と言っても、教室長にとって大変なのは、講習が始まるまでで

ある。始まってしまえば、後はアルバイト講師に丸投げするのであるから。


どのように大変か詳しく説明しよう。

まず、講習開始2ヶ月前(夏期であれば5月、冬期であれば10月)に

目標コマ(笑)という数値が課長より降りてくる。

おおむね生徒数×取れそうなコマ数+αであるが、

受験生が多い教室なら100コマづつ、小学生が多い教室は少なめと

若干考慮した後適当に決まる。

50人教室なら1200コマ 100人教室なら1800コマといった具合だ。

そして、上記はただの目安で無く、必達目標として細かく管理される。

そのため、講習によっては何回か誓約書を書かされたこともある。

その内容はこうだ。「私は○○塾の教育理念に乗っ取り、○月○日

までに1500コマを必ず計上します」。もちろん、拇印までつかされる

という芸の細かさまである。


その後、各生徒ごとに何コマ提示して、何コマ申し込んだかの細かいシート

を作らされる。基本的に目標コマが大目に設定するので、申し込み時には

コマ数を減らされるケースが多い。故に、1200コマの目標では提示は2000コマ

以上無いと厳しいといえよう。提示のラインが低いと、課長より

「この提示数で目標コマはいくのか?」と厳しく指摘される。


その後申し込み期日まで、細かく進捗状況はチェックされる。

120コマ提示した生徒が40コマだったり、0コマ(申し込みせず)

だったりすると、教室に電話がかかってきて理由を言わされてたりする。

その逆で100コマ提示が150コマで申し込みだとほめられる。

また、この期間中は公休であっても休むことは許されない。

目標コマにいくまでは。


そして講習が始まると「あー今回の講習も終わった」

となるのである。講習が始まると基本的に室長は暇になるのである。


最後に報奨金制度というのがある。目標コマを上回った分で

1コマ×数円のお金が給料と別に支払われる。

つまり多ければ多いほどいいのである。多すぎて怒られること

は無い。










以前約束したように、教室長の離職率について言及したい

と思う。


その前に、「個別指導塾に就職したい」と思う方にアドバイスで

ある。この約束を守ればかなり高確率で採用されると思う。


それは

①「教務」というキーワードは避ける。教務がやりたい。教えたい

生徒の成績は伸ばしたい。等は絶対言ってはいけない。


②「生徒数を増やしたい」「売り上げを増やしたい」とアピールする。


これだけでいい。


さて離職率であるが、私の居た塾では、採用されると1週間の

講義型の研修の後、いきなり教室長として採用される。

その日から生徒数や売上の無間地獄のスタートである。


もちろんいい塾であれば自然と生徒数も増えるし売上も

あがるだろう。しかし、どのような教室を作るか、どのよう

に生徒を指導するか、どのような教材を使用するか、

一切そんなものは無視して生徒数・売上高だけを追求

するのである。教えたり教材だったりは雇ったアルバイト

講師に丸投げするのである。


だから室長は学力など必要ない。故に中卒・高卒でOKで

ある。ということで教育に興味のある人ほど、このようなずさん

な体質に嫌気がさしてすぐに辞めていく。


まずはこんなところである。




















リンクが貼られました。

なんか嬉しいです。


質問のある方はどんどん書き込みしてください。


コンビニ化する個別指導塾。


ここ数年、街中で個別指導塾が爆発的に増えてきている。

少子化なんのそのという感じである。勿論増えているのは

理由がある。一般的に理想的な産業の特徴として、3つの

理由がある。


①初期投資が安い。
②在庫を抱えない。
③参入障壁が高い。(新規参入しにくい)

である。この3つが揃ってれば成功しやすい業種である。


さて
経営形態としては直営とオーナーによるフランチャイズと

2つ存在する。個別指導塾は、まず1教室開業する際の

初期投資が安い。数百万~1千万もあれば個別としては

立派な教室が完成する。そして、肝心の講師は全員自給

千円程度のアルバイトであるので、実際に発生した授業分

のみ費用がかかる。つまり在庫はいらない。ここまでで上記

①②の要件を満たしている。これが経営者から見た個別

指導塾市場の魅力であり、多方面(不動産・飲食・その他業種)

より個別市場に参入してきている要因である。


しかし、今後の課題として③が挙げられる。個別指導塾

は自分が教える訳ではないので普通の人であれば誰でも経営

できる。学歴で差別をする訳では無いが、中卒や高卒の塾長

の教室も存在する。近年の業界全体の拡大路線(出店すれば

儲かる時代)により、人材や教室システムの質が全く追いついて

いない状態である。故に、今後数年で量から質への脱皮を計れ

ない個別指導塾は必ず淘汰されるであろう。


個別指導塾は離職率が半端でない。

会社にもよるが平均在籍1年少々といったところだ。

私が聞いて一番衝撃だった会社で(東証1部上場)

