で旅行をしているのを知ると、急いでレジでの会計を済ませてから、今日の宿泊のことを気遣ってくれました。彼ももう一人いたオージーの従業員も、『俺達は自転車で旅をしている人からは一泊目はキャンプ代をもらわないことにしているんだ』という。なんて優しい人たちなのだろう。お言葉に甘えて、明かりがあるうちにキャンプサイトにテントを張り、待ちに待った熱いシャワーを浴びてからレストランにむかった。全く時間を気にしてなかったのでレストランのラストオーダーの時間はすこし過ぎてしまっていたのだが、レストランの料理担当の女性が『あなたはラッキーね』といって本日のオススメの料理を用意してくれた。後に彼女はRodの奥さんでLoisという名前だと知った。彼女の料理はめちゃくちゃ美味かった。僕を気遣ってくれる彼らに真のホスピタリティーを感じた。向かい風のなかを5日間走りあまりに疲れていて、自分でも休養が必要と感じていたし、あまりにこのロードハウスの人たちが優しいのでもう一泊ゆっくりすることにした。
RodとLoisは、ニュージーランド人でキャラバンでゆっくり旅をしながら働いているらしく、翌日にはMarlaをあとにして、僕がこれから向かう南488km先にあるGlendamboのRoadhouseに向かいそこで同じように働く予定だという。彼らはキャラバンカーで1日で移動するけれど、僕は途中にCoober Pedyを経由して5日~6日くらいで着くだろうからまたGlendamboで会おうと約束して別れた。正直、内心無事につけるのかどうか不安もあったけれど、近いうちに彼らにまた会えることを楽しみに走り続けました。 その後は3/11 Cadney park , 3/12~3/14Coober Pedy、3/15 81km南で野宿、を経て3/16に無事Glendamboに着きRodと再会することになります。3/16日は日没寸前まで170km走りGlendamboのRoadhouseにくたくたになって着いて、ロッドと再会したときには、『Warabe!I knew you are coming today!』といってまたビッグスマイルで迎えてくれた。どうやら何人ものロードトレインの運転手たちが黄色いシャツを着た、真っ黒に日焼けしたちっちゃいアジア人が自転車でこっちに向かっていると教えてくれたらしい。あまりに疲れていて、テントを張る気にもなれないので、多少値段が高くても部屋を取りたいと話をすると、このロードハウスにはキャラバンパークがないから、あいている従業員用のキャビンに泊めてくれるという。おかげで、エアコンつきの綺麗なキャビンでゆっくり疲れを取ることができた。
このロードハウスでも、いろんな情報が入ってきた。 なんとオーストラリア人の女の子2人がこっちに向かっているから、明日くらいには、僕は道中に彼女達に会うことになるだろうとトラックのドライバーが教えてくれた。10日近く走って、全く自転車での旅行者と会わなかったので、僕はとてもわくわくした。また、ここでは、アランというトラックのドライバーとも偶然再会した。ワイルドでやんちゃそうなアボリジニと白人とのハーフの彼は、僕がここでLoisがつくったハンバーグを食べているときに『おい、Wallabyじゃねえか!』といって現れた。彼は、前日の3/15に僕が一人で野宿をしているときに、わざわざ僕のテントの近くまでやってきてコーヒー飲むか?って話しかけてきたやさしい男だ。そこからは何百キロも離れた海に面した町で羊を何十頭か飼って牧場の経営をして暮らしているらしいが、『何年か前に海でアワビを採りまくって中国人と商売をやりすぎて刑務所生活2年食らったけど、やめる訳ねえよ、あれは俺達の海だ。』とか 『白人の金に汚い奴らと今も会議をしてきたところだ。俺は現地に昔から住む人間側のスポークスマンをしているけれど、やつらはどうも好かねえ』と色々面白い話をしてくれた。彼は僕とは逆方向の北へ向かって用事があるはずだったが、急遽PortAugustaに荷物を運ぶ仕事が入りその帰りに、Glendamboに寄ったとのことだ。もしかしたら、彼は僕がGlendamboに無事着いているのかを確かめようと、あえてこのRoadhouseに寄ったのかも知れない。こういう外見からは想像もできないような、粋で人情のある男っていいなって思う。礼儀もしっかりしていて、店を出るときには、キッチンにいるLois達に礼を言うのを忘れない。アワビで2年食らったって彼はいい奴なのだ。そう考えると薄っぺらい見せ掛けだけで、本当は根性が腐っている奴が、世の中多いとつくづく思う。一緒に彼と飯を食べた後、お互い『元気でな!』といってさっくり別れた。彼の連絡先すら知らないが、彼とはまたいつか会えるような気がしてならない。そうしたら、アワビを腹いっぱい食べさせてもらおうと思う。
3/9 Marla Roadhouse スーパーとガソリンスタンドは24時間営業。砂漠の暗闇にポツリと光る姿はまさにオアシス。
3/9 Marlaのレストランにて夕食。昼間は暑くて食べる気にならないから、夜はしっかり食べなければくたばる。とても美味かった。
3/16 RodとLoisにGlendamboのロードハウスにて再会。
3/11 Cadney park のRoadhaouseに到着。 このとき自分は全く気づいてなかったが、この雲が雷雨の予兆だった。
アップを6日もサボってしまいました・・。たいへん申し訳!
