営業ノウハウ集:若手営業向け「デキル営業」への近道。 -4ページ目

ランチェスターの法則


マーケティング戦略の中でも特に有名な法則です。



営業に限らずいろいろなものに応用ができますので、知識として持っておいて損はありません。


ランチェスターという人が第一次世界大戦の飛行機の損害状況を調査し、導きだした法則で、要点は「武器の性能が同じなら、数が多いほうが勝つ」というものです。


まるで当たり前ですね。(笑)



しかし、この法則を使って戦略を組むのは、いわゆる「弱者(ビジネス上の弱者)」です。




資金も潤滑で、兵力(いろいろなものが当てはまりますね)も多いのであれば、大市場でどんどん広告を打ち、とにかく数を稼いで囲い込みをすればいいわけです。



しかし、そうも行かない「弱者」の場合は逆に「敵」が少ないマーケットを切り開く必要があります。


これがいわゆる「ニッチ戦略」「差別化」に当てはまります。




「弱者」「強者」の立場は、市場の状況によっても変化します。


例えば、「ニッチではあるが、ここのマーケットでは明らかにトップを取れないので参画しない」という解釈をしてしまうと、マーケットそのものが広がった時に地団太を踏むことになります



また、現在、大きいマーケットで強者であったとしても、そのマーケットそのものがしぼんでしまった時には大打撃となります。




単純に、


「大きいマーケット」

「ニッチマーケット」

「強者」

「弱者」


というカテゴリー分けをせずに、現状の把握から始まり、自社そのものの成長や市場動向を踏まえ、マーケットごとに戦略を選ぶ必要があります。




詳細は書ききれませんので、ここでは戦略の基本部分のみ紹介いたしますね。


強者・弱者の戦略にはそれぞれ以下のように5つずつあります。




■弱者の5大戦略


「局地戦・一騎打ち・接近戦・一点集中・陽動作戦」


■強者の5大戦略


「広域戦・確率戦・遠隔戦・総合戦・誘導作戦」




まず、「弱者の5大戦略」を簡単に説明します。



1、局地戦

これが、いわゆるニッチ市場を狙うということです。


2、一騎打ち

ライバルが少なく、「敵」を定めやすい市場を狙います。

例えば、現在5社競合でNo.3の立場にいるなら、明確に敵はNo.2になりますね。

ここを叩き落すにはどうすれば良いかに全力を挙げます(目指すは当然No.1です)


3、接近戦

フィジカルアタックと申しますか、いわゆる「顔の見える営業」に徹するということです。

営業は(蛇足ですが恋愛もそうですね)、接触回数で好感度が左右されることは言うまでもありません。


4、一点集中

資源・人材を、狙ったところに集中的に使うということです。

営業個人に配すれば、ターゲットに時間を重点的に割くということになります。


5、陽動作戦

敵に手の内を見せず、行動を進めることを指します。


他社営業と仲良くなる 」という記事を書きましたが、これを逆の立場でしたときに、顔で笑って本音は決して言わないと書いたら、いやらしいでしょうか。

ただ、ビジネスの根幹の部分に限って意図を漏らさないという意味ですので、お間違いなきよう。





次に「強者の5大戦略」ですが、強者とは、圧倒的シェアトップの企業のことを指します。


強者の戦略は、基本的に「物量作戦」のため、相応の資金的体力が必要になります。



1、広域戦

物理的に市場対象地域を拡大するということです。(言うまでもなくワールドワイドが最大ですね。)


2、確率戦

数打ちゃ当たる、というやつです。

マスメディア(テレビCMなど)で需要を喚起し、売上規模を拡大します。


3、遠隔戦

営業マンの人海戦術ではなく、販売代理店制、フランチャイズ制を採用して、マーケティングに徹する。


4、総合戦

ヒット商品に頼らず、製品ラインナップを数多く用意し、多くの市場に対応する。


5、誘導作戦

市場・顧客・競争相手に対し、あからさまな動きで注目を浴び、自分の方を向かせる戦略を取る。




ザックリと言えばこんな感じでしょうか。



弱者の戦略についても、全てを同時に行なえるというわけではなく、その中の一つしか選べない場合もあるでしょう。


もっと簡単にまとめれば、「どこでNo.1を取るか」ということになるかもしれません。

そのために必要なことは何か、という側面から考えるのも一つの手です。




あなた、もしくはあなたの会社が持つ製品・サービスの長所は「あなた」にしかわかりません。


ですので、あなたの「(ビジネス上の)弱者の戦略」を練ることができるのも、あなただけなのです。