昨日は、ある江戸時代の絵師の作品をサントリー美術館まで見てきました。
生誕250年
「谷文晁展」谷文晁とは、江戸時代における画壇の超巨匠であり、絵師として「円山応挙」「狩野探幽」と並んで江戸三大家に数えられる人物です。
ただ、谷文晁には門人や弟子、塾生などはたくさんいたにも関わらず、円山派や狩野派といったような流派としての「谷派」というものはありません。
そもそも谷文晁は、様々な流派や画家の絵を勉強・研究し、それらを会得しては自分が描く絵に反映させ、絵によって画風が変わるという、いくつものタッチを使い分けていた天才肌の絵師でした。
また、門人や弟子たちの面倒見が良い事でも知られ、弟子たちに自分の落款を貸し与えたことも多々あったといい、弟子は自分の描いた絵に師匠の落款を押して「文晃の絵」として売っては食い扶持にしていたと伝えられています。
そのような「様々なタッチ」「弟子の絵に自分の落款」などの伝承から、谷文晁の絵というものは素人が一目見て「これぞ谷文晁!」ということがなかなか出来ず、もっとも贋作の多い絵師のひとりとも言われているのです。
古美術の世界では「100幅あったらすべて偽物」と言われてしまうほど・・・(´_`。)
しかし、もちろん多作の巨匠であることは間違いなく、真作だってたくさん存在します。
そんな真作を一同に見られるこの展覧会、やはり凄かった!
ほんと様々な画風を見事に使い分ける谷文晁の筆使いに、絵描きの端くれとしてシビレます!
やはり谷文晁、ボクは好きです!!
また、今回この展覧会に来たもうひとつの理由は・・・実はボクも一幅 谷文晁の掛軸を所有しており、それが真作かどうなのか資料がないか確認したかったのです。
もちろん先にも書いた通り、谷文晁は真作も多いがそれ以上に贋作も多い作家。
ただ、ボクの持っている絵は・・・多分真作だとボクは思っているのです。
ここでは詳しい理由などは書きませんが、今回の展覧会に来て「ああ、多分ボクの持っている絵も真作で間違いないだろう・・・」と思わせてくれるものもありました。
ま、いずれどこかの機関に正式鑑定でも出したときに、真贋ははっきりすると思うんですけどね。
その時には、またその作品の事を書きます(笑)