日本で一番悪い奴ら | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

日本で一番悪い奴ら

71点
白石和彌監督作品。内容は彼が2013年に手がけた『凶悪』に通じる部分もあるけど、こちらはコミカルな表現が多い。
2002年あたりに実際に起きた「稲葉事件」。当時の北海道警察が裏社会と癒着していた不祥事を本作では描いている。
稲葉事件の中心・稲葉圭昭を演じるのは綾野剛。映画では「諸星要一」という名前に変えられているが、内容的には意外と史実に忠実なのではないか、と感じられた。ただしメリハリをつけた極端な演出で、暴力シーンや笑える場面もふんだんに盛り込み、思いのほか映画は見やすい印象。
物語の前半でトントン拍子に無双する諸星。しかし後半徐々にそのステイタスが崩れていくさまはなかなかリアル。史実なのでこうなるだろうとわかってはいても、ラストの締めはなかなか辛辣。

さて綾野剛だけど、新宿スワンやウシジマくん、そして本作と似た作風が続きもうお腹いっぱい。ただでさえドコモのCMで毎日見てるというのに(笑)

監督:白石和彌
出演:綾野剛、YOUNG DAIS、植野行雄、矢吹春奈
2016年 135分