ハンガリーでハングリーになれるか | 放老生活

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老後は放浪する徘徊老人です。定住せずにあちこちふらふら。

  朝は夜が明ける4時には目覚めて、さっそくお湯を沸かしてみる。ハンガリーの水道は飲めるとある。ゆうべの隣のスーパーではミネラルウォーターが山積みしていたが、それでもか。大きなペットボトルがまとめて買えば一本5円?
お湯は海外旅行用の小型ケトルが役に立つ。コンセントの口は持ってきたので差し込む。それとスマホとパソコンと繰り返し使える電池の充電には世界で使える変換器を持ってきたのをさっそく使う。フリーWi-Fiは完備なので部屋では自動接続。スマホも契約解除してもワイファイでネットに繋げられる。
シャワールームで洗濯もして部屋で乾かすとすぐに乾くのはヨーロッパの気候か。湿気のないのがいい。ゆっくりなので、連れが荷物の整理をしている間、ホテルの近辺の探検に朝出かける。地下鉄駅まで行く。結構賑やかで店や露店が並ぶ。ポルトガルの空の色もよかったが、ハンガリーも青がいい。ホテルの位置だけ確認したら安心する。歩いても帰ってこれる。ホテル傍のカフェはピザとコーラのセットが120円で、エスプレッソが30円と外食も激安だ。

 二日目のブダペストといっても観光初日。正午より歩く。万歩計で途中まで一万歩と出たがそれから止まったきり。壊れているのか。コンパスでホテルから北西方向に歩く。スーパーやコープを見つけては入りいろいろと買う。ワインは瓶で一本100円くらいからごろごろとあるのを買う。パンはみんなどでかい。枕みたいなのもあって60円だが二人で三日は食べられそう。カマンベールチーズも100円と嬉しい値段。ハングリー精神で歩いてダイエット旅行と思ったが、これでは連れも痩せられそうにない。アイス20円を食べ歩く。だいたいの方角で歩いたが、道行くサラリーマンに聞いたら英語で教えてくれた。近からず遠からず少しズレていた。ようやく市民公園に着く。広い公園だ。公衆トイレを探すがない。ゴミ箱と吸い殻入れはあちこちあって感心するのに、みなさんどこで用を足しているのか。トイレはカフェなどなどにあるが有料で200フォリンだから70円がかかる。トイレのたびにかかるのは大変だ。公園の端には動植物園とサーカスがある。それとセーチェニ温泉というローマ風呂のような円形の建物の中が巨大な温泉プールで入るに水着着用で高いのでパスする。別の安い温泉に入ろうと思う。城もあり池ではボート、噴水のある公園のベンチで昼下がりになったが昼飯のワインとパンとチーズでワンパターンの食事。盲人が地下鉄の駅はどこかと聞いてきたので近くにある駅まで連れてゆく。連れは困った人には世話焼きだ。公園のベンチはしゃれていて、ピアノの鍵盤と楽譜になっていたので、スナップ写真。ここは音楽の都でもある。バルトークとリストの故郷だった。
英雄広場は建国記念広場で塔と歴史上の人物像が並ぶ。わいわいと騒いで12人くらいがペダルを漕ぎながら走る自転車バスみたいなのが面白かった。広場の左右には西洋と現代の美術館。その広場前のメーンストリートはブロードウエーみたいなもので、高級ブランドショップが並ぶ。コダーイとリストの博物館がある。が、見るだけ。恐怖の館のビルはナチの十字とソ連の星から自由を勝ち取った象徴として残された。かつては本部に使われて恐れられた建物だ。ハンガリー動乱のソ連戦車を市民が取り囲む写真などが外に張り出されている。現代まで続く民主主義の春はこのブダペストから始まった。国立オペラ劇場も中はすごいらしいが、あれこれと入場していれば予算がなくなる。外観だけで記念写真だ。連れはいたく気に入りそればかりスマホで撮影していた。ウォーキングの最終地点、聖イシュトヴァーン大聖堂に至る。足も痛くなり疲れてきた。ブダペスト最大の聖堂だが、ここ100年で完成されたもので歴史的建造物でないのが多い。そこも見るだけ。街は四階建てで高さを統一しているところはパリと似ているし、重厚な様子はミラノのようだ。どこかしこ写真になる。
帰りは地下鉄だが、10枚で3000フォリンだから千円くらいのお得な切符を買う。自動券売機はハンガリー語でちんぷんかんぷん。駅員さんが駆けつけてやってくれて助かる。年配者は英語が通じない。サインやメニューも読めない。英語万能ではない国では連れは関西弁でまくしたて、わたしは津軽弁。それでなんとか通じるから不思議だ。

ホテルへ帰り、近くのスーパーで夕食にパスタをしようと買い込む。スイカが半分で50円、りんご10個で200円。これではとても痩せられない。どれも美味しくて安いので買い物も興奮する。ベッドでバタリと寝る。旅の最初の疲れが出ていた。