ニューエクスプレス チェコ語/保川 亜矢子
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今回は、ヨーロッパのマイナーな外国語をどう勉強していくか?で、今回は「チェコ語」を紹介します。

まずは、「CD付き」の本でないと発音がわからないので、ニューエクスプレス チェコ語(CD付き) をお勧めします。
チェコ 」は、中欧の国で、オーストリア の北にあります。
「チェコ語」というのは、「スラブ語」に属しているのですが、この「スラブ語」は、歴史の流れの過程で、ロシア語のような「キリル文字」を使う言葉と、「チェコ語」のように「ローマ文字」を使う物に分かれました。
昔は「チェコスロバキア」だったわけで、「チェコ語」と「スロバキア語」はそっくりで、「ポーランド語」もそっくりです。
文字は違っても、発音や、似た単語が「スラブ語」で多いので、「ロシア語」や「ブルガリア語」なんかの、「キリル文字」を使う地域の言葉も、チェコの人達は、少し勉強すればわかります。
「チェコ語」は、だいたいこんな感じです。
Jak se máte?
Děkuji, dobře.
文字の上に、チェックマークのような記号が付く文字を使います。(「ハーチェク」と言います。)
発音していくと、だんだん「スラブ語」という事がわかってきて、「ロシア語」のような雰囲気です。
「チェコ語」の発音は、ドイツ語を勉強した人なら発音しやすい、「ローマ字読み」です。
ドイツ語を勉強した人なら、後はこの、「ハーチェク」などが付いた文字だけを覚えれば、似たように「ローマ字読み」できます。
ここに、少し難しい、古風な子音とかが入るので、日本人なら文字を見て、ドイツ語のように「ローマ字読み」していけば、読み方だけは比較的簡単にわかるのですが、実際の発音は、少し難しいです。
さらに、「文法」は、古風なヨーロッパの言葉は、みんなとても複雑で、この中欧の国の言葉は、古めかしい言葉で、「主格、与格、対格」などの格が、「7格」も種類があります。

あまり聞かないのが、「生格(~の)」で、これは「所有格」なのでわかりやすいですが、ギリシャ語のように「呼格(呼びかけ)」もあります。

後は、「古典語」を勉強しない人には、なじみが全く無い「造格(~で、~によって)」があります。

「古典語」では、この「造格」は、とてもよく出てくるわけですが、後に多くの国で「前置詞」で代用するようになっていき「格」が減っていって簡易化された言語になりました。

1つの言葉の表現をする場合には、このように「格」を変化させたり、「前置詞」を補ったりと、いろいろできるわけです。

それで、いろいろな表現が増えていき、「慣用表現」が増えた結果、それを知らない文化圏の人達が読んで、文字通り読んでしまって、「神話」などで多くの誤解を生んだような気がします。(日本語の「足を伸ばす」=「遠方へ行く」など)
「チェコ」という国は、よく知っているように「プラハ」が有名で、街並みは全体的に「芸術的・文化的」な街です。
「チェコ」は、戦争の影響をあまり受けなかったので、「バロック、ルネサンス、ゴシック、ロココ調」などの様々な様式の建物が、非常に保存状態の良いまま残っているので、「芸術」や「文化」的な事が好きな人は訪れてみるといいでしょう。
「チェコ」は、有名な芸術家もたくさんいて、ドヴォルザークや、アルフォンス・ミュシャは、チェコの人です。
「チェコ語」では、「ドヴォジャーク」「アルフォンス・ムハ」と言います。
アルフォンス・ミュシャは、「ムハ美術館」があります。
「チェコ」の「プラハ」と言えば、「プラハの天文時計」があって、これが本物の時計であって、今私達が使っているものとは少し違います。
「時計」というものは、この「天文時計」のように、本来は「天体現象」を現す物でした。
はじめは、「日時計」から人類は作りはじめて、最終的には「月、惑星、星座」も現すようになって、この「プラハの天文時計」が完成しました。
この「プラハの天文時計」の面白い所は、「時計の円盤の内側に、さらに、”星座の円盤”も周るのです!」
それで、私達が習ったように、「日時計」の時代には、夜の時間が測れなくて、「水時計」や「砂時計」を作って、測っていました。
ここで、間違いが起こり、「日時計」と「水時計」という、まったく概念が違った物を1つの感覚でまとめようとして、失敗して現在の私達の使う「時計」になりましたが、これは間違いで、どちらかと言えば、「定刻を刻む方の”水時計・砂時計”」を持ち歩いているような物です。
本来の「時計」は、「天文時計」の事であって、「天文時計」は、見れば様々な物事を読み取れます。
そこで、最近では、世界中の「時計職人」が、腕によりをかけて「天文時計」を復活させよう!という事で、最近では「腕時計サイズ」の「天文時計」が世界中で、売っていて、それを見ると、「月齢、惑星の位置、星座」なども出る、本物の時計が売っているので、1つ欲しいです。
「プラハの天文時計」は、2つの円盤が上下にあって、上の円盤は「プラネタリウム」と言って、「太陽、月、惑星、星座」が出る「時計」で、主な物は、「時間」と「年月日」が出ます。
それで、下の円盤は「カレンダリウム」と言って、「黄道12宮」と「四季の農耕の必要な事」が出て、1日で1目盛り進むカレンダーです。
中欧や、東欧は、どこか落ち着いた古風な街並みが多いので、「芸術」や「文化」が好きな人は、行ってみましょう!
実は、ヨーロッパの歴史は、この「中欧」や「東欧」「北欧」といった国が抜けているので、歴史の事がよくわからないのです。
「チェコ」の辺りの歴史では、「チェコ」は古くは「ボヘミア王国」と言われていて、チェコの「ボヘミアングラス」は、おみやげで有名です。
この時代には、「神聖ローマ帝国」とかの時代で、十字軍が出て、テンプル騎士団や、ドイツ騎士団の時代です。
その後に、「ハプスブルク家」の勢力が増して、「ハプスブルク帝国」の中に入りました。
この「ハプスブルク家」が、けっこういろいろなヨーロッパの重要な歴史に出てきます。
有名なのが、「マリア・テレジア 」で、この「マリア・テレジア」の娘が、フランスへ嫁いだ、「マリー・アントワネット 」です。
「ハプスブルク帝国」は、けっこう広い範囲で、「チェコ」や「オーストリア」「ハンガリー」「ルーマニア」などが入ります。
さらに、ドイツの「ノイシュバンシュタイン城」の城主の「ルートヴィヒ2世 」が、恋慕っていた従姉の「エリーザベト 」は、バイエルンから、このハプスブルク家 に嫁いで行きました。(今のオーストリアの辺り)
それで、しょうがなく「ルートヴィヒ2世」は、エリーザベトの妹のゾフィーと婚約をする事になったのですが、結局、婚約は破棄してしまいました。
このように、「中欧」や「東欧」「北欧」といった国の歴史の事が、よくわかっていないので、ヨーロッパの歴史は、いろいろと抜け落ちてしまっているのです。
「マリー・アントワネット」の「ヴェルサイユ宮殿」も見た!とか、「ノイシュバンシュタイン城」のバイエルンのお城も見た!という人は、今度は「中欧」を旅してみると、面白いでしょう!
この時代の昔のヨーロッパの時代には、ヨーロッパは「国」というよりも、各「貴族」間の独特な世界が広がっていたのです!