一年以上パソコンをあけないでいるうちに、ムスメは2歳9か月にもなり、すっかりベビー時代が終わって子供になってしまった。

 2歳半になる前から日本語も英語も相手を見て使い分けて喋り始め、2歳8か月では私の乏しい英語能力を完全に追い越した。二か国語をやらせると言語が遅くなると聞いたが、このムスメ、一か国語の子供よりよく話しまくって、周りからは4歳か?と言われ、プレイグループの先生にはちょっと黙っててほしいくらいよく話します、と言われる始末。

 

 が、午前も午後もインターナショナルスクールに行かせ、学校が終わるとフィリピン人のヘルパー達と遊ばせていたせいか、さすがに英語が優勢になってきた。

 全く英語が話せない私が言うのもなんだが、言語としては英語のほうが語彙数が少なく簡単だと、しみじみ思う。

 ミカンあけて、とムスメに言われたときはビックリした。

 日本語はミカンは剥かなきゃいけないし、ドアは開けなきゃいけないが、英語はオープンだけで事足りる。

 

 これはマズい、と思い、午前のインターが6月中旬終わるのを機に、新しく日系の幼稚園に放り込むことにした。

 年少クラスに5人、ひとつ下の学年の子供達が入れてもらえるのだが、どうも体の大きさもひとつ上のコ達と一緒で、ちっとも一番下らしくない。

 まあ頑張って日本語を覚えてきておくれ。

 

 

 そんな感じで今はよー喋っているムスメだが、私の言語能力がはなはだ怪しいので、ムスメの言語についてもとーーっても心配である。

 別にバイリンにならなくてもいいと母親が思っているのにバイリンガルへの道をちゃくちゃくと歩んではいるが、母国語が確立させられるのかどうかが悩みのタネ。なんせ一番聞いているはずの母親の言葉がろくなもんじゃない。

 と、ぶちぶち愚痴を精神科医にたれていたら、言語能力の問題じゃないと思いますけどねえ、と彼は言う。

 「以前見せていただいたブログ等(3日分くらいコピーしてメールした)では、あなたの言語能力には問題がないと思います。膜の薄い人、というのがいます。あなたの場合、人がいるとその刺激が強すぎるので、話せない、ということになるのだと思いますが」

 

 つまり、人がいると刺激が強すぎて、考えをまとめることが出来ず、会話の中に自分の考えを織り込むのが不可能ということらしい。そこで固まっていればまだ相手にもわかりやすいのだろうが、私の場合、相手様に耳障りの良い言葉は自動応答機能でツルツルと出てくる。

 傍からは会話が成り立っているので、相手からは不審に思われるわけでもなく、私自身ですら会話とはそういったものだと思っていたし、それ以外があると想像したこともなかった。

 

 でも、言語能力の問題じゃなくたって、私が会話が出来てなくて、つまりムスメが一番聞いているはずの母親の言葉がちょーあやしい、という事実は変わらないと思うんですがねえ…。

 

 

そういえばブログをかかなくなったのも、ヘルパーが2人に増えてからのような気がする。

 最初のヘルパーをクビにし、住み込みで人がいることに私が疲れたので、新しいヘルパーは外住まいにしたが、そうすると一日の勤務時間が減り、私が夜出かけられない。なので増やしたのだが、2人になると、ムスメを幼稚園に行かせ、1人を買い物に行かせても、まだ家に1人残っている。

 更に、私以外に2人ニンゲンがいると、会話がうるさい。私が喋ってなくたって、ヤツらが会話してるのだ。

 私が家で静かにいる時間、というのが、ここ1年ほどまるでなかったような気がする。去年の4月から、ムスメが午前午後と学校に行くようになり、午前は半年、午後は今でも母子同伴で、忙しかったのもあるが…。

 

 日系の幼稚園はもちろん母子分離だし、午後のインターも9月からは母子分離になるので、これからは少し時間が取れるはずだ。毎日のゴハンと、ムスメとヘルパーのスケジューリング以外のことも少し考えたい。

 と思い、ヘルパーの時間をやりくりして、昼間午前中に誰もいないはずの時間を2時間、9時半から11時半の間で今週から作ってみた。

 これでブログもかける、かもしれない。ダンナが9時半迄に仕事に出かけてさえくれれば。

 ダンナも刺激が強いヒトというイキモノだということを忘れて、ついつい自分が一番元気な朝に時間を作ってしまった…。

 

 1歳から2歳の一番変化する時期を、もうちょっと書き留めておけたらよかったなあ、と思う。去年の夏くらいに精神の負荷がオーバーして、それ以前の記憶がほぼ忘却されてしまったから尚更。

