昨日のネット討論会で安倍首相が「選挙の結果を受け、どの条文を変えていくか議論を進めていきたい。次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」と発言しました。
憲法改正は今回の参院選の争点にはしないということです。


私はその憲法審査会の幹事やオブザーバー幹事を務めてきました。
前国会でも丸山議員の問題発言(米国大統領は黒人奴隷の血を引く)があったにせよ、それを理由に審査会が完全に止められる状況に切歯扼腕してきました。


そもそも、年初に与党からでてきた審査会のテーマは「二院制」。
それだけで、時間をかけて4、5回の議論をしようという、とんでもないスケジュールだったのです。





選挙の前に国民的議論を巻き起こしたくない自民党(昨年の安保法制でおわかりだと思いますが、このようなテーマで国民的議論になると、意見が五分五分に分かれ、野党の勢いがつくので嫌なのです)。


その誤魔化したまま切り抜けようとしている与党を攻めるチャンスがあるにも関わらず、自分の党内を纏められないために活発な議論を本気で推進しようとは思っていない民進党。


そして、憲法審査会の開催自体に反対の立場なので、議論のテーマを考えることさえ拒む共産党。


どこの政党も、国民に分かりやすく説明し、時間をかけて一緒に考えてもらおうという姿勢に欠けています。


私は「憲法審査会で様々な憲法改正のテーマをオープンに議論するべきだ」と発言してきましたが、賛同して頂くことはできませんでした。


安倍首相は参院でも改憲勢力で2/3を目指すと言っているのですから、一つに絞らずとも、改正したいと考えているテーマを堂々と議論するべきです。
それを隠すというのであれば、民進党が自ら幾つかのテーマを出して、争点化するよう努力するべきです。本気で安倍首相の下で改憲されることが嫌だというなら、二百億円もたまっている政党助成金を惜しまず投入してTVCFや新聞折り込みを何度も行い、議論の活発化を促すべきなのです。


建前ではなく、本当に「民主主義」を政治理念として大切にしているのはどこの政党か。
今回の参院選で見えてくるでしょう。