書文協ではこれまで、上位入賞者の在籍する幼稚園・保育園、学校に受賞者名を連絡して顕彰(ほめる)の機会としていただくようお願いしてきました。しかし、ここ3年ほど、筆者の病気などいろいろな事情でこの措置が十分に遂行されていませんでした。第5回全国書写書道総合大会(総合大会)からは、学校への連絡対象を広げ、特別賞(文部科学大臣賞から教育特別奨励賞まで、全体の約1.5%)すべてを連絡することにしました。


 学校はともかく忙しいのは知っています。しかし、校長先生と話していて「子供を褒める機会をいただけるのは嬉しい」とおっしゃる人が多いのです。学校にとっても有益なことだと思って敢行することにしました。


 夏休み前など、学校にはいろいろなコンクールの案内が山積みになります。全てに付き合っていては身が持ちません。それに他コンクールをけなすことになって恐縮ですが、公教育にふさわしいものばかりとは言えないのではないでしょうか。私どもは、共催の公益法人文字・活字文化推進機構と連名で学校に顕彰依頼状を出すことにしました。同推進機構は超党派の議員立法によって平成17年に成立した文字・活字文化振興法に基づいて創設されました。書文協の公共性を高く評価していただき、大会を共催していただいています。


 前回書いた「コンクール屋にあらず」は、多くの人に読んでいただきました。皆さん、コンクールの二面性には関心がおありのようですね。結局、今回の措置も上位1.5%の人のためだという面は否めません。しかし、もう一歩その先に行く何かがあるのではないか、と期待しているのです。教育のプロ、校長先生なら決して優勝劣敗だけの誉め言葉になるまい、と学校頼りではありますが。