あけましておめでとうございます。展示ガイド(美術)グループの坂田です。
1月6日、新年最初の日曜日。
穏やかな冬晴れの等々力緑地では、中原区消防団の出初式とちびっ子サッカー試合に人が集まり、ミュージアム逍遥展示空間では、洗足学園音楽大学の艶やかな着物の女子学生たちによる箏曲演奏会、映像ホールの坂本九の懐かしい映画上映などで賑わっていました。
正月らしいイベントに、家族連れなどミュージアム内外はいつになく活気がありました。
この日、アートみどころガイドは11時半、13時半、14時半と3回の予定。
私たち美術展示ガイドは、ボランティアユニフォームを初めて着用しました。
ユニフォームは軽くて着脱し易いフルジップベストで、美術展示ガイドグループ用は黒色。
ユニフォームのベストを羽織ると、ガイドの責任感と高揚感が高まります。
参加勧誘の案内旗、集合パネルに加え、今回初めてのミニチラシを職員の内海さんが用意してくださっていました。。
これでボランティアガイド4点セットが揃い、万全の体制となりました。
第1回目、11時半からの回は私が担当し、内海さんが同行サポートしてくださいました。
坂本九の映画「上を向いて歩こう」の上映12時半を目指された方が多かったようで、ギャラリーには見学の方々がこられています。
内海さんが声をかけてくださり、7名の方が参加されました。
私はルーティンコースの常設オブジェから始めました。
逍遥展示空間は箏曲演奏会の準備中でしたので、ロビーには降りずギャラリーフロアから、オブジェ「川崎」、「2001、2002、2003」、「カノン」などを指して、作品名、作者の制作意図などを話し、後日間近でゆっくりご覧いただけるようお伝えしました。
ギャラリー前の「笑い」の説明には特に興味を持たれたのでしょう、参加者は手塚治虫世代の皆さんがほとんどで、周囲を歩いて反応を喜んでおられました。
次はギャラリーガイドです。
アートギャラリーの3つの展示のうち、私が選んだのは
いろとかたちの実験:ヨーゼフ・アルバース
『フォーミュレーション:アーティキュレーション』展です。
ブース入口の展示名だけでは、何のことか、どなたにも分かっていただけません。
私は、アルバースとは人名で、どんな人だったのか、展示名の言葉の意味を話しました。
アーティキュレーションとは何か・・・難しい!
私の言葉では伝わりきれず、参加者の方々は分かりづらかったかもしれません。
ブース内に移ってからは、作品ごとに解説しました。
ことに「正方形讃歌」では、「現在の色彩学の用語ですが」と前置きして、彩度、明度、色相について話しました。
赤色系4点の作品には、前進色、後退色が分かりやすく、興味をもたれたようです。
参加者から特に反応があったのは「柵をめぐらされた」です。
ショーケースに顔をつけて間近で見たり、2~3歩離れたりして錯視効果を楽しんでおられました。
どなたかが「横浜中華街を思い出す。」と仰っておられました。私がトリックアートやだまし絵の事例をあげて説明すべきだったかもしれません。が、私は中華街トリックアート美術館に行ったことがなく事前準備不足だったのを後悔しています。近々訪問見学して、次回に備えます。
先月、平井学芸員のギャラリートークを聴き、自分なりの解釈を加えて解説してみました。
坂本九の映画後、女性の方が「さっきの説明で面白かったので」と、再度ギャラリー見学に来られました。ガイド冥利に尽きましたね。
なお、第3回目の14時半からも私が担当することになっていましたが、14時15分に始まった箏曲演奏会と完全にバッティングしてしまいました。ギャラリーでは声を出せる状況ではなく、残念ながらアートみどころガイドは見送ることになりました。
初春の 風にひらくは ミュージアム
新春に 誇りと自信の ユニフォーム