ラプラスの箱を巡る戦いの丁度一年程前。
 アナハイムによるMSのテストから事件は始まった。
 ネオジオンによるMSの強奪は、彼等を更なる数奇な運命へと誘う。
 ネオジオンでは無いテロリスト集団『カラード』、デルタ・カイの存在と共に闇へと葬られた筈のNitoro、火星独立ジオン『リ・ジオン』。
 幾つもの糸が交わり、千切れ、もつれあう。

 その先にある物は―



:FAZZ・ジェガン

武装:シールド/バルカンポッド×1、ニークラッシャー/ビームサーベル×2、連装ビームライフル/ビームサーベル×2、ビームキャノン×2、拡散メガ粒子砲×1、17連ミサイルランチャー×2、オプション:メガビームランチャー、インコムユニット

 ジェガンD型のバリエーションとして開発された機体。
 GMⅢのコンセプトを受け継ぎ実弾兵装主体で設計されたスタークジェガンだったが、ミサイル系を初めとした装備はコストが安くとも使い捨てで、宇宙空間において破片がデブリになるという問題点を孕んでいた。
 この点から補充が利きやすく距離によってはエネルギーが拡散するビームを主体とした兵装が考案される。
 かつて多数のビーム兵器を備え、第一次ネオジオン戦争で多大な戦果を上げたZZガンダム。
 その試作機と更にリゼルのパーツを流用した為、『FAZZ』(ファズ)という識別名称が付けられている。

 各部の追加装甲は基本的にスタークジェガンと共用。
 脚部は追加装甲を介してリゼルの脚部バーニアとニークラッシャー。
 下腹部とサイドスカートは現存していたFAZZから。
 肩はミサイルポットの代わりにFAZZの肩アーマーを、バックパックも丸ごとFAZZの物を装着している。

 両腕には二連装ビームライフルとビームサーベルを一纏めにしたシールドを装備。
 腹部のメガ粒子砲は出力こそ下がっているが、拡散式へと変更されエネルギーはバックパックから供給される。

 当初のコンセプト的には成功したが火力的にZZやFAZZに及ばず、機動性は高いものの癖があり推進材の浪費が激しいと中途半端に仕上がってしまった。
 スタークジェガンの様にミサイルを使いきれば軽量化による機動性の向上を望める訳でなく、エネルギーが尽きてしまえばビーム兵装は只の重りにしかならない等の欠点もある。

 バックパックのミサイルランチャーは、リゼルのメガビームランチャーかインコムユニットとの交換が可能。
 本体であるジェガンD型はメガビームランチャーやインコムユニット使用に対応する補助コンピューターがコクピットに増設され、各部位の反応速度を高めるチューニングが施されている。



:リ・ガゼル

武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル/ビームガン×2、グレネードランチャー×2、メガビームライフル×1、シールド/ビームカノン×2、プロト・フィン・ファンネル×2


 リゼルのディフェンサータイプとは違う方向性を目指したカスタム機。
 ディフェンサーがリミッターを外したリゼルの本来の姿だとすれば、リ・ガゼルはΖⅡの後継機として本来の姿となる。
 カラーリングは青系統で纏められ、頭部はデュアルアイ・4本角でマスクもΖタイプを意識した為に、印象もかなりガンダムに近くなった。

 バックパックはウイングユニットを装備し、プロト・フィン・ファンネルを搭載してオールレンジ攻撃にも対応。
 メガビームライフルはZⅡの物を使っていて、リゼルのメガビームランチャーより威力は劣る物の取り回しが良くなっている。

 簡易サイコミュであるバイオセンサーを備えた本機の開発の裏には、デルタ・カイの存在が関係する。
 というのも本機のパイロットはニュータイプや、それに近い存在を意識しており一般的な兵士には制御不能な程に過敏な反応へ設定されている。
 その為、機体の一部制御をサイコミュにいぞんしているのだが未知の部分が多くコストの掛かるいサイコフレームではなく、安価で機能の制限があるバイオセンサーが採用された。
 想定外の事態を起こした時の外部からの介入が簡単な事が理由だが、ソレは機体・パイロット双方を指している。
 そしてデルタ・カイに搭載されたNitoroは、パイロットを強化人間にしてしまうシステム。
 リ・ガゼルとデルタ・カイの二機は、UC計画の一部としてある意味連動した姉妹機とも呼べる存在なのだ。


