ダブルスコアでクリントンさんの勝ち、と前回のブログで予測しました。結果は大はずれ。これだけ違うと釈明のしようもありませんが、それにしてもアメリカ人はよく理解できないなあ、と痛感しています。

 

 

 建て前上は「コレクトネス(正しさ)」をあれだけ大事にする彼らが、あの暴言のトランプ氏を選ぶとは思いもよりませんでした。もつとも、わずかの経験からですが、彼らは半分壊れた人たち、という印象を持っています。すごく理想主義の所があり、人権や博愛、誰でも夢をつかめること(アメリカンドリーム)を大事にするけれど、クスリに溺れたり、離婚する率がとても高いのです。理想と現実、建て前と本音の開きが大きいのですね。

 

 

もう、三十年も前ですが、アメリカ国務省の招待で、アメリカの教育事情を見て回る機会がありました。「(経済で)日本に負けたのは教育のせい」とアメリカが思い込んでいるころでした。そのとき、街中に「人間やめますか、薬やめますか」というポスターがあちこち貼ってあるのに驚きました。それだけ薬害がすごいのだそうです。

  ある中学では、生徒の家庭の半分は両親が離婚歴があるか、片親の家庭(校長先生は、欠損家庭と表現)だとの説明を受けました。「離婚で子どもの足元が砕け散ること(フラグメンテーション)が問題です」と校長先生は肩をすぼめました。ある州では、高校生の中退(ドロップアウト)率が25%にも上ると、教育委員会の幹部が顔をゆがめました。なかなか大変な社会だな、と思いました。

 

   今度の選挙結果は、本音で暴言を吐くトランプ氏の勝利となったわけですが、彼の暴言が受けたのは、国民も建前と本音の乖離に疲れてしまつた、ということでしようか。「移民に職をとられるな」など、移民を祖先とする多民族国家のリーダーが口にしてほしくありません。腹で思っていても。しかし、貧しくなるばかりだし、もう本音で叫びたい、という中・下層の国民の気分に合致したのでしょね。

 

さて、日本にとつて注目されるのは日米安保の将来。トランプ氏 は「日本の安保ただ乗りはけしからん。北朝鮮と自分で戦え」と言っているそうです。それがアメリカ人の大方の本音なのでしよう。あれだけ、沖縄などの広い土地を基地に使っておいてよく言うよ、と思いますが、現行の日米安保条約破棄はあるのでしようか。「向こう三年間のうちに、70%の確率てあり」と推測しますが、どうなりますか。

ここまで書いたら、17日にニューヨークで安倍首相がトランプ氏に会うというニュースが流れてきました。日米の絆を確かめたい、という事でしょうが、すぐに飛んで行くんじゃ、みっともなくありませんか。安保がなくても自力で非戦国家推進――これ、立て前で現実的には違うとは思いますけどね。

 安保破棄の確立を20&に下げておきます。これではトランプ氏も、いくらか米軍駐留費の日本負担を増やせば「継続」を表明するでしょうしね。