10年前の脳梗塞から始まった父親の変化。
症状の段階ごとに悩んでは何とか乗り越えてきたけれど。
両親が故郷の施設に入居して1年8ヶ月。
遠距離介護の肉体的負担は減ったものの、
両親の心のケアや諸々の世話で月一度の帰省は続いている。
その間、実家の墓じまい等両親の終活を手伝ったりと、
私のできる範囲でその都度対応してきたが…。
今回の症状には参ってしまった。
父は自分の最高の闇を母と私にぶつけてくる。
今まで施設のスタッフに対してニコニコと愛想良かった父は、
もう感情を抑えることができず、家族以外にも強い表現をするようになってしまった。
不安と怒りで滔々と抗議の持論を展開する。
落ち着くと穏やかになるのだが…。
事の発端は、母の外出(三泊四日)である。(外出理由は後述)
母は留守にすることを何度も伝えていたが、
忘れてしまう父にとっては毎回初耳。
妻がいない不安と怒りで、父は母の携帯に何度も電話をかける。
(母は父が怖くて電話に出たくない)
母に繋がらないので、私や私の家族に電話をかけて母の所在を聞いてくる。
私達の説明を納得できない上、自分が電話したこと自体を忘れるので、
今度は親戚や近所の人にまで「何とかしてくれ」と電話をかけ続ける。
電話の内容は、同じ質問の繰り返し。自分は電話していないの一点張り。
そして私の会社にまで電話が…。
この段階で、母の携帯電話のみ父の番号を着信拒否にしていたが、
周りからの苦情もピークになり、急いで父の携帯を緊急停止(発着信不可)にした。
電話のやりとりの最中、ふと父がもらした「さびしいね…」が私の耳に残って…。
せめて私とだけでも話ができるように新しい携帯電話を父に持たせることにした。
誰とも電話が繋がらなくて混乱する父を少しでも安心させるために。
その携帯には発信制限をかけ、短縮ダイヤルも私だけに設定した。
新しい携帯の使い方をわかりやすく絵に書いて父に渡してきたものの、
果たして使いこなせるかどうか…。