韓国やロシアに初寄港した海自艦船は練習艦「かしま」だった 新米士官の喜怒哀楽を見守り続け | 戦車兵のブログ

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練習艦かしまと言えば2000年に、アメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するためニューヨーク港を訪れていた際に、港内でクイーン・エリザベス2号に接触されたが大きな被害はなく、同船船長の代理で謝罪に訪れた乗組員の機関長と一等航海士に対し、(当時の)練習艦隊司令官の吉川榮治海将補は、「幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております」とウィットに富んだコメントを返し、『テレグラフ』紙[2]や『イブニング・スタンダード』紙でも報道され語り草となっていることでも有名だ。



以下産経ニュースより転載






ロンドン市内を流れるテムズ川に架かるタワーブリッジ。



中央部が「ハの字」型に開閉する観光名所に7月31日、自衛隊艦艇が初めて姿を現した。


海上自衛隊の練習艦「かしま」だ。





「かしま」に乗り込んでいたのは海自幹部候補生学校(広島県・江田島)の卒業生。



約190人が「かしま」と練習艦「せとゆき」、護衛艦「あさぎり」に乗り込み、5月20日から169日間の予定で遠洋練習航海に臨んでいる。





今年の練習航海では英国に加え、米国、ジブチ、フィリピンなど計13カ国を世界一周する形で訪問し、約5万7000キロの航程を終えて11月4日に帰国する予定となっている。




「かしま」のロンドン寄港は近年進む日英防衛協力関係を象徴していると言えるが、海自艦による“初お目見え”の役割を果たしたのはロンドンだけではない。





 自衛隊艦艇が初めて韓国に入港したのは、「かしま」が行った平成8年9月の釜山訪問。


ロシア初入港も「かしま」によるもので、17年7月にサンクトペテルブルクで日露国交樹立150年に花を添えた。



26年10月、海自が初めてソロモン諸島で収集された戦没者の遺骨を日本に送還したときも、その任に当たったのは「かしま」だった。


 なぜ「かしま」ばかりが大役を任せられるのか。
 




「護衛艦も信頼醸成措置の一環として外国を訪問することはよくあるが、練習艦であれば『友好親善』の性格がより明確になる」


 海自関係者はこう解説する。





 海自関係者はこう解説する。韓国やロシアは歴史認識や領土などをめぐり微妙な間柄なだけに、練習艦は意図せざる反響を呼ぶことを避けられるというわけだ。


外国訪問の際に国家元首が「かしま」を訪れることもあり、艦内には特別公室が整備されている。



 もちろん、親善外交や遺骨送還だけが「かしま」の役割ではない。


防衛大学校や一般大学を経て幹部候補生学校で学んだ精鋭たちは、卒業式当日に遠洋練習航海へと出発する。



「かしま」は8年以降、この鍛錬の場として活用されている。





 洋上では「防火」「防水」「応急操舵」「霧中航行」「溺者救助」「出航」「入港」の基本7部署訓練が行われる。



座学中心の幹部候補生学校とは異なり「一つ間違えば人命を失いかねない」(海自幹部)という緊張感の中で、「スマートで目先が利いてきちょうめん」を誇りとする海の男を育て上げる。


 訓練以外にも“新米幹部”が緊張を強いられる場面がある。最後の寄港地を出発した後に海上自衛官としての職種が言い渡されるのだ。


水上艦や潜水艦、航空(パイロット)など生涯をかけて専門を極める分野となるだけに、まさに人生の岐路に立たされることになる。




 希望がかなわず泣き出す者、仲間を気遣い喜びをかみ殺す者、将来の不安から深夜まで語り明かす者…。


世界の海を股にかける「かしま」は、若き幹部自衛官の船出を見守り続けている。(杉本康士)


(産経ニュース)



2015年度の遠洋練習航海として、旗艦かしま率いる練習艦隊は、その歴史に新たな勲章を刻む事となる。


それは日本国所属の軍艦として明治初期から現在まで通して、つまり近代日本においても史上初となる南米マゼラン海峡通過に挑戦、無事にこれを達成した。



同年の秋には、この記念すべき偉業を胸に練習艦隊と将来の国防を支える幹部候補生達は、中南米の各国と友好親善を深め、日本に帰国した。