佐賀県伊万里市に黒澤明記念館の建設を計画している黒澤明文化振興財団(黒澤久雄理事長)が約3億8000万円の寄付金の大半を使い果たしていた問題で、塚部芳和市長は23日、記念館の建設期限を定めた新たな契約を財団と結び、今のところ、誘致を断念しない方針を表明した。ただ、新たな契約について財団側は了承していないといい、先行きは不透明なままだ。

 この日の市議会の全員協議会で表明後、会見した。

 それによると、市は今月16日、4月末までに資金計画などを提出させる覚書を財団と交わした。市は書類の提出を受けたうえで6月には新たな契約を財団と結びたい考え。

 黒澤理事長は記念館建設について「5年以内でめどを付けたい」としているが、塚部市長は「(5年は)長すぎる」との見解を示している。

 ◇1億円戻らぬ可能性

 一方、市は当面、寄付金が使われた暫定施設に対して年間約670万円の維持管理費を出し続けるという。

 市が「断念」を打ち出せない理由の一つが、98年に黒澤プロダクション(社長、黒澤理事長)との間で結んだ記念館設立に関する契約。この契約では建設期限を明記しておらず、市から「断念」を言い出せば、市がプロダクションに払った権利金約1億円が戻ってこない可能性があるという。

 これに対し、当時の市長の要請で1000万円を財団に寄付したある企業は「金が暫定施設に使われたのは納得がいかない。建てないならすぐに返してほしい」と話している。また、市は権利金以外にも、建設予定地の造成費などで約2億6000万円を支出しており、資金調達の見通しの立たないままの計画続行を容認する市の姿勢に市民からの反発も予想される。【関谷俊介、原田哲郎】

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