裁判員制度について
とうとう5月21日より裁判員制度が施行されました。
ところが裁判員制度には色々と疑問点があります。
一番の疑問点はなぜ殺人等の重罪に限るかという点です。
しかも政治家・官僚・地方自治体・大企業・米軍等我々の関心が高い部分は除外されています。
これはアメリカの陪審員制度で陪審員がアメリカ企業に甘く、日本企業に厳しい判決を出し、日本企業が多額の賠償金を支払っているのを知っているアメリカが日本に進出しているアメリカ企業に厳しい目を向けさせない為に日本側に要請して民事裁判を外させたという事らしいです。
この話が本当であれば日本は完全にアメリカの植民地と同じです。
それに倣って政治家・官僚・公務員を除外したとしたら言語道断です。
もう一つの問題点は公判前整理手続きによって検察側に都合の良い証拠のみを提示し、事前に裁判所と検察が話し合って裁判の方向性を決めておいて、裁判員という名前の国民を巻き込み、世論を味方につけようとしか思えない点です。
勿論弁護人も公判前整理手続きに参加していますが、除外された論点が何か等の情報は明らかにする事が認められていません。
従って検察にとって不利益な証拠は隠し、有利な証拠のみを提出する事ができます。
しかもこれは法律で認められている制度で、被告人に黙秘権があるのと似ています。
しかしこの事を悪用されると自白の部分開示により、検察の都合のいい場面のみを証拠として提示されたら、裁判員は検察寄りの判断をせざるを得ず、結果として被告にとって不利な判決になる可能性が大となります。
弁護士や多くの国民は全面可視化を求めていますが、今の所その可能性は低いのが現実です。
公判前整理手続きで論点を整理し、長引く裁判の迅速化を図るというのですが、そもそも重大犯罪の迅速化を図る必要があるのかどうか疑問に思います。
軽い犯罪の迅速化は理解できるのですが、重大犯罪を一般の裁判員が参加するからという理由で迅速化するとしたら本末転倒の話だと思います。
宗教上の理由や信条で死刑に反対しているから裁判員にならないと言っている人がいます。
そういう人は罰金覚悟で呼び出しには応じないと言っていますが、それなら尚更死刑反対の意見を述べるためにも参加すべきだし、懲役刑を主張すればいいと思います。
また人が人を裁く権利は無いという人がいますが、人は人が裁かなければ他に裁く人はいません。
神や閻魔様がいるのなら私もそういう意見に賛同しますが、残念ながらそういう存在はありませんから人が裁かざるを得ないと思います。
勿論、今までの裁判で何の不合理も感じず、満足している人にとっては裁判員制度は無駄な事なのかもしれません。
しかし、私は今までの裁判結果に疑問を感じる事が多かったので、基本的にはこの制度には賛成です。
しかし、疑問点に書きましたが、重大事件のみである事や検察が意図的に操作した証拠に基づき、判決を下す事には躊躇せざるを得ません。
正しい証拠に基づいた判決にはある程度自信がありますが、そうでないとしたら恐ろしい話で、自分が本来は死刑でない人に死刑判決を下す可能性があるということです。
只でさえ、事件現場の悲惨な証拠写真を見せられたら検察寄りの判断を下しそうなのに、被告にとって有利な証拠が隠されていたとしたらまともな判決は出せません。
結果としてPTSDになったり、自責の念に駆られるようになるかもしれません。
結論として現時点の私の考えは重大事件だけでなく、ある一定レベル以上の事件にも参加すべきだと思います。
また証拠は全て開示し、自白は全面可視化すべきだと思います。
他にも色々問題がありそうですが、また明らかになった時点で追記したいと思います。