多くの人は過去が今の自分を築いたと思っています。そして、過去を変えることが出来ないと信じて、今の自分の有様を見ているのです。特に今の自分に不満を抱いている人たちは、両親、生まれた環境、又は自分自身の今までの失敗が原因で、結果的には今の自分が居るとして苦難に陥っているのです。そんな状況の中で、本音は常に自分を変えようとしているが、中々、それが出来ない。

 

正に、私自身もその一人でした。進みたかった学校を諦めざる得なかった。その代わりに選択した大学は中断してしまった。色んな職業に挑戦したが、全て失敗に終わった。其の為、家庭経済も中途半端で終わってしまった。結局、最後まで達成した物事は何もない。何度やり直したか、何度分自身を変えようとしたか!夢でも、何回となく、自分の心の中の不安を見せられた。結局、家族まで道連れにして、不安定な生活をさせてしまった。

 

40代半ば程、自分を変えるため、先ず、環境を変え、生まれ育ち古郷ブラジルを後にして、日本へ来ました。少なくとも、経済面では家族への借金を返済しようとして、そこまでの知識活動ではなく、体力活動に挑み、必死に働いてきました。あれから25年間過ぎようとしている今では、経済面では何とか安定させることは出来たものの、未だ、妻の不安心を完全に消すことは出来ていないようです。

 

結局、物質的には、ある程度、状況を変えることが出来たとしても、内心は不安、不満ばかりでした。何度も見せられる夢の中での不安が何よりそれを意味している。特に、迷っている自分。家族兄弟から残され、見失っている自分。走れど目的地にたどり着かない自分。バス停で待てど、家に帰るバスが来ない。運転している車のコントロールが出来ず、事故を起こし、苦しんでいる自分。その他、悩み、苦しみ、迷い、不安の連発です。 夢から覚め、現象世界に戻っては、先ず、一安心。

努力して買った家で休んでいる妻、子どもや孫たちの一族として目覚める自分、そして、自分を待っている仕事に、自分の車を運転して進む、通常の元気な自分が居る。 この二つの世界の矛盾さに悩まされながら、自分の人生を見直している自分が今、ここに居るのです。