世の中クリスマス&年末に向けて

まっしぐらの12月


なんとか株も出ちゃって

一層気忙しくなりそうです



久留米の聖マリア病院へ

訪問アロマケアに伺っていた時のお話です


この病院には

自動車事故で遷延性意識障害となった方の

専門療護病床があります



ある日

休憩スペースで

もぐもぐお昼を食べてた時


車椅子の男性とそのご両親がいらっしゃいました


「頑張ろう」

「終わったら好きなチョコレートあるよ」

「少しだけでもやろうよ」


どうやらリハビリを嫌がって

手こずっているようでした


優しいご両親

だけど

嫌な時だってあるよねー


その翌月か翌々月だったか

新規でアロマケアの依頼が入りました


ベッドサイドに行くと


あのリハビリを嫌がっていた彼とお母さんでした


左側頭葉損傷にて

右半身麻痺と痺れが亢進して痛みで辛いとの事


チタンプレートに拒絶反応を起こし

鎮静するまで頭蓋骨固定手術が出来ず

頭蓋骨が無い状態のままというのも影響があるだろうと思われました


意識障害を経て

その後高次機能障害の病態でした



触れるだけで激痛で

リハビリもマッサージも出来ず

彼自身も暗い表情で辛そうでした


ご両親も爪を切ったり髭を剃ったり

衛生上のケアも出来ず


リハビリの時間は

嫌がるので毎回親が付き添う事になっていて

彼自身も関わる人々も

皆とても困っていらっしゃいました



アロマケアを依頼されたものの

施術は

身体にアロマオイルを塗って

撫でさするのが基本です



はて?どうしましょう?

どうしたと思います?


痛みのケアにはアロマテラピーは強いはずです



はじめに

痛みの程度と範囲をご本人に確認しました


彼は喋れませんが

意思表示はできます


そして

絶対に痛いところは触らない事をお約束しました


まず安心して信じてもらう事が大事だと思いました



彼には神経の鎮静と鎮痛 血行改善の

オレンジ

ラベンダー

フランキンセンス

をブレンドしました


動かせる左半身を酷使しているだろうと

左肩〜腕〜胸周囲をゆっくり


彼に全て確認を取りながら

落ち着かせるようにケアしていきます



左脚に移ってしばらく経つと

彼は眠り始めました


そっと右脚へ触れてみました

最初顔をしかめて痛がってた部分です


。。。


そのまま眠っています


うん 大丈夫 

このまま施術を続けられそうです


一番痛みがひどい右腕に移りました


やっぱり寝ています


そーっと握り込んでいた右手を開きました

爪が伸びて手のひらを傷付けてしまっています


お母さんが嬉しそうに

やっと爪が切れます!


触っても起きないくらい痛がってないわ


ご家族にとって大きな一歩でした


それから

毎月1回 60分の施術です


3回目を過ぎた頃から


私が訪れると

自分でベッドの背もたれを下げて

寝姿勢をとってくれるようになりました


さあゆっくりしようとばかりに

目を閉じて寝ています


彼の表情も明るくなり

時には少し微笑んだり

リハビリにも取り組むようになりました


彼の手術日が決まり

大学病院へ転院するまでの間の1年足らずでしたが


私に色んな事を教えてくれたお客さまの一人です