私は子供の頃から時代劇を観るのが好きでした。

夏休みや冬休みの長期休暇には、テレ朝の10時半からの時代劇枠を必ず観ていました。「三匹が斬る」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」などなど。。 

キメ台詞の法則を覚えてしまうほどでした。たとえば、「暴れん坊将軍」であれば、マツケン演じる吉宗が「世の顔見忘れたか!」と言った後に、「A:上様とて死んでしまえばただの人。。」 「B:ここで死ねばただの徳田新之助」「C:どうせ上様には死んで頂くつもりでした」などいくつかの返しパターンがあった後にちゃんばらに入ります。

ちょっと変わった小学生だったかもしれません。


長じてからは、歴史小説にはまりました。
特に司馬遼太郎作品ですね。
司馬先生は相当作品を執筆されたので、読んでも読んでもまだ読んでいない作品があったのですが、ついに全部読みきってしまいました。人生の楽しみを1つ失ったような、寂しさを感じました。


前置きが長くなりましたが、先日山岡荘八著「徳川家康」を読み始めました。

けっこう分厚い文庫本で、全26巻もあるので、最初の1歩は勇気がいりましたが、ブックオフで1冊100円で全巻売っていたので、意を決して大人買いしてしまいました。

読んでみたらこれがさすが名作だけあっておもしろい。50年以上に書かれた本でありますが、やはり名作というものは時代を越えて読んでもおもしろいものですね。

司馬さんは家康をあまり好かず、秀吉が好んだったようで、作品の中での秀吉は魅力たっぷりで登場しますが、徳川家康はあんまりいい役柄で登場しないので、私もあんまりいい印象を持っていませんでした。でも、山岡作品の家康で印象が変わりそうです。

山岡荘八の「徳川家康」は私が北京にいる頃に、中国語版が発売され、中国で200万部を突破するベストセラーになっていました。北京の本屋さんでよく「徳川家康」の本を見かけるので、不思議に思ったものです。


Ieyasu
中国語版徳川家康


なぜ中国で徳川家康が受けたのか?
についてですが、とある奇特な読者の方が山岡荘八「徳川家康」の登場人物を調べたそうです。そしたら、およそ2200人だったそうです。このあたり、「三国志」に通じるので受けているのではないでしょうか。そして、この作品のすごいところは、主人公の家康だけでなく、脇役のキャラが立っていて、それぞれにドラマがあるところを見事に描いているところです。

まだ2巻の途中ですが、この段階での主人公は家康の父広忠と母のお大の方です。織田方も信秀全盛時代で、信長はまだ子供です。信長、家康の親世代を描いた作品はほとんど読んだ事がないのでとても新鮮です。


1週間で1冊読んだとしても、26週は楽しめるわけで、当面の楽しみが増えました。



徳川家康(1)



NHK大河ドラマ 徳川家康 完全版 第壱集