 忘却の原因は子育てではなく、相も変わらず母親だというとってもさみしい事実。

 写真を見ても、自分のムスメが誰だかピンとこないし、いつの間にか赤ん坊が子供になっていて、ある日とってもビックリした。

 まあ私が忘れてしまってもムスメが私を覚えててくれるので、とってもとってもありがたい。

 

 「まま大好き」とムスメが言ってくれるのを動画に残しておいて一生の宝物にしたいが、なかなかその瞬間を人さまが動画で撮ってくれるのは難しい。

 いつまで言ってもらえるかなあ…

 

 

ムスメは一歳をすぎても、まだまだおっぱいにくっついていた。
なんせくっつけといたほうが、私が寝かしつけるのにラクなんである。

が、この間アメリカにずっといた友達に言われて考えた。
「私二歳半まであげてたんだけどさあ、日本の電車の中でおっぱい~!って叫ばれたんだよねえ。アメリカではいいけど日本で日本語で叫ばないでえ~」

そうか、喋るようになると言葉で要求されるのか。
それはイヤだ。
泣かれただけですぐ負けるのに、言葉で言われたら逆らえなさそうじゃないか。
よし、喋るようになる前には卒乳しよう。

と思っていたのだが、それからすぐムスメは喋りはじめ、いつの間にかおっぱいという言葉も覚えてつぶやくようになった。
私はぱいちゃんとしか言ってないのに。
犯人はアイフォンから流れる”げんこつ山のたぬきさん”である。

🎶げんこつ山の~たぬきさん。おっぱい飲んでぇねんねしてっ。だっこしておんぶしてまあた明日🎶
…キケンすぎる幸せな歌だ。私もその生活がいい。

本格的に叫ばれる前に、と、10日前くらいに寝るときだけの一回に回数を減らした
そしておととい土曜日に外食に行ったらベビーカーで寝てくれたのを見て、昨夜考えた。
日曜だし、パパはいるし、このまんま寝かしつけてくれたら、月曜夜にはおっぱいのことなんて忘れてるんじゃね??
三日で忘れるって聞くし。

「そんなわけで寝かしつけよろしく」
と言ったら、しぶられた。
「ヘルパーにやらせりゃいいじゃん」
…日曜は休みだ。

私はムスメが泣くのがとーーーってもイヤなんである。
誰でも嬉しくはないとは思うが、私の場合は相手の要求を察して先回りして解決してあげないと何をされるかわからないという幼児期の虐待状況が呼び起こされるらしい。
泣かれると投げそうになるので、泣かれる状況をなるべく作りたくない。
私の心の平穏のために。

「だって今日はともかく、平日早く帰ってきて寝かしつけられるわけじゃないんだからさあ」
ま、そーだけど、でも。

「そもそもね、一年前に私が卒乳するときは何日かヘルパーに寝かしつけ任せたいんだけど、どう?って聞いたら、絶対ダメ、可哀想って言ったのアナタよ???だからあなたにやってって頼んでるんだけど」
「一年前と今じゃ状況が違うだろおおお」

???????
一年前だろうと何だろうと、卒乳するときは、の話をしたんだけど、そして今がその時なんだけど…
なんで状況が違うの????

わからん。
ああ、ダンナと日本語が通じない。

まあ父親がいいと言ってるんだから、今日月曜夜はヘルパーに任せて食事に出かけちまおう。
丸三日以上飲まなければ、おっぱいの存在も忘れるだろう。

けっきょくラストおっぱいは、金曜夜のいつものごとくiPadで本を読みながらテキトーにあげてたヤツだった。
一か月くらい、あげるたびにそろそろ卒業だよ~、と言ってはいたが。

最後って言ってあげなかったな。
くっついてもらえなくなってさみしーのは間違いなく私のほうだなあ。

そしておっぱいを吸われているときは幸せホルモンがどっぷり出ているらしく、それが出なくなることがとっても心配である。
おっぱいの回数を減らしてからかなり鬱っぽい。
偶然かもしれないが…

天然の薬よ、さよーなら。

そんな今朝、ムスメはオマルで初おしっこ成功だ。
もう赤ちゃんじゃない。
赤ちゃんのムスメとも、さよーなら。





フライパンのフッ素加工が剥げた。
犯人はヘルパーちゃんである。
IHヒーターのスイッチの場所を間違えたのだ。

ほとんど料理させてないのに…。
お茶煮出すくらいやってもらおうかと思っただけなのに…。

まあ普段させてないから、場所を把握していないのだが。
普段しょっちゅう消し忘れるのは私のほうなのに、皮肉なもんである。
消し忘れて煮詰まっても焦がしまではしない私。

