秒速5センチメートル | ☆テツコの部屋☆~映画評論館~

秒速5センチメートル

78点
『君の名は。』の新海誠監督が2007年に手がけた作品。トータル63分の短さだけど、一応当時はミニシアター系映画館で通常上映された。全3話構成だがオムニバス形式ではなく、普通に物語はつながっている。
第1話で主人公・貴樹とヒロイン・明里が子供の時に出会う。第2話は高校生になった貴樹が種子島に引っ越し、そして第3話では社会人になった貴樹の葛藤、という展開。
突っこんだ深いストーリーはなく、どちらかと言うと長いPVを見ている感じ。物語よりも音楽や作画にあえて個性を感じさせるあたり、当時の新海監督らしいのかなと思う。
幼いころから惹かれ合ったカップル。しかし大人になると別の人と出会い、それぞれ別の人生を歩んでいるあたりがアニメ作品にしてはあまりにもリアル。主役2人が結ばれずにすれ違う、という結末を「鬱ラスト」ととらえてる人もちらほら。
それと個人的には一番良かったのが第2話なんだけど、そこが結局本筋とはあまり関係がなかったのが疑問。なぜ63分という短さなのか裏事情は知らないが、2時間の枠で表現すればもっと良くなった気がする。
あと、この監督は音楽のチョイスがイマイチ。感性の問題だからそこはしょうがないものの、一番泣けるとこで山崎まさよし流れるとズッコケるんだよなぁ。ファンの人いたらスイマセン(笑)


監督:新海誠
声の出演:水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美
2007年 63分