:量産型νガンダム (高機動仕様)

武装:頭部バルカン砲×2、ビームサーベル×2、ビームライフル×1、シールド/ビームキャノン×1、ミサイル×4/×1、ハイパーバズーカ×2、フィン・ファンネル×6

 かつて地球を救ったとされるνガンダム。
 しかし、その不可思議な力を危険視されて量産計画は破棄されてしまった。
 本機は完成したにも関わらず、封印された内の量産型の一機である。

 元々νガンダムはアムロ・レイの専用機という他に、ロンド・ベル次期主力試作機という側面を持つ。
 その為、連邦で流通する部品を多数使用してコストと開発期間の大幅な短縮を果たした。
 更に高い汎用性と信頼性すら獲得し、量産型は更なるコストダウン(ジェガンと比べれば遥かに高価でも)と操作性を改良する事により傑作機となる事は間違い無かった。
 開発中止を受けてもアナハイム内ではνガンダム関連の開発は密かに続けられ、機体のポテンシャルや可能性を追求するシナンジュ等とは別の、ガンダムやアムロ・レイを崇拝する狂信的なスタッフにより本機はアップデートを繰り返されていた。

 UC194年でも最強クラスに君臨するであろう性能を誇る量産型νガンダム。
 更にνガンダム自体の強化案であるHWSの脚部スラスター、完全版であるHi-νのバックパック。
 メガビームシールドを再構築した追加高機動ブースターを装着する事で、本機は初代νガンダムをも上回る性能を獲得。
 しかし高過ぎる性能は、もはや常人に扱える代物では無くなってしまい、パイロット不在のまま倉庫の片隅に鎮座する事になってしまった。



:ハル=バート

 連邦軍からアナハイムにテストパイロットとして出向している中尉。
 良い年したオッサンだが、少年の心を忘れない自称「永遠の十七歳」。
 飄々としていて捉え処の無い性格でふざけた感じの口調だが、後先の事はそれなりに考えているつもりのお人好し。
 一年戦争時に成り行きで少年兵としてパイロットになり、なんやかんやで続けている。

 グリプス戦役から第一次ネオジオン戦争まで連邦兵としてエゥーゴやティターンズに属さずに戦い続けた。
 主戦場には回されず、ひたすら僻地で戦い続けた為に腕と勘と運は良い。

 一年戦争時に憧れていた女性が戦死しグリプス戦役では女強化人間と友人になる等、それ以外にもフラれたりと女運は非常に悪い。
 第一次ネオジオン戦争で母艦を失ってヌーベルジムⅢで漂流中に一人の少女を拾い、更なる厄介事に巻き込まれる。
 同時に正規パイロットへ嫌気が差してテストパイロットへと転向。
 シャアの反乱時は月で重装型ジェガンのテスト中に、ネオジオン残党と戦闘に入る。
 思わぬ援軍に助けられたが故に、そのままズルズルと…。

 戦闘スタイルは両手にライフルを持った二挺拳銃スタイルで、多数の火器を使い分けての早撃ち。
 格闘戦もこなすが、怖いからなるべくしたくない性分。
 実はG耐性と空間把握力が異常に高い。

 搭乗機体はジムキャノン→ジムキャノンⅡ→ヌーベルジムⅢディフェンサー→重装型ジェガン→FAZZジェガン



:レモン=バート

 アナハイム所属のテストパイロットで、ハルのパートナー。

 第一次ネオジオン戦争時にカプセルで遭難中にハルに拾われた少女。
 実はプルシリーズの内の一体で、MSの操縦に関しては一部ハルを上回る技術を持つ。
 ハルをマスターと認識しているが、彼の意向で『年の離れた兄妹』となっている。

 仕事中は沈着冷静で『ファイティングコンピューター』だが、普段は重度のブラコンヤンデレ。
 平時は常にハルの異性との接触を妨害している。

 シャアの反乱時にネオジオンの残党に襲われたハルを助ける為に、リゼル開発の為に改修されたメタス改に搭乗。
 そのままアナハイムのテストパイロットとなる。

 スタイルは可変機の特性を生かしたトリッキーな機動戦。
 遠距離からの狙撃や、サイコミュへの適正からファンネル等も使える。

 搭乗機体はメタス改→プロト・リゼル→リ・ガゼル




なんて物を妄想している今日この頃。