新卒を試用期間中に30人程の中から5人解雇したところもあるそうだ。

離職率の理由に関しては別途紹介する。


故に室長が不在という教室は多い。

1教室原則社員1人という会社が多いので、その場合アルバイトだけで教室

を回転させるケースも多々ある。

安くない月謝(前回記事参照)で全員アルバイトとは何ともたわけた話である。


少し笑い話で言うと、ある地域から同じブランドの教室から転塾

してきた生徒がいた、話を聞くと以前いた教室では3ヶ月おきに室長が退職

して、4人ほど室長が変わったという。そして保護者より「この教室では

そんなことはないですよね。」と質問が出て、そこの室長は「はい。」

と答えた。しかしこれまたどっこい、この室長は退職願を提出していて

引継ぎ中だったのである。


少し脱線したが、これが個別指導塾の現状である。

実際に通っている生徒、保護者の方なら上記のご家庭と同じように

室長がコロコロ変わるという経験をした人は多い筈だ。


私のお勧めは、そこの(教室)責任者が高齢(40~50位)の教室である。

このような教室はオーナー室長で、ずっと居てくれる可能性が高い。

またオーナー自ら入るということで教育熱心な可能性も高い。


少し過激なことを書きましたが、各教室の室長さんは本当に

いい人ばかりですよ。私が言いたいのは、不要な営業システム

の批判です。個別でも集団でも合うか合わないかが大事です。

勿論集団塾・予備校も問題点はあるでしょう。


個別指導塾は集団塾と比べてその費用は高くなっている。
人件費がかかるから、マンツーマンで見てくれるから、
また、経営的視点で言うと個別塾は集団塾より数倍の利益
率となり、その分月謝等に上乗せされている。等の理由からである。
(最後の理由はふざけるなと言う感じだが)


次に、個別指導塾は年間でどれくらいの費用がかかるだろうか?

〈中3の場合〉
月謝   約25,000円
諸経費  約1,000円
テスト代 約3,000円

12ヶ月分で348,000円


講習代は受講分にもよるが、私の勤務してた塾の平均で
中3 春期 50,000円  夏期 200,000円  冬期 250,000円


講習トータルで500,000円

教材費も入れるとざっくり850,000円くらいだろう。

恐らく集団塾の5倍はかかるだろう。


では、成績も5倍伸びるかというと勿論そんな事は無い。
費用面で見ると雲泥の差があるのである。

しかし個別指導の需要は未だ増加傾向にある。日本の通塾
生の約30%が個別ユーザーである。それでも個別がいいという
人もいるであろう。


代わって、首都圏を中心に中受・大学受験生の進学塾OR予備校と
個別指導塾の併塾を行う生徒が多い。講義形式でインプット、
本来個別指導の持つ「補習」機能を活かしたアウトプットと使い分ける
賢いやり方である。このやり方は結構広く使われている。


ちなみに私が一番推奨したいのは
平常時→個別指導
講習時→集団塾(予備校)
というやり方だ。

つまり学校の定期テスト対策やフォローは個別で、長期休暇の時間の取れる
ときは集団塾で武者修行をするのである。このやり方だと個別のお約束
ボッタクリ期別講習を回避でき、恐らく400,000円程に年間予算を圧縮できる。
また環境の変化も生徒にいい影響を及ぼすであろう。どうしても個別という
皆さん。ぜひお試しあれ!

