衆参両院の憲法審査会で改正論議が改めて始まりました。焦点は九条ですが、あまりにも現実離れした条文は書き換えざるを得ないでしようね。いくらなんでも「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」(92項)は現実に合いません。専守防衛のための戦力は戦力と言わないなんていうのも話をあいまいにし有害です。

ということで、九条の書き換えは仕方ないと考えますが「正義と秩序を基調とする世界平和を誠実に希求する」(91項)の平和主義は絶対に捨てたくありません。これは、論議のテーマでなく信念の問題だと思います。
 
もう、半世紀も前ですが、入社試験の面接で「再軍備について君はどう思うか」と聞かれました。想定その一の質問でしたので、考えてきた通り「再軍備は反対です」と決然と答えました。驚いたのは、面接委員が烈火の如く怒ったことです。「そんなことて家族を守れると君は思うのか」と怒気を含んで問いました。「仕方ないでしよう」と答えました。本当にそれ以上答えようがありません。「妻がどうなってもいいと言うのかね」とたたみこんできました。「腹を決めるしかないでしょう」。実際にはそこまでは考えていなかつたのですが、そう言うしかありませんでした。面接委員はパフォーマンスとは思えない嫌そうな顔をし、その話はそれで終わりました。
戦力を持たない、ということはそういうことだと今も思います。ただ、実際には黙って見ていることはできないでしょう。だったら最初から銃を取るか、というのが再軍備の話ですが、実際には日本はすでに銃は持ってしまつています。面接は半世紀も前の話ですが、その当時でも日本の戦力はアジアでずば抜けていたのではないでしょうか。 
 
  つまり、九条の書き換えは必要だとしても、平和主義の貫徹のために何が必要かを突き詰めることが今後の論議に必須だと思います。[