どうしてこうなった | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
ごきげんよう!

この度、清衡の妻・仁子(ひとこ)役を務めました筒井です。

後三年記公演にお運びくださいました皆様、また応援してくださいましたすべての皆様に、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました!!

個人的にキシャで上演してきた作品の中でも一番好きな陸奥話記公演。
その続編である今作は、最初からとても思い入れの深い公演でした。

やっぱり、陸奥話記も後三年記も、なんかとにかくカッコイイんですよね。
れいこさんが言っていたように、熱量が違うというか、東北の地で精一杯生きて、色んなものに抗ったり、何かを守ったり、命をかけて戦う彼らの生き様が、本っっっ当にカッコイイんです。
「生きる」という、ただそれだけのことが、いかに大変ですごいことなのかを、彼等が教えてくれているような……そんな作品になっていたら素敵だなと思います。

仁子も、まさに舞台上で命を散らした一人ですね。
実は私が陸奥話記の時に演じた冬己(ふゆき)という役も、舞台上で壮絶な自死を遂げた蝦夷の妻でした。
そんなわけで、今回の私の一番の課題は、冬己と仁子をどう演じ分けるか、というところでした。演じ分けられていたかどうか、正直自分では中々わからないのですが、演じている気持ちとしては全く違ったものになりました。

仁子は、いわゆる良妻賢母の中でも、夫の三歩後ろに立って控えているようなタイプで、特に有加のような(あるいは冬己のような)強い女性と対比すれば、ある意味弱い女性なんだろうと思います。その弱さ故に、あんなことになってしまったのではないかと。
仁子が本当の意味でもう少し強い女性だったら、あるいは清衡と家衡の戦いは避けられたかもしれないですね。なんなら楽屋でも「この戦そもそも全部仁子のせいじゃない?」と言われてました、はい。申し訳もござりませぬ。

ちなみに、キシャでは大体「帝の奥さん」役か「母親」役を演じることが多かった私ですが、今回なんと初めて、天才子役ともみさんの母親役を務めさせていただきました!でも初めてだってことにさっきまで気付かなかったくらい、自然に親子になれましたね。ともみさんの子役力に支えられました。
どちらかといえば大変だったのはこれまた初めての久保田の相手役だったのですが(だってなんか久保田が旦那だと思うと笑えてきちゃって…)、最終的にはなんとかハマったんじゃないかと思います。なんたって舞台袖で円陣組ん(ry

最後に、この公演を支えてくださった素晴らしいスタッフの皆様に心から感謝を申し上げます。後三年記の世界を一緒に作ってくださって、本当にありがとうございました!!

長くなりましたが、本日はこの辺で。
また皆様と5月にお会いできることを祈りつつ……。

ごきげんよう!