今回は根本的な塾の定義を私なりに解釈したいと思う。

まず、世界で塾のある国は日本と韓国くらいである。

どちらも学歴社会の国家で、ブランド校への入学をかなり重要視するお国

柄である。そこで、少しでもランクの高い学校に入学するためのサポート機

関として塾が存在する。しかし現在日本では一部の超難関校(大学でいえ

ば旧帝大、中高でいえば開成・灘等)以外、ブランドバブルがはじけ(特に

私学)、大学に至ってはほぼ全入時代を迎えている。選ばなければ大学卒

業まで自力でなんとかいけるものである。また、規制緩和による外資系の

参入により、学歴が本来持つ意味も低下し、本当の意味での実力社会にな

りつつある。


前置きが長くなったが、私は塾とは、本来学校と家庭で習い学ぶはずの内容

をアウトソース(外注)する機関だと考える。家で本来作る筈の料理を外食する、

ヒーターのフィルター清掃を業者に任せる。そんなイメージだ。


しかし、どこまでを塾に任せるか?各ご家庭の状況により異なるであろう。

私はもし中立的な立場で、塾に通うと成績が上がるか?通わせた方がいい

か第三者に聞かれたなら、「その子と塾の相性による」としか答えようが無い。

塾に通ったからと言って成績が上がるとは限らず、逆に下がるケースもある。


もう少し脱線して「勉強」の定義について言及したい。

勉強とは、わからないことがわかる過程であり、ひいては

どこがわかってないかを自分で確認する作業だと考える。


机に何時間向かおうが、何枚書き取りをしようがこの意識が欠けていては

効率は極めて薄い。基礎事項の修得(九九・文法の活用・元素記号等)

は機械的にでも覚える必要があるが、問題を解いて、間違えた問題で

どこが間違えたか、自ら意識できる状態にならなければならない。


塾に通っても、ただ通うだけ、ノートに写すだけ、頭はぼんやりして

手を動かしてるだけなら寝ている方がましだと私は考える。

「塾に通うことが目的」になってしまっている。

床屋は座っていたら勝手にカットしてくれるが、予備校は座ってるだけでは

何もならない、とは代々木ゼミナールの吉野講師の言葉であるが、

実際その通りである。


結論を言うと、塾に通うより勉強の習慣付けがはるかに重要である。

塾で勉強の習慣は身につくかって?人にもよるが、大半は無理でしょう。

それは、家庭での教育やよき師との出会いに強くかかっている。


勉強の習慣付けについてはまだ別の機会にお話したいと思います。




辛辣な記事ばかり今のところ書いてますが、実際の室長さんの中には

本当に面倒見のいい人や、不要にぼったくらない人もいます。


講習時には上長の反対を押し切って、自分が本当に必要な回数を提示してる

人もいます・・・。もちろん、後で怒られますが・・・・。


みなさん、いい室長さんに当たるといいですね。

「小・中・高・浪 全教科全学年対応」

ほぼ全ての個別指導塾で使われているセールスフレーズである。

ただ、あくまでも「対応」である。現実に上記の幅で完全に対応するとしたら

講師の調達・カリキュラム、教材の選定等で膨大な費用や手間がかかってし

まう。


とは言っても実際、個別の塾には幅広いニーズのご家庭が相談に来る。

英・数を見てもらいたいといったオーソドックスなものや

証明問題の応用のみ、センター用の地理だけ等極めてレアなケースも存在する。


しかし前回の記事でも少し述べたが、個別塾は以上な営業体質で、塾側から言

及すればぶっちゃけ「生徒別平均月謝の向上のためできるだけ多くの回数来て

もらいたい。」のである。本当に親身になって考えてもらえる塾(大手では体制上

厳しい)でない限り室長のアドバイスを完全に鵜呑みにするのは危険である。


そこで学年・科目別のお勧めランキングを目安として公開しようと思います。


(中学生)

数学◎ 科目の特質上個別の形態に合っている。

英語○ 文法(特に既習範囲の復習)ならOK。発音・長文はいまいち合わない。

国語× 読解問題は肢別の選択や抜き出し等、個別の形態に合わない。

      音読ができない個別の環境下では難しい。

理科△ 単元にもよるがあまり効果は無い。計算の反復ならまだいい。

社会▲ よほど苦手で、基本的なイメージを掴むために利用できる程度。


(高校生)

数学○ 高度な範囲になってくると対応できる講師が限られるので

      講師を固定できるかどうかが鍵。

英語△ 長文はほとんど無駄。短大・中堅私大の推薦狙いで

      文法の修得なら利用価値はある。

現文× 不要。時間の無駄。

古文△ 文法の暗記ならよし。

社会× 意味なし

化学△ 有機化学の範囲は使えるが、対応できる講師が固定できるかどうか。


(小学生)

算数○ 通うなら計算問題の反復による定着と文章題の克服に使用。

国語× 小学生の国語は音読が重要。家で声を出して読ませる方がまし。


といった所である。

総じていえるのは、

①算数・数学の計算問題は個別のスタイルに合っている。

②国語・英語の読解は解説が超重要である。

高度な文章の読み方、肢別の選択方法、指示語の読み取り、

接続詞を挟んでの対比、等々個別では対応できない。

またボキャブラリーが追いつかない状態であれば単語を調べるのに

時間がかかり費用対効果もよくない。受けるなら集団形式で解説の

上手い講師に頼むべきである。