このフライパン、まあまあ高かったような気がするのだが、もう一度買おうかどうか悩んで楽天で商品を見てたら思い出した。
確か商品の説明書にフッ素加工塗り直しサービスとやらがあったような。

えー、説明書どこだっけ???
一通り迷って引っ張り出してみる。
が、有料と書いてあるだけで、あとはURLしかない。

やれやれ、長々と打ち込み。
が、そのページはすでになく、サイト中を探し回って見つけたページには、新しいもの送るよーと書いてある。
約半額。
たぶん送料は自分持ちだろうから、半額強。

そして送ってから届くまで約一週間とあるのだが、次回日本に行くときは、送って送り返してもらうのにかかるであろう最短10日間の滞在期間がない。
すると次回日本に帰ったときに送り、更に次回日本に行ったときに受け取るという、数か月にわたったプランになってしまう。
それまでフライパン無しで料理出来るかなあ???

安いのを買うべきか、もう一回同じ商品を買うべきか、直しに出すべきか。
とってもとっても考えている。




とある土曜日の晩ごはん。

シラス
豆腐の含め煮
大根としめじと鶏肉の煮物
味噌汁
白飯

早く帰ってきたダンナに夕食の面倒を丸投げ。
よしよし、ラク出来るぞ。

「ねえねえ、このゴハン、おかずがありませんよ~」
なぬ???
「肉とか魚とかさー」

え、シラスって魚だと思うんだけど…
その煮物、一応鶏肉入ってるんだけど…

「これで白飯食えって無理だと思う!」

そう????
ちなみに確かにムスメは白飯があまり好きではなく。

…私の出す食事、そんなにひどいのかしら…??

ムスメは一歳児にしてはとっても忙しい。

幼稚園①が一回二時間半で週三回。
幼稚園②が一回二時間で週二回。
日本語のプレイグループが一時間半。
ミュージックプレイグループが45分。
水泳。

と、一週間に8コもの予定をこなしているのに、まだまだ元気が溢れ返っている。
午前午後両方に予定が入っていて、やっと20時就寝、翌6時前起床。
午前しか予定がないとある日は22:15分まで寝なかったのに、翌日は5時半に起きていた。
昼寝だって一時間ちょっとなのに、なんだってこんな元気なんだろーか。


色々なところに通わされているムスメだが、住んでいるところがド都会の南国なので、外で遊ぶ場所も甚だ少なく、遊び場所確保のために行っているフシもある。
その中でも幼稚園①は、もうまったく勉強らしきものは何もなく、ただいろんなオモチャが置いてあるだけだ。
何に興味を持つか観察出来るのはいいところ。

ある日、オモチャの山の一角にフライパンがあった。
おままごとのではない、本物である。
横にはIHヒーターもあり、更に卵が一ダースどん。
それを園児たちがガコガコ割って、ボウルに入れている。

「ムスメ、やってみる?」
卵をもらったムスメはボウルの端にガンガン。でも割れなくて涙目。
「もちっと強くやってみ」
一緒に持ってコンコンコン、パコッ。
一緒にやっていたので、殻が入ってしまった。
それを箸で掬い取る私。

横ではヒビから指を突っ込んでドロドロにしてるコや、卵を割らないでボウルに突っ込んじゃうコなど、さまざま。
二歳のコの一人は上手に割っていたが、やっぱり殻が入ってしまった。
それをボウルに手を突っ込んでポイ。殻がいらないモノと知っているのはすごい。

でもこの無法地帯後、そこにIHヒーターがあるってことは、焼くんですよね???

果たして味付けも何もせず、子供たちが割って先生が溶いた卵は焼かれていった。
それはいいんだが、焼いた後捨てるはずもなく、それらは本日のスナックタイムに提供されるんである。

えー、こいつら、卵割る前に手、洗ってたりなんて全くしてないよね??うちのムスメもしてないもん。
この国の卵、日本のと違って衛生面は少々不安なんだけど、さっき丸ごと放り込んでたヤツがいたような…
そして先生、焼いてる間に殻を見つけたからって手で取らなくても…箸使おうよ、箸。

甚だ衛生面で心配な卵焼きだが、ムスメは卵が嫌いなので、手をつけなかった。
あーよかった。


そんなこんなで、日本の幼稚園や保育園とは多少違った経験をしているようではある。
が、間違いなく衛生面においては一般的な日本人よりゆるいコが出来上がるような気がする予感。