スマホが無い携帯を失くした。
それもショップに借りた
代替機を失くした。

家を出る前にバッグに
入れた記憶はある。

バス停の手前で鞄に
携帯が入ってないことに気づく。

バッグに入れたのは
勘違いだったのかなあ?

家に取りに行く時間が
無くなっていたので、
その日は携帯無しで過ごした。

帰宅後、携帯の充電場所を
見るが何もない。
ピンクのスタンドが淋しく
一人で立っている。

机周り、着替える場所、
キッチン、洗面所……ない。

念のため固定電話から
携帯にかけてみる。

普段からマナーモードに
する習慣があるので
着信音はしない。

しかしバイブの振動音も
聞こてこない。

母の携帯電話を借りて、
自分の携帯を呼び出しながら
家中を歩いてみる。

やはり振動音はしない。

すると、カバンに入れたのは
実は記憶に間違いなく、
バス停までの間に落としたのか?

母の携帯を持ちながら、
玄関を出てバス停の方へ
歩きながら、道端で
ブンブン音がしないか
キョロついてみた。

一切それらしきもの無し。

諦めて帰宅。

そうだ、スマホって
こんな時のために
GPSで位置を探れないっけ。

パソコンで携帯キャリアの
サイトでお探しサービスを調べる。

おお、家にいながら調べられる!

「ご指定の端末は
 お探しサービスに
 登録されてません」

……昨日ショップで
預かった代替機だ、
登録なんてしていないさ。

時計の針はすでに
夜中の1時半を回っている。

これで手詰まりか……。

端末お探しサービスの
ページを見ていると
「24時間電話サポート」
の文字。マジかっ!?

夜中だからか一発で接続。

「いかがなされました?」

状況説明。

「では電波を停めて、
 画面ロックして……」

クレーム対策なのか、
とにかく電話を停めたがる。

いえ、今いる場所から
100メートル範囲内に
落としたはずなんで、
場所を調べたいんです。

「かしこまりました。
 ………………………
 見つかりません」

チャンチャン。

朝になったら警察に
遺失物届け出すしかないのかあ。

電話を切り、
寝る前にもう一度だけ、と
家の中を調べ……。

靴の中のスマホあった。

仕事部屋を出てすぐ、
玄関の靴の中に
携帯電話が落ちている。

スニーカーがクッションに
なって、振動が吸収されてた?

色が黒くて保護色に?

電波停めた5分後に見つかる
まさにマーフィーの法則。

再び電話サポートに……。

つづく。



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