みなさんやブロガーの方からもコメントをいただいたりして、うれしいです。また旅行中に実は結構このブログを見ていてくれた人がいたみたいで本当にうれしいです。最近見てくれている方もありがとう。がんばってアップしていきますね。
さて、今日のお題は、『キャンプ』です。3月5日の出発から3月22日のゴールまでの18日間のうち合計8日間はテントを張ってのキャンプでした。学生時代とはちがって、本当に疲れを感じている日にはできるだけベッドがあるキャビンに泊まったり、クーバーピディーのような比較的大きな町ではリッチにB&Bに泊まったりして体力の回復を図りました。という、あまりにも疲れきっていてテントを張る気になれないというほうが正しいです。
なるべくキャンプをするときには、ロードハウスのキャンプサイト(無料~10ドルぐらい)で寝たいものです。理由はなんと言っても、同じ敷地内に他の旅行者がいるので万が一何か起こっても安心だからです。それだけ周りに人間が一人でもいるということは心強いものなんですね。
今回の旅行中にどうしても、キャンプサイトではないところで一人でキャンプしなければならなかった日が2日間あります。一回目は3月8日Kulgeraから南に55キロいった地点のレストエリア(道路脇のいわは休憩スペース)。Kulgeraから次の町のMarlaまで174kmあり、スタートしたばかりの自分には充分な脚力もついていなかったので、途中でキャンプを余儀なくされたのです。二回目は、3月15日Coober Pedyから南に約90km行った地点のレストエリア。Coober Pedyから次の町Glendamboまで252kmあり一日の走行距離としては全くお手上げ状態なので当初からキャンプを想定していました。
ひとりでのキャンプでは、昼間でもなんか心細い気持ちになっているのですが、夕方になりだんだん薄暗くなると、なんともいえない不安感と孤独感、そして緊張感に包まれます。例えばここで、毒蛇にかまれたらどうしよう....。変な人にみつかって強盗にあったら...。あらぬことを色々想像してしまうものです。なので、夜がくると本当に明かりひとつ無い真っ暗闇で怖いので、しっかりテントのチャックを閉めて早いとこ寝てしまいます。夜中の2時か3時には寒くて一回目が覚めますが・・・。
めったに起こらないことと分かっていても、一人旅では『もしかして?』を考える癖がつきます。だって、自分がいるところから、助けを求めることができる次の町まで150kmも先です。夜は車もほとんど走っていないので、実際に自分は無人地帯のなかに一人ぼっちです。非常に貴重な体験でした。みなさんもひとり旅では『だろう運転』ではなく『かも知れない運転』を心がけ万が一に備えましょう~。そう考えると、単独歩行する冒険家や、登山家の方達ってすごい孤独感なんだろうな。みなさんのロンリーな体験談もお待ちしています。
明日はロードハウスとは何かについて書こうかなと思っています。
3月8日にキャンプしたレストエリア。きれいな夕焼けも一人キャンプではロマンチックでもなんでもない。少し暗くなるだけでどんどんメランコリーになる。
3月15日 Ingomarレストエリア。 もう30分後には真暗闇に包まれる。あたりには何も無く地平線がきれい。