第8話
〜絶望から這い上がれ!〜


彼が結婚した、彼が結婚した。。。
頭の中でただ反復するばかりで
涙すら出てきませんでした。

まさにこれが絶望ってものです、、
いつか絶対戻れるって頑張ってきたのに。。
もう彼の妻にはなれないんだ。。


どれくらい時間がたった頃か
姉から電話がかかってきました。

様子のおかしい私。
何かあった?と聞かれ、
すべてを話しました。
自分で喋ってる言葉が耳に入り
改めて事実を認識させられて、
はじめて涙が出てきたのです。

そして『めっちゃきついわ。。』

と感情を言葉にすると涙が止まらなくなり
携帯を握りしめながらボロボロと泣きました。

私の想いをよく知っていた姉も

『そっか。。そりゃきついね。。私も辛いわ』

と言い、電話口で一緒に泣いてくれました。


暫くの間言葉もなく、
二人で泣きました。


励ますわけでもなく
ただ一緒に泣いてくれる、悲しんで
気持ちに寄り添ってくれる人がいる有り難さ
この時身に染みて感じました。


こうして感情の蓋が開いた私は
悲しみの海にどっぷりと沈んでいくのです。

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翌日はとても会社に行ける状況ではなく
(精神的にはもちろん泣き腫らした顔がとにかく酷い

一日中ベッドに横たわり、
天井をただ呆然と見つめるばかり。
まさにシカバネ状態です←とても怖いと思います

そしてふと我に帰れば、また例の事を考える。

相手はどんな人だろう、綺麗な人なんだろう、、
あの時こうしてればよかった、、

取り留めのないことを考えては泣く。
泣きつかれたらまた、
シカバネ→グルグル考えて泣く→シカバネ
この繰り返し。


しかしいつまでも休むわけにもいかず
何しろする事がなく家にいる方が辛い。
翌日からは普通に出社しました。

電車の中だろうとデスクだろうと
おかまいなしに泣けてくるので
大きめマスク+眼鏡という顔面を隠した
勤務スタイルを数ヶ月間貫きました。 ←怖いと思います


悲しみも味わい尽くして
どん底まで沈めば必ず浮き上がってくる。
明けない夜はない。

よく聞く言葉です。
姉や友人も、本当に様々な形で励ましてくれました。

だけど、いくら味わっても
終わる事のない悲しみに感じられました。。



そして食べられない、寝られないが続いた私は
とうとう体調も崩し始めます。

父が亡くなった時も
食欲だけはキープしていた私。
食べられないというのは重症でした。
ついには医者の友人に紹介され
内科に通院する始末。。
幸い漢方と素晴らしい先生に助けられ
徐々に体力は戻り、体は持ち直しました。


それでも相変わらず
心の傷は少しも癒えていないように感じました。


ちょっと元気になったかも、、と思うも
数日後にはまたひどく落ち込む。
早く立ち直りたいのに
ただ一進一退してるだけに思えて
余計に落ち込むのです。


でも、変わらないように見えて
本当はちゃんと前に進んでいるのです。
人は必ず幸せに向かうようにできている。


使い古された言葉ですが、本当に
明けない夜などないのです。
夜明け前が一番暗いだけ、、

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数ヶ月が経ち

表向きには前向きに振る舞うも

身内の前では

相も変わらず落ち込んでいました。甘えていたんですねショボーン



ある日、姉の家に行った私。


姉が『ディズニーでも行こっか?』と誘うも


『思い出がありすぎてちょっと、

しばらくは行けないかも、、』と私。


『そっか!じゃ気分一新して

新しい服でも買いに行こ!』


しかし私は

『新しい服なんか買ったって

かわいくしたってもう意味ないし、、

どうでもいい』


というような事を言ったのです。

すると姉は、声を荒立ててこう言ったのです。



『たかが男に振られたくらいで何!?

前のあんたは男がいようがいまいが

おしゃれしたり、旅行行ったりライブ行ったり!

人生めっちゃ楽しんでたよ!

そんなつまんない女じゃなかった!!』



普段の私なら言い返すところですが

ケンカする気力もなかったため

トボトボと泣きながら姉の家を後にしました。


←この頃の私は「101回目のプロポーズ」の浅野温子バリにスタンダードに泣いてました。えーん


帰り道、姉の言葉が頭の中にこだまする。


そんなつまんない女じゃなかった。。

たかがオトコに振られたくらいで。。


ほんと、

つまんない女になっちゃったな、と自己嫌悪。


しかしそれは突然。

猛烈に怒りが湧いてきたのです。



どこまで私は彼に振り回されるの?

私の人生なのに、彼がいなかったらホントに終わりなの??

彼以上の男はホントにいないの!? 


ムキームキームキー


いーーーーや!!そんなことねえ!!

絶対彼なんかより素敵な人がいる!

てか!!

私が彼なんかよりずっとすんげー良い女になってやる!!!←女じゃないけどな

二度と男に振り回されるもんか!

男に幸せにしてもらおうとかやめだ!!


私がわたしを幸せにする!!!


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込み上げてきたのは

私自身への怒りでした。

私をずっと蔑ろにしてダメ出ししてきた

私の中のもう一人のわたしが声を上げたのです。



メラメラ燃えた私は

号泣しながら小走りで家路を急ぎました

←もちろん浅野温子は健在!

でもさっきまでの涙とは違うんだ!



頭の中では

大好きなB'zの一曲が流れていました!



さよなら傷だらけの日々よ

目指すは次の世界

明日はもうここにはいない

別れとはつらく新しいものだろ

まだ見ぬ風にのってグライド  


〜『さよなら傷だらけの日々よ』B'z 歌詞一部抜粋〜



もう決めた!!

わたしは私を取り戻す!!!

絶対に私を幸せにする!!!



続きます右矢印


えみ照れ