森の舟屋

■　森 の 舟 屋　■　

所在地　/　埼玉県越谷市　
構造　/　木造　伝統的構法（金物は使用していません。壁内部は貫を使用。）
竣工　/　2010年6月
主要用途　/　住宅　新築
敷地面積　/　544.62㎡
建築面積　/　146.84㎡
延べ床面積　/　118.98㎡

森の中にふわりと浮かびあがるイメージの外観。

舟屋の特徴は3つ。

・東西南北の四面すべてに縁側（回廊）がついている。

・坪庭があり、ガラス張りの浴室、洗面所、お手洗いから内庭を楽しめる。

・正方形の形をしている。

どんな建物なのか、下記にてさらに詳しくご紹介していきます。

こちらは正面からの写真です。

まずは玄関からご案内します。

とても明るい玄関です。

この玄関ドアには、綺麗な飾り窓がついています。

実は、お施主さんの作品です。

玄関から入って左手には洗面所、お手洗い、浴室が続きます。

外部からはわかりませんが、内部には坪庭が設けられています。

ここがその坪庭と浴室です。
ガラス張りの内庭を、ぐるりとお手洗い、浴室、洗面所が囲います。

こちらは浴室から坪庭を眺めた写真です。

向かいに見えるのはお手洗いです。

浴室の床には大谷石、壁にはヒバを使用しています。
とても良い香りのするお風呂です。

玄関の右手には寝室がひろがります。

ここは寝室続きの書斎です。

別名、杉の間。机も床もフローリングも、すべて杉を使用しています。

このお部屋もとても良い香りがします。

ちょっと寄り道をして、こちらはウォークインクローゼットです。

それぞれの個室には無垢のフローリングを使用しています。

寝室や書斎、ウォークインクローゼットは杉。

やわらかな歩き心地です。

さて、玄関の前の通路をぬけてリビングへ。

カウンター付きのキッチンです。広々としたリビングを見渡しながら家事ができます。

ちょっと見渡してみましょうか。

こんな感じです。

LDKは桜のフローリング。

見目が美しく、足に伝わる温度もとても暖かいです。

庭側の縁側には手すりがなく、ゆったりとした空間が広がります。

リビングから回廊にでました。

足に伝わる感触が気持ちよくて、ついぐるぐるしてしまいます。

こちらは手すりの拡大写真です。

下の写真のひし形の穴に、手すりを立てて完成となります。
もちろん金物は使用していません。

回廊は、どうしても雨などで濡れてしまう可能性があるため、

経年劣化の際にも解体しやすい作りとなっています。

最後に、これは屋根裏の写真です。

森の舟屋には大黒柱が4本あります。
中央に大きな大黒柱をたてるのではなく、四方に大黒柱を建て、
斜めに梁をのばして屋根を支えています。

横長の窓からはこんな風景がみえるんです。舟屋の隠れ場所。特等席ですね。

----舟屋の材料------

このお宅で使われているのは山形の金山町の杉です。

金山は普通の森では出会えないような大木がたくさん残っている場所です。

とても太くてしっかりとしています。

舟屋は虫や腐食に非常に強い、杉の赤身が構造体です

（構造体とは、柱や梁など家の骨組となるところをいいます）。

伝統的な造りでありながら、とてもモダンなデザインというのが、森の舟屋の最大の特徴かもしれません。